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今日は私の「撒き雲母(まききら)」記念日(青貝粉も初めて使いました。)

ずっとしたかったことをしました。

本物の雲母を使うことです。

私は普段、天然石粉末を糊の上に振りかけて乾燥後付着しなかった分を払うという方法をとっているのですが、ある時、江戸時代の方々もしていたということを知りました。

浮世絵の「雲母摺(きらずり)」という技法です。これにはいくつかあり、そのうちのひとつが「撒き雲母(まききら)」です。キラキラは雲母だけです(雲母摺のうち「摺り雲母(すりきら)」は他の粉と混ぜるらしいので、他のキラキラも入る可能性がありそうですが、もし雲母にキラキラの役割が期待されているのであれば、キラキラは雲母だけなのかもしれません)し、糊は膠ですし、版画ですが、おおまかな過程は同じです。糊と混ぜないで、振りかけて定着後払うところがミソです。(日本画では色々な粉を膠と混ぜて岩絵具をつくりますが、私は混ぜないのです。それに、私は自分がつくっているのはミクストメディアだと思っていて、日本画だとは思っていません。)

ということは、私がしているのは、浮世絵の「撒き雲母」の応用なのかも?

と最近は思っていました。私はキラキラたちが画面に落ちていくのを見るのが好きですし、キラキラたちに触れるのが好きです。これは糊と混ぜてしまうとできないことです。
しかし、肝心の雲母をキラキラ素材として使ったことがありませんでした。なぜか惹かれるパールホワイトのアクリル絵具には、マイカも使われているので、ちょっぴり雲母を使った気分になれるのですが、これは本物の雲母を使ったことにはならないのではと思っていました。

今日、ついに本物の雲母を使いました。「荒」を使いました。触れた瞬間、ふわっとして、なんて優しいんだろうと思いました。ビックリ。アキーラを塗布した画面にパラパラと落としたら、ふわふわと舞ってやがてアキーラの中に消えて行きました。それは、金箔の砂子の振る舞いを想い出させました。なんて可愛いんだろう。私は「荒」の雲母のことが大好きになりました。この素材は今後折に触れ使いたいです。なかなか一歩を踏み出せませんでしたが、ついに使うことが出来良かったです。

アキーラの海に消えてしまうので、加減がわかりませんでしたが、乾燥後どんな感じになるか楽しみです。そのうち他の番手も使ってみたいです。

青貝粉も使いました。こちらもかねてから気になっていた素材です。撒き雲母記念日のドサクサに紛れて、えいっと使ってみました。使用前、あらためてじっくり見てとても綺麗だと思いました(購入時もじっくり見ましたが、その時のことを忘れていました)。それぞれ個性的な形と色でどれひとつとして同じのはありません。ひとつひとつ選んで、画面にそっと落としていきました。

青貝粉は、写真でうまく写せない色んな色のキラキラです。かろうじて、しましまを写すことに成功しました(記事見出し画像にしました)。この素材も、これからも使いたいと思いました。

今までなかなか使いたい絵を思いつかなかったのですが、今回、ふと、クジラにと思いました。どことなく海っぽい感じにできるのでは、と。実際は海ではないので「どことなく」なのがミソです。それに、クジラも、実はクジラの形をしているだけかもしれません。


それから、天然岩黒も使いました。天然岩黒は、昨年の館山の個展をきっかけに使い始めました。館山の個展は会場が黒い壁だったので、黒い背景の作品をつくり壁と一体化させて巨大な流星群にしたら楽しいだろうと思いました。そして、その背景にキラキラを仕込む時、白系の石だとどうしても白くなってしまうので元々黒いのをと思い選びました。

今回のクジラの絵には、少し前に背景を暗くした時も使ったのですが

本日も使いました。乾燥後どんな感じになるか楽しみです。

今回、個展をきっかけにいろんな素材たちにはじめましてを言い、旅の仲間になってもらえそうでとても嬉しいです。まだまだ使いたい素材がたくさんあります。

日付が変わってしまいましたが、眠るまでは今日!お昼寝もしたしギリギリセーフ!というわけで“今日”の感動を投稿してから眠ります。

ありがとうございます。それでは、また。


その後です。


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