もりーた

育児(2022年4月に出産👶)についてと妄想系ショートストーリーを書いています。

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最近の記事

2050年のお庭

「都丸さん、おはようございます。今日は、2050年12月14日。天気は快晴、日中の気温は12度。」 朝起きると、ロボットが元気に話しかけてくる。 もう12月14日か... 彼女がいなくなって、ちょうど1ヵ月が経った。 真っ暗な窓から少しずつ、心地のよい「太陽光」が入ってくる。最新のテクノロジーが搭載されているこの窓は、夜は光を遮断し、朝は自然の太陽光と相違ない光が入るように設計されている。 実家が日当たりがよかったこともあって、人工的な太陽光なんて冗談だと思っていた。でも

    • パンツ一丁か、白T一枚か?ベビーの肌着問題

      ベビーの肌着は奥が深い。遅すぎる出産準備を始めて早々につまずく。 まず、「短肌着」「長肌着」「コンビ肌着」「ロンパース」と、肌着のカテゴリーで四種類ある。そして、「洋服」としてのカテゴリーには、「ドレスオール」「コンビオール(ツーウェイオール)」「カバーオール」・・・。もう何がなんだか分からない。「(ツーウェイオール)」とわざわざ括弧に囲うのは、どういう意味なのか。意図的に分かりづらくして、出産予定日まで1ヶ月を切って、切羽詰まりまくっている私のような者に対して、全種類の肌着

      • 午前0時51分

        とある夜、同僚から会社のslackに、深夜このような写真が送られてきた。 唐突で意味が分からなかったが、 「これをネタにストーリーを買いてほしいというフリでしょうか?」 と聞いたら、「Yes」のスタンプが押されたので、ストーリーを書いてみました。 ---------- 彼氏からLINEにメッセージが来たのは、午前0時51分だった。 なぜ正確に覚えているかというと、スクショをとったからだ。 どうしてそんなに自分が冷静でいられたのかは分からない。 とっさに、自分の指が動いたの

        • ムーンランド

          光川がようやく現れたのは、9時を過ぎた頃だった。 光川は、ハーフパンツにスウェットを着て、大きめのリュックを背負ってやってきた。 ダーツバーに僕たちが着いたのは、7時半ごろだったから、かれこれ1時間半ほど待たされたことになる。 そのバーには、ダーツが5台ほど壁側にあって、真ん中にテーブルや椅子がまばらに置かれていた。僕は、学生の頃よく行っていた高田馬場にあるダーツバーを思い出していた。僕たちは、ハイボールを飲みながら、ダーツを3ゲームやって、飽き始めていたところだった。

        2050年のお庭

          エス

          ショートストーリー(村上春樹風)を書いてみました。ほぼ実話です。 ----- 渡された合鍵をポケットに入れて、今夜も同じマンションに住んでいるSに会いに行く。 ドアをあけるといつもSは玄関まで出迎えに来る。 私がSの部屋に行くのは、おおよそ夜の10時から11時の間、たいてい食事を済ませた後だ。Sの部屋に入ると、私は上着を脱ぎ、軽くたたんでソファの上に置く。 それから、やかんに水をいれて、お湯を沸かす。カモミールのティーパックをマグカップに入れて、そこにお湯をそ