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泣き叫ぶ0歳児、悪気なく「かわいそうにねー」という義母…保育園の先生に助けられた初・復職体験

東京在住、研修生のなおこです。

第一子の長男が初めて保育園に通ったのは今から8年前。

あっという間にずいぶんと月日が経ちましたが、今振り返ってまず思い浮かぶのは、登園して私とお別れするのが嫌で、泣き叫んで力の限り暴れる長男の姿。

ああ、思い出すと、なんだか今でも心がチクリと痛む。

幼稚園育ちの私としては、「ほいくえん」というのはどんな所なのか、まだ0歳の息子を終日預けるというのはどういうことなのか、正直、想像もつきませんでした。

しかも、そんな未知なる保育園に預けつつ、同時進行で、「復職」という、これまた未知の体験に挑んでいるのだから、当時の私のことを、「大変だったね、がんばったね、大丈夫だよ」ってハグしてあげたい。

ついでに余計なことまで書いてしまうと、近所に住む義理の母が、「まあ・・・まだ0歳の子を保育園に預けるなんて、かわいそうにねー」なんて、悪気もなく正直な気持ちを吐露してくる。

私だって、保育園に預けることも、始まったばかりの育児にも、復職にも、「これが正しい」と自信をもっているわけではないが故、「かわいそう」という言葉が妙な鋭さで私の心をシュッと引っ掻く。

いや、だからと言って、これ以外の選択肢をとることは考えてないよね、と自分を奮い立たせて笑顔を作ってみたり。

そんなこんなの中、色んな気持ちをギュイギュイに心に押し込んで、保育園に登園し、長男ギャン泣き。

離れるのが嫌で泣き叫び、力の限り私にしがみつく長男を、先生方がにこやかに私から剥ぎ取る。

時には2人がかりで。

「ママ!大丈夫よ!!いってらっしゃーい!!」と、爽やかに明るく私の背中を押してくれるベテラン先生の声を信頼し、私は決して後ろを振り向かないことを決め、涙をこぼすまいと呼吸に力を入れ、必死に玄関に向かって歩く。

玄関を出ると、嘘のように「ふわーっ」と肩が軽くなる。

私から「母(新米)」という看板が蒸発し、「社会人」という慣れた看板だけを背負える気楽さよ。

会社に着けば、「復職」という壁と対峙することはあれど、子供相手の想定外だらけの時間からは解放される。

大人との会話って楽。

さて、そんなガッチガッチの私の心を少しずつ溶かしてくれたのは、間違いなく保育園の先生方。

「おはようございまーす!」「おかえりなさーい!」という笑顔の挨拶はもちろんのこと、「息子くん、昼間こんなことしてましたよー」と、嬉しそうに話してくれる先生、「息子くん、今あっちのお部屋で遊んでますよー」なんて、担任でもないのに息子の居場所を知っていてくれる先生。

「ママ、大変ね」「息子くん、ママとバイバイしたらすぐに元気になってるから心配いらないよ」なんて、私にまで気を配ってくれる先生方。

こんなにも温かい場所で、たっぷりの愛情をかけてもらって、息子は時間を過ごしてるんだということが分かるにつれ、もう本当に、保育園と先生方には感謝と尊敬の念ばかりが湧いてきました。

ああ大丈夫、息子は保育園で、素晴らしい時間を過ごせてる。

6年後、第二子の次男が保育園に通い始めた時は、ここまでの心のドラマはなく、安心して保育園生活をスタートした気がします。

第一子の時の経験が物を言ってるのでしょう。

第一子って、なんだか苦楽を共にする同士みたいな感覚もある、なんて、今、ふと思いました。

(2022年2月1日の記事より)

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