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「自分らしさ」と市場経済のはざまでーー。就労支援、企業経営、当事者の立場から障害者雇用を語る

働くことは難儀なことだ。社会的マイノリティ当事者が企業で働こうとするときには、特殊な難儀さに直面することも多い。車椅子ユーザーが入ることのできない階段の先にある職場、双極性障害のある方が気分の波を抑えて週5日勤務を求められる勤務体系、トランスジェンダー当事者が利用しづらい男女別トイレーー。

資本主義経済の中で彼・彼女らが「いかにして、働くか」を考える状況で、ときに最低限の権利や「自分らしさ」が押しつぶされてしまうことがある。「資本主義」の荒波に揉まれ、システムに適応させていくことを是とするあまり、「自分らしさ」が軽視されてしまう構造はないだろうか。

十分な環境整備を実現できていないため、そもそも会社に参画することが難しい社会かもしれない。会社で働くことができても、自分らしさを押し殺してなんとか適応することでしか、勤務を維持できないかもしれない。低賃金にあえぎ、豊かな暮らしを送るためには止むを得ず複業をする必要が生じるかもしれない。

それでも「働きたい」と考える人にとって、社会的マイノリティをめぐる雇用の場は、実際のところどうなっているのだろう。過去を紐解き、現在を確認し、そして未来を構想してみよう。

過去・現在・未来を結び、社会的マイノリティに関する「知」の共有と深化を目指すシリーズ講義「LITALICO研究所 OPEN LAB」が昨年開催された。

本記事は、2019年度に実施した、LITALICO研究所OPEN LABの講義のレポートとなります。会場・オフラインでの受講生限定で開講・配信した講義シリーズの見どころを、一般公開いたします。

LITALICO OPEN LAB第6回のテーマは、「障害者雇用の現在と未来 – 「自分らしさ」と市場経済のはざまで」。冬の入り口、12月のLITALICO本社セミナールームに集まった参加者たちは、緊張感のある雰囲気の中で「知」の共有と深化に向け、熱心な姿勢で講義に臨んでいた。

(2019年12月の講義を元に記事化。レポート執筆:遠藤光太)

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はじめに本会主催の鈴木悠平より、企画のねらいが語られた。

「自分や家族、身近な人の暮らしを豊かにしていくこと、困っている人の役に立つこと、世の中に対して問いやメッセージを投げかけること。働くことを通して実現したいことは、人によってさまざまです。必要なサポートも人それぞれ異なります。1人では難しい困難な大きい目標に直面したときに、私たちはチームを組み、会社をつくり、組織の力で乗り越えてゆきます。

一方で、組織で働くということは、常に金銭的・物理的・人的制約の中での意思決定を求められるということでもあります。障害や疾患のある人をはじめ、多様な人が安心して働いて活躍できる環境が理想だけれど、そのためのコストを誰がどのように負担するのかという問いもついて回ります。法定雇用率や特例子会社、就労移行支援といった各種制度を調整弁として活用しつつも、市場経済の中で企業はどのように多様で持続的な組織運営を実現するのでしょうか」

登壇したのは、就労支援、企業経営、当事者のキャリア戦略の観点からそれぞれ障害者雇用にアプローチしている3人だ。

1人目のゲストは、LITALICOの昆野祐太さん。

遺伝子の疾患で先天性の上肢障害を持って生まれ、幼少より保健師や作業療法士の方など福祉職に助けられた経験から、そうした支援をすべての人が当たり前に受けられない現状に課題を感じ、新卒でLITALICOに入社。就労移行支援事業所LITALICOワークスで障害のある方の就労支援に従事したのち、現在は「LITALICO仕事ナビ」営業部のマネージャーとして、全国の働くことに障害のある方と就労支援施設をつなぐ活動に従事している。

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昆野さんには先天的に尺骨と呼ばれる骨がない。これは日本で数人、世界でも30人ほどしかいないほど稀有な障害で、中学生の頃には昆野さんのレントゲン写真がアメリカの学会で使われていたそうだ。障害とともに生きてきたことは、昆野さんの職業人生にも大きく影響を及ぼし、現在はLITALICOで障害のある方の就労を支援する仕事をしている。

昆野
正解はないと思いますので、私もみなさまとのトークを通して、より勉強して、自分の考えも深めていきたいなと思っています。私は主に、自分も当事者であったことと、支援という仕事をずっとやってきたという観点でお話ができればと思います。

「就労支援」が対象とするのは障害のある方だけではない

障害がある方への就労支援を行なっている組織は、LITALICOを含めて数多く存在している。支援の内容は、就労移行支援をはじめ、就労継続支援、職業紹介、求人広告、生活介護、自立訓練サービスなどさまざまだ。また、特別支援学校、障害者職業能力開発校、ハローワーク、障害者就業・生活支援センターなどといった多様な主体が関わっている。

昆野さんが就労移行支援について知っている人を会場で尋ねると、ほとんどの参加者の手が挙がった。

昆野さんが従事していた「LITALICOワークス」は就労移行支援事業所で、障害者総合支援法で定めている福祉事業のひとつである。障害のある方が就労に向けたプログラムを行う施設で、利用期間が2年間までと定められている点が特徴だ。個々の目標や状況をヒアリングし、個別に支援計画が作成される。

「2年間使う中で、就職・就労を目指したい障害のある方が使って、一般企業に就職をして、その後のサポートも行っていきます」と昆野さんが言うように、パソコンやビジネスマナーなどのプログラムの他にも、企業インターンや就職活動のサポートが行われ、就職後には「就労定着支援」を受けることが出来る場合もある。就労定着支援は、2018年4月から提供が始まったサービスで、障害のある方に対する課題解決のためのアドバイスや、勤務先への訪問、医療機関や福祉機関との連携が行われる。

「自分らしさ」が「障害」に埋もれてしまう

昆野
働くことに障害のある方と市場経済にはざまがあって、そのはざまを埋めるためのヒントが実は「自分らしさ」なんじゃないかと思います。

まず「自分らしさ」とは何かということ。私は29年生きてきた中で、障害は「自分らしさ」なのか、と考えました。私の場合隠すことができるわけではないので、奇異な目で見られてしまうこともあれば、「あなたは障害を持って生まれて、運命だね」とか「神様の生まれ変わりだね」みたいなことを小学校の頃に言われたこともありますが、そこは自分の中に違和感があって。つまり障害っていうのは私のアイデンティティなのかっていうところが、ポイントなのかなと思います。

障害があると「障害=アイデンティティ」とも言える状態になってしまうことがある。昆野さんは、両親から「健常者に負けるな」と言われて育ったそうだ。「言ってもらったことに感謝もしてます」と言う一方、「力仕事はできないから勉強は頑張らないと」というように、障害に紐づくかたちで人生の選択を積み重ねることにもなった。昆野さんは、誰かに負けないために頑張っている原動力を「負のエネルギー」と表現する。「負のエネルギー」を自らの原動力にしていると「自分らしさが障害に埋もれてしまう」と振り返った。

OPEN LAB#6昆野祐太さん講義資料

そんな昆野さんは、LITALICOでメンターからのアドバイスを受け、障害がアイデンティティの中核ではなくなっていった。昆野さんを構成するのは、野球観戦が好き、好奇心旺盛、負けず嫌い、目立ちたがりといった特徴で、そのうちのひとつに障害がある。

昆野
自分らしくっていうのは、想像以上に難しい。障害のあるなしとか、そこすらも関係なく、自分らしく働けてる人ってどのくらいいるんだろう。

就労支援は、本人の“御用聞き”ではない。周辺の資源を提供できる支援者へ

障害者雇用にはさまざまな職種があるが「一般事務」や「軽作業」といった業務が多いのも実情だ。無論、それらの仕事はあって然るべきだが、求人の量に大きな偏りがあれば、障害のある方の多様性を受け入れられなくなる。

昆野
やはり、ただ自分らしくいれば市場経済の求める期待値に達するのかっていうと、まだ達しない場合もあると思う。それが私は“はざま”だと捉えていて。じゃあどうしたら自分らしく働くことが、なおかつ市場経済の期待値に到達するのか、っていうところを考えたい。

就労支援と言えば、スキルの支援がイメージされがちだが、昆野さんは「その人らしさ」や「どう生きていきたいのか」を重視して支援するよう心がけてきた。そして「自分らしさ」を市場経済と接続させていくためには、「本人の使える資源を増やし、質を高めることが大事だ」と語った。

昆野
例えばこれらはLITALICOでやっている取り組みなんですけれども「Olive」というスマート補聴器があります。他にも、人工知能による通所データの解析結果を日々の支援に生かすこともできるようになっています。スマートフォンで使えるアプリを使って、お子さんの可能性を育んでいくような取り組みもしています。

僕も当事者ってところで言うと、やっぱり「支援者」も本人が使える資源のひとつなんですよね。そして同じ障害を持つ仲間も、本人が使える資源のひとつだと私は思っています。資源が魅力的にあればあるほど、その人の可能性が広がって、経済性に繋がりやすくなるんじゃないか。もちろんそれだけで全てが解決するということではないですが、私はそこが大切だと思っています。

既存の社会システムであったり既存の障害者雇用っていうのを当たり前と捉えちゃいけないと思っています。100人中99人が「まあ、そうだよね」と思っているところに「いや、でもそこって課題じゃない?」とちゃんと気付ける課題設定力。もちろん本人のニーズに沿って支援をするっていうことを第一にしていますが、御用聞きとかではなくて、1人ひとりがどんな人生を送ってほしいのか、どう活躍してほしいのか、そもそもどうあるべきなんだっけっていうのを考えて初めて就労支援というのがさらに進化ができると思います。

ピアサポートという言葉がある。同じような症状や立場の仲間同士でする支援のあり方を指す。上肢障害のある昆野さんは、多様な種別や濃淡の障害がある人々を支援するが、広義の“ピアサポート”と言えるかもしれない。それは、昆野さんが今回のテーマである「『自分らしさ』と市場経済のはざま」を、全身で体感してきたからだ。

自身の経験に立脚し、さまざまな角度から支援を続ける昆野さんの語る言葉は、力強かった。


2人目のゲストは、グリービジネスオペレーションズ代表取締役社長の福田智史さん。

グリー株式会社の特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社は、社員の約7割が発達障害の当事者であり、個々人の特性を踏まえた職場環境づくりに力を入れながら、仕事を通じ自律的に成長し続けられる会社づくりを目指している。

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「コスト」であってはいけなくなった特例子会社

発達障害のある方を雇用している企業を問われれば、福田さんが代表を務めるこの会社を挙げる人も多いだろう。グリービジネスオペレーションズは、モバイルゲームなどで知られるグリーの特例子会社だ。特例子会社とは、障害者雇用促進法に基づく企業形態で、特別の配慮をした上で障害のある方を雇用し、親会社の雇用とみなして障害者雇用率を計算することができる枠組みだ。

今でこそ発達障害のある方の雇用に脚光を浴びる同社だが、設立当時から障害者の環境整備や事業貢献に積極的だったわけではなかったそうだ。

福田
はじめは、「法定雇用率を満たすために障害者を雇用している箱」という位置づけであったのは確かで。当社がグリー全体の事業に貢献していたりとか、生産性向上に貢献しているとはまだそんなに言えない時期もあったんですよ。

福田さんがグリービジネスオペレーションズの代表に就任した2013年が転機だった。モバイルゲーム市場全体として、急激に業績が落ち始めていたそんな中、グリーは肥大化したコストを圧縮し、筋肉質な体制に改革していく必要が生じたのだ。そこで経営者として白羽の矢が立ったのが、福田さんだった。福田さんは事業側出身で、現在でも事業部門の部長職を兼任している。「2012年のまま、グリーの業績が右肩上がりで絶好調だったら僕がここの代表をやっていない可能性は非常に高い」と福田さんは振り返る。

福田さんの代表就任を機に、コストからベネフィット(利益)へと損益構造を転換させていくことを課せられ、社員たちはそのハードルを越えていくこととなった。

誰もが、公平にその能力を発揮できる機会を

グリービジネスオペレーションズでは「能力を最大限に発揮でき、仕事を通じ自律的に成長し続けられる会社を創る」という企業ビジョンを据えている。あえて「障害者」といった文言を入れていないのが特徴だ。

具体的には3つの考え方がある。

1つ目は「誰もが、公平にその能力を発揮できる機会を得られるべき」。

福田
障害もそうですし、家庭環境とか、経済的事情も含めて自助努力でどうにもならない部分。そのせいで教育を受けられないとか、例えば採用面接も受けられないとか。やりたいことができないっていうケースって多いと思うんですけど。そういうものにはきちんとフォローアップしなきゃいけない。

社会には、さまざまなところに「不公平」が潜んでいる。特例子会社に限らず、これらを是正していくことは重要だ。

2つ目は「誰もが、受け入れ困難な価値観に無理に同調する必要はない」。

福田
例えば法令や就業規則は当然守らなきゃいけない。仕事も、仕事をすることによってお金をもらっているので、こんな仕事はやりたくない、でも給与はくださいみたいなことなかなか通用しませんよね。

そうした原則はあった上で、ここで言いたいことは、例えば「ひとつの会社に入ったらどんなに辛くても3年は頑張りなさい」とか、「新卒だったら飲み会はちゃんと二次会まで来なさい」とか、そういう価値観に無理に同調する必要もないし、押しつけることもやめましょうということです。

グリービジネスオペレーションズの忘年会は、基本的に定時勤務の時間内で行うそうだ。参加は自由で、途中入場や途中退出、再入場も自由である。息苦しいものを排して、パフォーマンスが発揮できるよう工夫がなされている。

3つ目は、「その上で、自らの意思と努力を以て成長を持続させるべき」。

福田
もともと持っているハンディキャップをフォローしてもらえる環境がある。であれば、その前提で、自らの意思と努力をもって成長はしなきゃいけないよ、と。要はその与えられた環境に甘んじているのではなくて、その上では一定の競争というのはやっぱり会社の中では必要かなと思ってます。

「努力」と「成長」は、福田さんのお話の中でたびたび登場するキーワードだ。障害者にとっての「障害」をきちんと取り除き、その上での「努力」と「成長」には期待する。考えてみれば自然なことだが、障害のある方をめぐる状況の厳しさに、忘れてしまいがちな観点だ。

なぜ日本で発達障害のある方の雇用が進まないのか

明確で論理的、かつスピーディに話を進める福田さん。話題は「なぜ日本で発達障害のある方の雇用が進まないのか」へと移っていく。その原因は、大きく分けて「固定観念」と「知見不足」と「業務不足」の3つだと福田さんは考えている。グリービジネスオペレーションズでは、これらの分析と対策を行なっている。

「固定観念」とは、発達障害のある方はマネジメントが大変、手順の決められた仕事しかできないといったステレオタイプの見方だ。固定観念を崩していくためには「特性理解」が重要である。

福田
特性理解というのは、きちんと社員に個々に向き合って、彼らが得意なこと、苦手なこと、やりたいことをちゃんとキャッチアップするということ。そしてそれは最初に面接するときに話すだけじゃなくて、定期的にやる必要があります。当然人間なので、一人ひとり成長もするし、考え方も変わっていくからです。

「発達障害だからこうだよね」といったバイアスが一番危険なので、それを取り払ってきちんと個々に向き合おう、と。なので社員とのコミュニケーションの時間は非常に多くとっています。これは現場の管理スタッフとの面談もそうですし、僕も2013年に就任してからずっと、社員との1対1の面談をやってます。

「知見不足」については、特に発達障害者に関しては、雇用ノウハウが身体障害や知的障害に比べて圧倒的に実績がないことが要因だ。

福田
例えば障がい特性上、疲れやすい人も多いので仮眠休憩室を設置したり、聴覚過敏特性のある方のためにイヤーマフの貸し出しをしたりしています。制度面では、時間単位の有給が取れるようにしたりとか、ショートタイムワーク制度を導入したりしていますね。

本会主催の鈴木もオフィスを訪れ、「合理的に整えられている」と印象を持った、と述べた。

「業務不足」は、雇用した社員に対して、企業がどのような業務を提供できるかという点だ。これに対して福田さんは「事業貢献」という巨視的な課題を提示する。

福田
この業務不足のところが一般の民間企業で一番難しいところです。これを解決するために僕はグリーの事業を今でも兼任してる部分が大きいです。やっぱり僕が人事本部だけにいて、人事本部の中で特例子会社を経営してたら、事業側から仕事を持ってくることはなかなか難しい。民間企業で働いたことのある方ならわかると思うんですけど、いわゆるコーポレート部門と事業部って溝があるんですね。だから僕は事業部を兼務することによって、事業部の人たちに対してきちんとその存在をアピールできる状況をつくっています。

同社の最大の特徴は、その経営体制にある。グループ全体の業績不振によってコストからプロフィットへ変える必要がもともと背景にあったからこそ、その過程で事業部門を兼務する福田さんが経営を担っており、以下のように事業貢献を行うことができている。

グループ全体で障害者雇用に関わってもらう“力学”をつくる

福田
会社の中で、障害者雇用というのはやらなくちゃいけないんだ、法律があるから大事なんだ、社会課題の解決になるんだと言っても、やっぱりなかなか進まない。みんなそれは当然やんなきゃいけないとわかってるけど、じゃあ実際に業務を切り出してお金をくださいって言っても、動きづらいんですよね。

ですのでグリーグループの中でやっているのは、きちんと競争力のある受託単価を設定して、各事業部でやってる仕事の中から「これって今外に出してますけど、当社で受託した方が安いですよ」とシンプルにアピールする。もう当たり前です、みんなもう社会課題解決しないといけない、CSRをやらなきゃいけないってわかってるんですけど、これを持続可能にするにはきちんとそこに経済メリットというものを合わせてあげることで、グリーグループ全体が協力しやすい力学を作るのがポイントです。

例えどれだけ強い思いを持っていても、経営資源にリーチできなかったり、組織内で意見を通す上で障壁が高かったりすると、現実が変化していかない。福田さんは今でもあえて事業部にも軸足を置いたまま、障害のある当事者を尊重して個々の声に耳を傾け続ける。特例子会社の枠組みを利用し、「力学」を作り出すことによって、企業をより持続可能な存在にしている。

全国に517社(2019年6月時点)が存在する特例子会社。それらをめぐる状況は、個々にさまざまだ。制度が設立された当初は主に身体障害者を対象とし、次に知的障害、そして精神障害へと展開されてきた。多様な障害に対して、特例子会社が受け皿となりきれているとは言えない現状もある。そんな中、グリービジネスオペレーションズの「事業への貢献」を軸とした改革は、他社にも有用な先行事例となるだろう。

CSRからCSV(Creating Shared Value)へ

障害者雇用は、CSR的になることがあるのは止むを得ないのかもしれない。CSRとは「企業の社会的責任」のことで、環境問題や人権問題などへの取り組みがあり、本業とは結びついていない場合もある。そんな中、福田さんはCSRのために障害者雇用をしているわけではないと強調する。

福田
日本の人口が減っていく中で、その日本の危機とも言われる状況を働き方改革で解決しよう、と。その中には機械を使って省人化しようという取り組みとか、外国人をもっと積極的に受け入れようという手段もありますけど、働こうとする意欲のある人に就業機会をもっと拡大していこうというのが働き方改革だと思います。

全国に障害者はたくさんいて、ただ民間企業の雇用の中ではやっぱりまだまだ身体障害者の方が多いんですよね。ただ、精神障害者の求職者はすごい増えてるし。でも実態として就職率が低くて。これはハローワークのデータなので、実際はハローワークに行ってない人たちも含めると求職者はもっと多いし、就職率はもっと低いかなと思っています。

OPEN LAB#6福田智史さん講義資料

OPEN LAB#6福田智史さん講義資料②

福田さんの講義資料より抜粋 (C) GREE Business Operations, Inc.

事業側に対して説明可能なかたちで特例子会社を位置付けていく福田さんのコンセプトは一貫している。

福田
法定雇用率があり、CSR的な考え方ももちろんあるんですけど、「この人たちを活用することによって、会社の事業に貢献しますよ」という状態をきちんと作らないと持続可能にならない。結局雇用するためには、管理スタッフの給料も誰かが払わなきゃいけないし、障害者の給与も誰かが払わなきゃいけないじゃないですか。これを全部税金で賄えますか、それは違いますよねと。それは持続可能ではない。

特例子会社といってもそれは障害者雇用促進法上の特例なだけで、立派な営利企業なんですね。企業ということはちゃんと自分たちで事業活動して、自分たちの会社を経営していくために必要な費用は自分達で稼がなきゃいけない。これが当たり前なんですけど、それがなかなかうまく障害者雇用で回っていかない。その仕組みを作っていきたいっていうのが、グリーでやっている取り組みだと思ってます。

福田さんが目指すのは「CSV」だ。CSVとは「共通価値の創造(Creating Shared Value)」のことで、2011年にマイケル・ポーター教授らが提唱した。障害者雇用を広げ、持続可能にしていくために皆で考えていきたいテーマだ。

福田
グリービジネスオペレーションズが雇用している社員も40名、50名とかですし、我々だけで日本中の発達障害者の雇用機会を作れるかというと、そうではないので。こういった機会で我々がやっている取り組みをお話させていただいて、多くの企業で我々の取り組みを真似していただければ、まだまだ発達障害者の就業機会を増やせるかなと思っています。

「これ人生詰んだかな」

3人目のゲストは、セールスフォース・ドットコムの松浦杢太郎さん。幼少のころより、先天性小耳症、重度のアトピー性皮膚炎、ADHDの影響から周囲と馴染めず、いじめ、不登校、うつ病を経験。23歳で企業に就職後、24歳で上司の手引きのもと、初めてADHDの診断を受けました。その後、徹底的な自己分析と専門医による投薬治療&カウンセリングを行い、企業で働き続けるための自分にあった生存戦略を模索。数回の転職と、起業/売却を経て、現在は同社で障害者採用専任のリクルーティングを担当する傍ら、GIFTED WORKSのアドバイザーも務めている。

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緊張感のある講義の中、パーカー姿で肩の力を抜いて話す姿が印象的な松浦さん。彼のキャリアは非常に特徴的だ。高校卒業後、自宅療養を経て、音楽の専門学校、伝統芸能の研修生、そしてアルバイトを転々としていた。その後、一般採用でITベンチャーを2社経験。ウェブ事業で独立したこともあったが、リーマンショックで赤字となり、事業をたたむこととなった。

松浦
当時13年前ですけど、発達障害は障害者手帳も取れなかった。ガイドラインに入ってなかったんですね。で、大学行ってないし、これ人生詰んだかなって。

しかし現在の仕事は、セールスフォース・ドットコムにおける障害者採用専任のリクルーティングだ。30歳の頃、ストラテラ(ADHDの方を対象として処方される薬)が日本で解禁され、服用を始めたタイミングで、いろいろなことを見つめ直した結果として、現職に至るキャリア選択をしたという。

キャリア構築における3つの射程

松浦さんは当事者の立場から、これまでの経験や知見をもとに、短期・中期・長期の3つの射程でキャリアを描くことを薦める。

松浦
最初に短期キャリア。キャリアを描く上で、まず自分の実力を把握して、今の自分をあるがままに受け入れましょう、ということ。それには第三者の協力が大切です。産業医だったり、主治医だったり、LITALICOのような移行支援施設だったり。

「なんでこんな障害があるんだ」とか「生まれつきハードモードだな」とか「同期はハイスペでめちゃくちゃ稼いでるのに何で俺だけこうなんだ」とか、いろいろ思うことはあるので、現状を受け入れるのというのは、自分だけでは結構難しいです。障害あるなし関係なく、誰でもそうだと思います。

松浦さんは7年間ほど、コーチングを活用しているそうだ。また、頭がもやもやしたらあえて手書きで、五感をフルに使って、「なんで今うまくいかないのか」といったことを全部書き出すようにしているという。

松浦
脳内のキャッシュをクリアして外部ハードディスクに全部置きましょうというのをやると、モヤモヤがすっきりするというか、メンタルヘルス的にちょっと楽になるのでおすすめです。

自分なりのモヤモヤ解消法をいくつか持っていることは、働く上で重要になるだろう。

松浦
次に、中期のキャリア。自分のペースでぼちぼち働きながら、興味があることを追求しましょう。

まず、雇用側はやっぱり長く働いてもらうことを求めます。仕事において「私に何を求めているのか」と職場の人に聞くとか、支援員に聞くとか、出来る範囲で雇用側に合わせることっていうのも大事だと思ってます。その一方で、働きながら空き時間に自分の興味のあることを追求して、自己肯定感を高めていく。もちろん、追求しないという生き方でもいいんですけどね。

自己肯定感は、日常にかまけていると、ともすれば落ち込んでしまう。仕事を「ぼちぼち」やりながら、他のことでも自分自身を尊重していくことで自己肯定感を高めるという松浦さんの提案は、当事者ならではの視点だ。職場選びについても、当事者としての体験をもとに提言する。

松浦
できる限りEQ(心の知能指数と呼ばれ、自己や他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールする能力)が高そうな人が多い職場を選択するのをおすすめします。いろんな人がいて当たり前だよね、という職場で働く方が発達障害当事者とか精神障害当事者にとっては長続きしやすいのかなと。

求人票には表れないような部分を見る上で、当事者の意見は参考になる。

松浦
最後に長期のキャリア。これは上級者向けなんですけど、市場の歪みを探していきましょう、ということです。「チートボタン」「サードドア」と呼ばれるような上手な抜け道がどっかにないかなと、探していくわけです。

経営者や投資家の人たちは、法律の範囲内でいかにレバレッジをかけて最大のリターンを得るかということを常に考えています。そういった試行錯誤を続けるなかで、予期せぬタイミングでポーンとキャリアが開けることがあります。

松浦さんは「バーベル戦略」を推奨する。85%は常に会社員などをして、ミドルリスク・ミドルリターンでお金を稼ぎながら、残り15%は投機的なサイドプロジェクトにリソースを投下する戦略を指す。

松浦
たとえば趣味でゲームをたくさんしてYouTubeで配信とか、私の場合は2016年に中国で暗号通貨のマイニングをしたりしてました。実際にどうなるか、儲かるかどうかはわからないけど熱中できそうなことを、傍らで無理なく続けるということですね。

松浦さん自身は、セールスフォース・ドットコム以外にも、就労移行支援のGIFTED WORKSでアドバイザーを務めるなど、多方面で活動をしている。

誰しもが意識高くある必要はない

松浦さんがたびたび口にしたのは「誰しもが意識高くある必要はない」。松浦さん自身、好きなことが何かわからない、何も興味も持てなかった時期に、ずっとゲームをしたり、スマホで文章を読み漁ったりと自分が快適だと思うことを追求していたそうだ。

「無理せず、まずは自分が快適なゾーンでぼちぼちやる」というスタイルを肯定する。

精神科医の本田秀夫さんも「『好き』を保障すること」の大切さを説いている。
「『やりたいことをやりたい人たち』は、余裕がなくなってくると、やりたいことが暴走していき、日常生活に支障をきたす。結局、好きなことを大切にすること」と。自分で自分に「好きなこと」や「快適なゾーン」を保障していくことも大事だ。

松浦
あとはただ、休みをしっかりとる。私は毎週日曜日は電車に乗らない、なるべく家にいる、スウェットで着替えない、というスタイルで休みはしっかり取っています。

それから、自分を肯定してくれるパートナーがいると安心ですね。いる・いないは人それぞれですけれど、もう別に頑張らなくても、寝てるだけでも、毎日一緒にいてくれたらそれだけで嬉しいよ、と言ってくれるパートナーがいると自己肯定感がさらに上がるらしいです。

当事者がどの程度までの「安定勤務」を目指すべきか、答えは一概には語れないが、松浦さんのように自分なりの体調管理法をいくつも持っておくことで、障害者と企業のより良いマッチングにつながることは間違いないだろう。

本会主催の鈴木悠平は松浦さんがプレゼンのなかで繰り返した「いい感じに」というフレーズが印象的だったとコメントを加えた。

事業に貢献している実感を

個性的な3名の講師がプレゼンテーションをしたのち、鈴木も加えた4名が並んだパネルディスカッションでは、活発な対話が展開された。質疑応答には、匿名でインターネットから質問できる「sli.do」というサービスも使われ、時間内に収まりきらないほどの質問が寄せられた。

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障害者雇用において、「ニーズのすり合わせ」や「マッチング」はたびたび課題として浮かび上がる。昆野さんは「つい面接になると『できる』とどうしても言っちゃうと思うんですよね」と語る。

昆野
でも盛って見せちゃって、入ってきて「あれ?」ということもあるので。これだけはちゃんと言っておこうっていうのは、面接の前で決めておけるといいです。

また、障害のある方からの誤解として「優秀な人でないと採用されない」との考え方もあるのではないか、と福田さんは指摘した。

福田
Twitterとかで「優秀な人しか採用しないんですよね」みたいに言われるんですけど。まずその優秀な人って何だっていう話で、これは別に障害者雇用と関係なく、企業はそのときにその企業が事業で必要な人を採るんですよ。だからとてつもなく優秀な人がいても、それを当社が事業でやってなかったら採らないし、そこに十分な人がいたら採らないわけですよね。

うちの会社でいうとゲームを作ってる会社で、そのゲームでデバッグやQA(Quality Assurance:品質保証)をやってるので、ずっと引きこもってゲームやっていましたとか、アイドルオタクですみたいな人、もうめちゃくちゃ歓迎します。声優すごい詳しいです、とか。その優秀か優秀じゃないかっていうのは、企業によって物差しが違うっていうのはきちんと認識した方がいいです。

そして採用では「ビジョンへの共感」を重視し、入社後のイメージができているかどうかを重点的に見ているそうだ。

福田
採用のとき僕が見るのは、当社のビジョンに共感できるか、カルチャーフィットするかどうかです。多様性を活かした組織作りをする上では、「無理に価値観を強制しない」、僕は「適度な無関心」と呼んでるんですけど、それだけだとバラバラになってしまって組織として成果が出なくなってしまうので、ビジョンに共感できますか、と。

だから極端な例だと「もうとにかく就労することがゴールです。どっか就職できればいいんです」という人よりも、就労することをスタートラインとして、それから「僕はこういう能力を持ってるので発揮したいです」という人がいいです。

「マッチング」のあと、障害者雇用が直面する課題のひとつが「定着」だ。面接の時点で課されるハードルはあるものの、そこは終わりではなく始まりだ。また、「成長」もキーワードのひとつだろう。「3人の石切職人」の話は、モチベーション論として有名だ。

三人の石切り工が、何をしているかを聞かれた。第一の男は「暮らしを立てている」と答えた。第二の男は「最高の石切りの仕事をしている」と答えた。そして第三の男は「教会を建てている」と答えた。
(参考:P・F・ドラッカー『エッセンシャル版 マネジメント 基本と原則』)

福田さんは、四半期ごとに行われるグループ全体の決算報告に合わせて「自分たちは、グリー全体決算のうち、この事業のこの部分に貢献している」と説明する機会を設けているそうだ。

福田
このゲームのこの部分、この事業のこの部分を今このチームでやってます』と必ず3ヶ月に1回共有しています。社員全員が「今、自分はグリーの事業にきちんと貢献してるんだ」とわかるように。決算発表資料って、特例子会社のいち社員となるとなかなか実感ないんですけど、そこをきちんと結び付けてあげる。それを僕自身が話すってことによって、社員全員が同じ方向を向いているっていうようなコミュニティ作りを意識しています。

障害者雇用は、ドラッカーの言葉でいう「暮らしを立てる」ための業務が用意されることも多い。しかし福田さんは、その点をきっちりと「教会を建てる」ような大きな仕事に昇華させている。事業に貢献している実感を得られることは、「定着」の大きな要素となるだろう。

松浦さんも当事者として「どこに向かっているか」を確認するよう心がけているという。

松浦
「僕に求められるのはなんですか、この方向でGOしてますけどいいですか」っていうのを上司と定期的に確認します。変な方向にいくと良いことはないので。あとは「今キツイです、ヘルプください」とか。

松浦さんが前半のプレゼンテーションで触れたように、安定した勤務には体調管理も大切な要素となる。

福田さんは、「フルタイムできちんと安定して働けるかどうか」をひとつの基準としているが、不安定さも許容することも重視する。

福田
今まで働けなかったけど、休職してたけど、いきなり雇用されて安定してっていうと難しいので。そこはもう本当に就労移行支援機関などを積極的に使ったらいいかなと思っています。

あとはある程度、勤怠の不安定さを会社として許容することかなと思ってます。もちろん「ノーワーク・ノーペイ」の大原則があるので、来なかったら、有給は別として、休めばその分給与は支払いできないですけど。今日はちょっと体調が優れないので早く帰りたいと言ったら帰れるみたいな、できるだけフレキシブルな働き方を会社として許容すればいいだけ。それは経営として十分合理的だと思ってます。

昆野さんは、定着に向けて支援者の視点から課題を示した。

昆野
私は今「LITALICO仕事ナビ」を作る中で全国の就労支援の現場を訪問しています。首都圏以外となると、事務所が減ったりだとか、もともとあった工場が撤退したりだとか、そういう話があります。

ただ、そういう会社の経営者さんとも話していると、やっぱり人手は足りていない。就労支援側の問題で言うと、支援者が地方だと働けないんじゃないか、と諦めてるような人たちがいるんじゃないかという疑いがあって、それは絶対変えたいなというふうに思ってます。

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おわりに

ある人は生活のため、ある人は自己実現のため、またある人は社会を変えるためーー。

「働きたい」と考える理由はさまざまだ。そんな中で、障害者雇用は障害のある多様な人々にとって有効な機会のひとつであることが、改めて確認できた。

多数派の雇用とは異なり、資本主義の論理とは別に法律で一定の比率で枠が用意されている障害者雇用。2020年4月には、週所定労働時間が20時間未満であっても事業主に給付金が支給され、2020年度末までには障害者雇用率はさらに2.3%まで引き上げられることが決まるなど、社会制度は少しずつアップデートされている。

一方で、それは資本主義とは切っても切れない関係にあり、事業主と障害のある方との出会い、関係性の継続、成長といった局面において、両者は資本主義の上で協働する。その接続点では、現場の人々のさまざまな工夫や努力がある。障害者に限らないが、ときに「自分らしさ」を押し隠して働かなければならないこともあるだろう。

今回の講義ではポジティブな面だけでなく、課題も浮かび上がった。例えば、無理せず休んでしまった場合、任せられる業務の幅が狭まってしまう現実もあるだろう。体調がネックとなって能力を発揮できないのは、事業主としても本人としても損失だ。

また、面接で「盛らない」のが大事だとわかりつつも、盛らないと入社できない場合はどうすればいいのか。障害者雇用の実数は毎年どんどん増加しているが、まだ不足している状況だ。一方では社会全体として、人手不足にあえいでいることに、違和感を拭えない。障害者雇用の枠から飛び出て、俯瞰して考えていかなければならない部分も大きく広がっているだろう。

また、障害者には該当しなくても、働くことに困難さを抱える状態にある人は多い。セクシャル・マイノリティやひきこもり、難病。挙げきれないが、これらの状態にある人々は、障害者雇用の枠の中ではカバーしきれないが、個人ではなく社会の側に、ある種の「障害」が存在している状態とも言えるだろう。取りこぼされる人が存在することを、忘れてはならない。

全体を通して印象に残ったのは、ずばり「人」だ。昆野さんには、考えをポジティブに変えたメンターがいた。障害のある方のメンターとして、福田さんは1対1の面談をずっと続けている。松浦さんは「パートナー」の重要性を説いた。

社会的マイノリティの中には、人とのつながりが希薄になっている人もいる。そうした人々が、重要な「人」とどのような場面で出会い得るのか。考えていける余地がありそうだ。

最後に「LITALICO研究所 OPEN LAB」ではライブ文字起こしや休憩スペースの確保といった環境の保障、資料の事前配布、オンライン受講制度など、アクセシビリティが整えられている。障害のある方もそうでない方も安心して参加できる環境では、一生懸命スライドの写真を撮ったり、一言一句をメモする必要がないため、より話に集中しやすく、活発な“「知」の共有と深化”を促していたことを付記しておく。

レポート執筆:遠藤光太
フリーライター。興味のある分野は、社会的マイノリティ、福祉、表現、コミュニティ、スポーツなど。
・Twitter: https://twitter.com/kotart90
・過去の執筆記事など:https://note.com/kotart90/n/n3861d3738493

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写真撮影: たかはしじゅんいち
1989年より19年間のNY生活より戻り、現在東京を拠点に活動。ポートレイトを中心に、ファッションから職人まで、雑誌、広告、音楽、Webまで分野を問わない。今までトヨタ、YAMAHA, J&J, NHK, reebok, Sony, NISSAINなどの広告撮影。現在Revalue Nippon中田英寿氏の日本の旅に同行撮影中。著名人 - Robert De Niro, Jennifer Lopez, Baby Face, Maxwell, AI, ワダエミ, Verbal, 中村勘三、中村獅童、東方神起、伊勢谷友介など。2009年 newsweek誌が選ぶ世界で尊敬される日本人100人に選ばれる。
https://junichitakahashi.com/

編集: 鈴木悠平

執筆協力: 雨田泰

同講義のダイジェスト動画はこちら (一般公開)

(昆野祐太さん編)

(福田智史さん編)

(松浦杢太郎さん編)

(パネルトーク編)

配信・録画・動画編集: 有限会社スーパーダイス

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