いつ何を着たらいいのか問題

着物には袷とか単衣とか絽とか紗とかあります。要は裏地のあるなし、さらに薄手か、みたいな話です。

一般には……というか、ガッチガチのルールに従うとするならば、1〜5月、10〜12月は袷、6月9月は単衣、7〜8月はうすもの、ということになっています。
が。
このご時世、そんな悠長なこといってられっかよ、という話ですよ。5月になればもう半袖でもいいくらい暑い、7〜8月なんて天然のサウナですよ。逃げ場がない。しかも11月くらいまで暑かったりするし。

しかもこれ、正絹(シルク)の話で、木綿とかウールは単衣で仕立てて真夏以外はいつでも、とかいうらしいし、めんどくせえなあ、おい、ってなるわけですよ。ええ。めんどくさい。

最近は呉服屋さんでも「気候に合わせて」というところがほとんどになってきた……と思います(少なくとも自分が行くところはそう)。
フォーマルはそういうわけにはいかないだろうけど、普段生活しててフォーマルな場に行くなんてそうそうないわけで、ならば好きにしちゃおう、と思うわけです。

これ書いてる時点で4月も半ばを過ぎていますが、ぶっちゃけ袷はもう暑くて無理です。洋服みたいに脱いで調節とかしづらいしね。正絹を着るなら単衣。
それか、薄手の木綿とか。さすがに4月だと麻は早いだろうかと躊躇してしまうけど、大型連休に入っちゃったら着てもいいんじゃないかなあ。

そんなことを考えると、袷着る機会というか季節のほうが少なくなってきてると思う。いま仕立てるとしたら正絹なら単衣、それか木綿とか麻だろう。
木綿なんかは既製品もあるにはあるけど、好きなのだけほしいってなると、男物は必然的に仕立ててもらうことになるのよね。いちばん手に入れやすいのはデニムだろうけど、そろそろ暑いんじゃないかなーと思ったり。着流しならいけるか。

ちなみにこの前行ってきた東京キモノショーでも、羽織は薄物という方が多かったので、もう絽とかレースとかでもいいような気がする。というか、じぶんも羽織は絽にすればよかった。

襦袢も木綿の半襦袢とか、麻の長襦袢とかがマストアイテムだと思う。
(余談ですが自分は真冬以外はほぼない麻の襦袢です。汗だくになっても洗っちゃえばいいし、さらりと着られるし、まとわりつかないので楽。これだけは仕立てて良かったと思う)

ただですね、真夏。真夏はなに着ても暑い。昼間は浴衣でも暑い。なので、無理はしない。これです。体調崩してまで着るこたあないんですよ。もし着るなら少しでも風通しのいい、体温調節効きそうな接触冷感とかエアリズム的Tシャツと下はステテコで麻や綿麻の浴衣なんじゃないでしょうか。
(書いといてなんだけど、自分は暑すぎるときは無理に着ない派です)

繰り返しますが、体調崩してまでルールに従って着る必要はない。温暖化著しい現代において(大袈裟だなと思うでしょ?でもそうじゃん?)、気候と体調に合わせるのが一番なのですよ。単衣、薄手、薄物なんかと羽織るもので乗り切りましょう。

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