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オンライン授業センター

オンライン授業の拠点をつくりませんか。
日本の学校は、オンライン授業の環境が整っていない。YouTube、マイクロソフト、zoom、classi、スタディサプリに急遽、頼ることになった。

日本には大学入試センターがあり、高大接続のサポートをしてきた。オンライン授業の環境整備においても、大学入試センターのように、取りまとめて効率よく教員と生徒をサポートする機関がほしい。

学校の設置者、自治体によって教育環境の格差がある。私立学校は独自の環境整備を売りにして生徒募集をしてきたので、休校要請にも対応してオンライン授業に切り替えて学習の空白をつくらなかった学校は評価が高まるだろう。一方、公立学校では先進的な取り組みを進めてきた一部の学校だけが、オンライン授業で対応できた。

オンライン授業実施のために必要なサポートとは
家庭と生徒のサポート
学校と教員のサポート

子ども用にタブレットやPC端末が用意できない家庭がある。
スマホで動画を見て学習していた子どももいるが、画面の小ささは疲労度が大きい。端末が家庭にあっても、保護者の仕事用で子どもには使わせられない場合もある。保護者もリモートワークで使う。端末を学校が貸し出して対応したところもあるが、もう一つの問題は、インターネット回線だ。有線電話回線を持っていない家庭では、Wi-Fi通信機器やスマホを介してインターネット接続をするが、通信料の負担は大きい。休業要請で保護者の収入が減少している家庭もあるだろう。オンライン授業センターに求める役割は、端末の貸し出し、通信機器の貸し出し、機器の不具合等のサポートだ。

休校期間中の学校との連絡にclassiなどのクラウドサービスを活用した学校は多い。自校のホームページで対応するよりも便利である。しかし、全国一斉に始まった休校によりアクセスは急増し、利用に支障が出た。学校で管理する教育情報を民間企業のプラットフォームで管理すること自体を問題視する声もある。オンライン授業センターに学校向けクラウドサービスを提供してもらいたい。

学習コンテンツのデジタル化は推進すべきだ。教員は日々、目の前の生徒に合わせて、学習コンテンツを作成している。大きなものから小さなものまでいろいろある。授業だけでなく、教員は委員会活動や部活動に関する指導も担うので、学校という教育活動全体で、学習コンテンツのデジタル化は有効である。

授業以外の校務にもデジタル化は有効
卒業式の準備の様子を撮った動画や写真をクラウドに保管しておくと、次年度も準備でわからないことがあれば、前任者がいなくても、取りまとめをしていた教員が不在でも、助かることはある。先生方の記憶や経験はや、前の学校の情報と混ざって、いろいろな先生方の考えが出てくるだけで、記録や引き継ぎは十分でないことが多い。文書や資料、先生方一人ひとりの覚え書きや自作プリントなど、自腹でiCloudを活用している先生方もいるので、オンライン授業センターが提供するクラウドやプラットフォームがほしい。

動画配信はYouTubeに依存
ストリーミング配信にはYouTubeが便利だ。教員の端末から外部にアクセスできるサイトに制限をかけている学校の場合、YouTubeは利用できないこともある。営利企業の動画配信サービスに無料で、貴重な学習コンテンツを提供することは、公立学校に禁じられている便宜供与とも言える。公的動画配信機関が必要だ。各学校がIDを持つそれぞれの在校生向けにコンテンツを配信できる環境として、動画配信サイトを公的に整備してほしい。

教員はYouTubeに手づくり動画をアップロードする際に、生徒の氏名やエピソードを授業動画に入れることをためらう。見る側の生徒は、いつもの先生が言いそうなことは全て削いだ、YouTubeに載せて差し支えない教科書の内容だけの動画をつくる。目の前の生徒たちのために授業をしていたはずの先生が、生徒なら誰でもいいという授業をすることになる。予備校や塾のサテライト授業は、誰が見ても役立つ、再放送して何度も使える授業である。学校の先生の授業は、受け持つ生徒のためにカスタマイズされた授業である。特定の生徒のための工夫がある授業を配信するには、公的なサービスで、かつプライバシーの保護が求められる。

デジタルコンテンツづくりには技術的なサポートが必要
教員対象のICT研修がいろいろ行われているが、機器の操作に偏っている。課題解決型のサポートがない。授業のためのアイデアを実現し、教員の負担を軽減する効率化を提案するコンシェルジュのようなサポートが必要である。民間企業では、手書きのプレゼン資料やスケッチをもらって、それを見栄えのいいデザインにして、デジタル化するというサポートを専門にする部署をつくっている。専門家にはなるべく専門的な仕事をしてもらい、作業的な部分は肩代わりするというサポートである。秘書といってもいい。デジタルコンテンツであれば、リモートでもサポートは可能だ。オンライン授業センターに担ってもらいたい。また、教育現場にもタスク自動化ツールは有効だ。サポートがあれば進められる。



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