僕は大して熱狂的なSWファンではないです。何年か前に新旧3部作を見てそれなりにハマったので、それから今回の続3部作は、この映像技術の進歩した時代にまだまだSWが見れるのは幸せだなあと思い毎度ウキウキしながら見ていたくらいです。EP9まで見終わると僕の体にこんな欲求が沸き上がってきました。

・ 今作で引っかかったとこツッコミてぇ〜

・ EP7,8のちぐはぐについて語りてぇ〜

普通にSWまぁ好きだよくらいの素人なのでこの記事自体にツッコミどころがあるかもね。続3部作を見終えた方に読んでもらいたいです。またはネタバレ気にしない方、SWの鑑賞予定が今後一切無い方(読んでも楽しくないだろうけど)はこの先に進んでください。

これからボロクソに言うけど、めちゃくちゃ楽しかったし、星4.9くらいの気持ちなんだけど、その0.1に敢えてフォーカスしているっていうことだけ先に言っておきます。

1:パルパティーン

愛する者を救うために心の弱さに付け込まれ暗黒面に導かれてしまったアナキンが最後の最後に息子の強い意志でライトサイドに戻って命を賭してまで葬った黒幕パルパティーン(1〜6の激略あらすじ)。EP9はここが本当にダメで、こいつが生きてるってなるとこのトラウマレベルに刻まれた切ないストーリーがめちゃくちゃ希薄化することになるんよ。反乱軍含めルークが救った銀河は、かりそめだったんだね...アナキン報われないじゃん...となっちゃうんだよ。「実はフォースの力(知らんけど)で全然生きてまーす！続3部作に向けて次の策略を練ってるところでーす！」ってことだろ？

アンパンマン最終回でアンパンマンが自らの命を引き換えに倒したバイキンマン。村の皆は悲しみに暮れたがアンパンマンがもたらした平和を讃えたのだった。。。新シリーズ「それいけてんどんマン！-第1話-バイキンマンをやっつけろ」

こんなセンスの無いこと幼児向け番組でもやらないです。そんで個人的に、「ダースベイダーからの(暗黒面への)勧誘を振り切るルーク」と「パルパティーンからの勧誘を振り切るレイ」を同じ構図に見立ててるように感じたけど、全然違うし、スカイウォーカー家の戦いはアレで終わりにしてやれよ。。。と思った。敵は結局パルパティーンで、血縁の無いレイを無理矢理引きずり込んでスカイウォーカー家の戦いに要らん尻尾付け足すしか方法は無かったのだろうか。EP7の時からこれが決まっていたんだとしたら、呆れるほど浅はかなシナリオだし、辻褄合わせの為にパルパティーンを引きずり出したんなら憤りを隠せない。

2:フィン絡み

これほんとにどうした？ローズとのその後はどうなってんだろとかも少しは思ったけどさ、マジで無かったことにしてる。挙句の果てには、レイに言いかけた言葉も言わず仕舞い。もう何もかもが気になって冷静にフィン見れねえよ。フィンは誰の子なの？フォース使えるの？とか一旦どうでもよくなるくらい気になる。そんで何の説明も無しで終わる。今回フィンは完全に「無」だった。そもそも、「自分が偵察してこいって言わなければチューバッカが捕らわれることも無かった」っていう事実を誰にも打ち明けないし謝罪もしないことと、人殺しが嫌で脱走した筈なのに、いつのまにか何の躊躇もなくトルーパー殺しまくってて、序盤からコイツこんな奴だったっけ？っていう気持ちにさせといてのそれだから、フィンというキャラクターに対して感情移入不能。

3:キスについて

この一連のシーンで泣いた人間は何人いるのだろうか。これほどまでに感情移入のしづらいキスは無い。これがしたいならEP7からこのシーンまでの間に最低ラインとして、誰もが「ベンに正気に戻って欲しい」と望み続けていた必要がある。そうすればキス直後の死に対して、この上ない切なさを感じるはずだ。今作はお客さんをそこまでの感情へ誘導できなかったので「やっぱりみんな人間だし男と女だからキスとかするんすねぇ😄...あっ、死ぬんすねぇ...」くらいになってしまった。今作はむしろ、「ベンの死」を脚色する為のキスに他ならないと感じた。ただ死ぬより、チューしてから死んだほうがまぁ、ほら、、ぽいっしょ？みたいな。(ディズニーが絡んでるとか無いとかの噂もみた)師匠のルークに襲われそうになったことで闇落ちしたのは確かに可哀想だけど、大して恨みのない父さんを殺したベンは悲劇の悪役にはなれないことが確定していたにも関わらず、あのシーンを決行してしまったのは良くないね。幼い頃にベンとレイがくそほど仲良しだったくらいのエピソードがあれば別なんだけどなあ。2人の絆も感じなければ、ベンの死にも感情移入できない、EP9渾身の最悪シーンだったと思います。本当にやめたほうがよかった。

4:ポー、フィン、レイの熱い抱擁

これは引っかかったなー。個人的にめちゃくちゃ引っかかった。もちろん最後の、勝利の宴のシーンのことです。確かに、劇中何度かポーとフィンがいがみ合ってたんだけど、その不仲を乗り越えるシーンが明確にあったっけ？個人的には印象に残ってないんだよね。最後敵艦に取り残されたフィン達をポーが拾いに行くのかと思いきや、「俺はもっと速い」とかなんとか言いながらランドがかっぱらっていったのは笑った。ポーさんよ、ここしか無かっただろ...。レイはレイで、レジスタンスのみんなに相談もせず1人でエクサゴルに向かったんだよなぁ。ちなみに抱擁シーンを見たとき、そういえば3人の絆ってどんな感じだったっけ？と脳みそがフル回転していたので、熱い気持ちが芽生える前に次のシーンになっていた。キスもそうだけどバックグラウンドがチープなのにシメだけは一丁前にしようとするから違和感覚えるんだよなぁ。7とか8とかで起きた出来事を事細かく思い出さないと頭にハテナが浮かびます。EP9においての3人の絆が描かれなさすぎた。

5:C-3POがシス語だけ話せない

しかもメモリーが消えてすぐに戻るという大胆さ「大切な仲間の姿を目に焼き付けているところです」的なセリフで結構泣きそうになった時間返してくれ。まぁR2-D2のメモリが、あなどっていたよりも高性能だったってことかね。ロボット同士の絆と捉えよう。でも流石に無理矢理すぎるくだりだったので割合的にもう少し本筋に比重を置いて欲しかった。

6:チューバッカ殺しちゃったと思ったら生きてたやつ

レイがフォースで船を引き寄せようとしてる時、レイは「中にチューバッカがいる」前提でやってたんだよね？その結果パルパティーンの血筋を制御できずに大破壊。チューバッカが生きてたのも同じ形の別の船っていうめちゃくちゃ雑な理由だったんだけど、これチューバッカを殺してしまったのと同義じゃね？チューバッカが乗ってると思ってたからこそあの後めちゃくちゃ焦って後悔してライトセーバー返却しようとまでしてたんだよね。たまたま生きてたから結果オーライじゃ片付かない話なんじゃないの？なんか有耶無耶になって終わったなー。チューバッカ殺してたらレイがシスになるの確定だから殺せないのは分かる。でも「壊したの別の船だった良かったー！」っていうオチじゃ、「いっつも危ない運転してるけどたまたま人轢いてないだけの運転手」とか「いつもカンニングばっかりしてるけどたまたま先生にバレてない人」と同じじゃない？強力すぎるフォースを制御するに至るまでのエピソードがまるで無かった。「チューバッカが生きてたんだから私のこの力、心配ないわね！」とはならない。暗黒面への揺らぎ、そしてその克服は別の形でもう少し深く掘り下げられなかったものか。

7:ランド率いる大量の義勇団

壮大すぎてめちゃくちゃ笑った。ありがとう。

エピソード8,9のちぐはぐ(全体の総括)

エピソード7については、これからこのキャラクター達がこんな感じでやります。敵はファーストオーダーです。よろしくお願いします。ってな感じで尺が終わるのでストーリー上の良いとか悪いとかは無いです。

さて8です。

まず皆んなが一番気になっていたこと。「レイは誰なのか」7が終わり色んな人が色んな考察をしていた中、遂に衝撃の事実が明らかに。「何者でも無い」と。そしてこの時一旦放心状態になりました。全く予想のできない結末だったからです。しかし観ている内に段々とそのメッセージ性が伝わってくる作品でした。ポーや(フィン)、ローズといった特別な力を持たないレジスタンス達の活躍に焦点を当て、なんとラストシーンでは馬舎にて囚われていた少年がフォースを操りホウキを手繰り寄せて終了。

「血筋や生まれで全ての運命が決まっているわけじゃない。レイはじめ、誰にだってフォースは共にある。」

そんなものを感じた僕は、そうか、これまでスカイウォーカーやジェダイの力を第三者として目撃する映画だったのが、今回は観客すらも巻き込んで、「どんな肌の色だってどんな性別だって誰の元に生まれたって関係ない。誰もが自分の運命は自分で決めることが出来るんだ。」というメッセージ性を含んだ路線で攻めるんだな。分かったぞ。よし、乗った！となった。

江戸時代、徳川家って何代続いたんだろう。確かに、生まれ育ちや性別で人生の全てが決まるのは古い確執だよなって思った。たまに考えるよね。天皇の子に人権無くね？って。僕だけですかね？

だからEP8は時代に合ったテーマだなって、自分の中で落とし込んだのよ。

そうして満を持して迎えたEP9。

.........なんでこうなった。

箒の少年はいずこへ？？？？

せっかくEP8で築いたこの作品のメッセージ性が(だと、個人的に思っている)

一切無くなってしまった...

結局、主人公のレイはゴリゴリのシス家系に生まれていたという始末。しかも無理矢理引きずり出されたパルパティーン。

いや、いいんだよ。楽しいからさ。全然いいの。

「結局血筋かよ！チェッ！」とか思いながらスターウォーズ見てるやつなんて居ないから。

でもさ、エピソード9がこれだと

エピソード8ってなんだったの？

ってならざるを得ないよね。それが一番EP9を見てツラかったことです。

あのスターウォーズが、雑に盛り上げるほうを優先しちゃったんだな、って思っちゃった。

思っちゃうよ！

(物語上の)個性が何も無い、本当の意味で番外編みたいなEP7,8,9になってしまったな、と。

7,8,9だけ抜き取って別物として鑑賞したところで、8から9への違和感だけは取り除けないよねー。

そんでもって、フィンが最後まで何も言わなかったこととか、元カノっぽい新キャラ出してポーのバックグラウンドの片鱗だけ見せてくるとか、黄色いライトセーバーとか、「雑に伏線投げたから新シリーズお待ちください」みたいな風に見えてしまって、ゼニの匂いがして若干の憤りを隠せなかった。

そんな感じです。

カイロレンがベン・ソロに戻り、レイからライトセーバーを超能力で輸送してもらって共闘したシーンはめちゃくちゃカッコよかったな、普通に胸熱だった。

歴代ジェダイの声が後押しして、「私がジェダイの全てだ！」ってライトセーバークロスして跳ね返すのも厨二病で嫌いじゃないし。

「レイ・スカイウォーカー 」のラストシーンも結局鳥肌立った。

私の長い大学生活は、フォースと共にありました。

以上です。