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SDGs・ESGとは豊かさの追求である

はじめに

近年、企業の社会的責任や持続可能性が強く注目される中、新たなトレンドとして「ゼブラ企業」の概念が浮上してきました。これは単に経済的な成長を目指すのではなく、社会や環境にも配慮しながら成長を遂げる企業を指す言葉です。そして、その背景にはSDGsとESGの思想が根付いています。これらは結局のところ、真の意味での「豊かさ」を追求するものであると言えるでしょう。今回のブログでは、SDGsとESGがどのようにして私たちの生活や企業活動に「豊かさ」をもたらすのか、そして「ゼブラ企業」がその中でどう役立っているのかについて考察していきたいと思います。

ゼブラ企業、SDGs、ESG

ゼブラ企業とは

ゼブラ企業は、ユニコーン企業とは異なり、急激な成長や大きな利益を追求するのではなく、持続可能で公平な方法での成長を目指す企業を指します。ゼブラは白と黒のストライプを持つ動物で、この名前は多様性とバランスを象徴しています。ゼブラ企業は、利益と社会的価値の両方を追求する新しいビジネスモデルを提唱しています。

SDGsとは

SDGs(持続可能な開発目標)は、国際的に合意された17の目標で、貧困の撲滅から環境保護まで、全世界での持続可能な開発を促進するための共通の指針となっています。これらの目標は、2030年までの世界の「願い事リスト」とも称され、国や企業、個人が取り組むべき課題を明示しています。

ESGとは

ESGとは、「Environmental(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(統治構造)」の頭文字を取ったものです。これは企業の持続的な価値を評価するための基準であり、企業が環境や社会、統治構造にどれだけ取り組んでいるかを評価するためのものです。多くの投資家は、ESGの評価を投資判断の一部として用いるようになってきています。

豊かさとはなにか?

豊かさという言葉を聞くと、多くの人はまずお金や資産を思い浮かべるかもしれません。しかし、豊かさの真の意味はそれだけではありません。それは感じ方、考え方、生き方それぞれに根差した概念です。

物質的な豊かさ


最も直接的に考えられるのが、物的な富や資産です。安定した生活、一定の贅沢、快適な住環境など、これは多くの人々が追い求める豊かさの形です。

心の豊かさ


物質的なものを持っていることとは別に、心の平和や満足感、愛や友情、家族との絆など、心の側面での豊かさも非常に重要です。

知的な豊かさ


新しい知識や技能を学ぶ喜び、考えることの楽しさ、創造性や好奇心を満たすことも、人々の豊かさの一部として数えられます。

時間の豊かさ


自分の時間を自由に使えること、趣味や家族との時間、リラクゼーションのための時間など、時間の質やその使い方も豊かさの指標となります。

健康の豊かさ


健康な体と心は、他のどんな富よりも価値があると言われています。日々の健康や適切な休息、ストレスの管理など、この側面の豊かさは私たちの生活の質を大きく左右します。

豊かさは、外見や持ち物だけでなく、私たちが日常で感じる満足感や価値観、目標や夢に根ざしています。真の豊かさを追求するためには、自分自身の価値観や生き方を深く理解し、それに従って行動することが大切です。

豊かさには3タイプある

豊かさという言葉には多くの意味が含まれていますが、ここでは3つの観点から考えてみたいと思います。それは「最初からあるもの」、「自分の行いで得るもの」、そして「消費していくもの」です。

1. 最初から持っている豊かさ

  • 遺伝や家族環境: 一部の人々は健康や才能、あるいは物質的な富を、生まれながらにして持っていることがあります。

  • 文化や環境: 生まれた場所や育った文化、教育の背景など、自分の選択ではない環境が提供する豊かさもあります。

2. 自分の行いや努力で得る豊かさ

  • 知識やスキル: 学びや経験を積むことで得られる知識や技能は、個人の努力によって手に入れることができる豊かさです。

  • 人間関係: 他者との関係を築く努力やコミュニケーションを通じて得られる、人間関係の豊かさ。

  • 物質的な資産: 努力や働きによって得られる経済的な富や資産。

3. 消費していく豊かさとその鈍化

私たちの日常には、使用することで少しずつ減少していく「豊かさ」が存在します。しかし、その消費を適切に管理し、鈍化させることで、より持続的な豊かさを享受することができます。

  • 時間: 私たちが持っている最も貴重な資源。
    鈍化の方法: 効率的な時間管理、優先順位の明確化、無駄な活動の排除などを通じて、時間の消費を最小限に抑える。

  • 健康: 健康は適切なケアや選択によって維持・向上させることができますが、年齢とともに変化していきます。
    鈍化の方法: 定期的な健康診断、バランスの良い食事、適切な運動、ストレスの管理などを通じて、健康の消費を遅らせる。

  • リソース: 金銭や物資など、使うと減少する資源。
    鈍化の方法: 賢い消費や投資、節約の努力、再利用やリサイクルなど、資源の持続的な利用を考えることで、急速な消費を避ける。

マズローの五段階の欲求と5つの豊かさ

豊かさについて考える際、それは実はマズローの欲求と密接に関連しているのではないかと思いつきました。そこで、マズローの欲求を基盤に、豊かさとはなにか?で紹介した5つの豊かさをあてはめてみます。

生理的欲求


この段階は生存の基本的な欲求を示しており、ここでは**「物質的な豊かさ」**が一致します。安定した生活や快適な住環境を維持するためには、物的な富や資産が必要です。

安全の欲求


安全や安定を求めるこの段階は、**「健康の豊かさ」**と密接に関連しています。健康な体と心は安全で安心した日常生活を支える基盤となります。

所属と愛の欲求


家族や友人との絆、愛情、所属感を求めるこの欲求は、**「心の豊かさ」**に当てはまります。心の平和や満足感、愛や友情はこの段階の欲求を満たす要素となります。

尊重の欲求


自己実現や他者からの評価を求めるこの段階には、**「知的な豊かさ」**が関連します。新しい知識や技能を学び、創造性や好奇心を満たすことで、自己成長や他者からの評価を得られます。

自己実現の欲求


この最上位の欲求は、自らの可能性を最大限に活かすことを求めるもので、ここに**「時間の豊かさ」**が当てはめられます。自分の時間を自由に使い、リラクゼーションのための時間や趣味に没頭することは、自己実現の一環として考えられます。

このように、マズローの五段階の欲求と5つの豊かさの要素は、多くの点で重なり合う部分が見受けられます。

心技体と道から考える豊かさ

日本の伝統文化には「道」という考え方が根付いています。武道、茶道、書道といったものから、日常の生き方まで「道」を追求することは、心技体のバランスをとることと深く関わっています。この「心技体」と「道」の考えを、5つの豊かさと結びつけて探求してみましょう。

  • 心の豊かさ: 「道」の追求は、心の平穏や人間関係の深化をもたらします。書道や茶道では、一筆一筆、一手間一手間を大切にすることで、心の平和や集中力を育みます。

  • 知的な豊かさ: 武道や書道などの「道」の学びは、新しい知識や洞察を与えてくれます。技の磨きは終わりがなく、常に新しい発見や学びがあります。

  • 時間の豊かさ: 「道」の追求は、時間の使い方に質を持たせます。特に瞑想や茶道のようなものは、時間をゆっくりと流れるものとして再認識させ、質の高い時間の過ごし方を教えてくれます。

  • 健康の豊かさ: 武道や舞踊のような「道」は、体を鍛えることによって健康を保つ手助けとなります。体の動きや呼吸を意識することで、健康の基盤が築かれます。

  • 物質的な豊かさ: 体の技術やスキルの習得によって得られる物質的な報酬や評価は、理想を追い求め、持続して努力を続けるための必須のエネルギーとなります。

最後に

私たちの生活や働き方、価値観は様々な側面からの豊かさに影響を受けています。ゼブラ企業やSDGs、ESGのような持続可能な取り組みが示すように、物質的な豊かさだけでなく、心、知、時間、健康の各側面からの豊かさを追求することで、より満足できる生活を築くことができます。マズローの欲求の階層や心技体の視点を通じて、私たち自身の内側と外側の両方からの豊かさを考えることが、持続可能で価値ある生活を築く鍵となります。そして、多くの人がこのような視点や価値観を共有することで、持続可能な社会の実現が加速します。同じ方向を目指す集団の力は計り知れず、個々の考えや行動が集まることで、真の変革と持続的な社会が実現することでしょう。この考え方に共感してくれる人がたくさん現れることを心から願います。

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