見出し画像

ノルウェーの田舎へ

翌日に登りたい山があったので、そこに行ける最寄りの村みたいなところへ向かう。早朝からバスに乗って4時間くらい。
ベルゲンのバスターミナルが広すぎて、どこに目的のバスが来るのか分からず、すれ違った人に聞いてはみたものの教えられた場所は正解ではなかった。
右往左往してバスの出発時間の1分前、諦めて予定変更しようかなーと考えていた。朝と夕方の2本しかないバスなのだ。
でもその時、目的地に向かうバスが停まっているのを発見!!
ダッシュで駆けつける。
運転手さんはそんな私に気づいて、出発時間が過ぎても待っていてくれた。ノルウェーは日本と同じくらい、バスや電車の時間がきっちり守られている国なのに。

どの国でも、田舎では気持ちに余裕があって優しい人が多い…
都会生活で疲れているときには、こういう場所での時間の流れや気持ちの柔らかさを思い出すと、ちょっと落ち着いて自分の呼吸を取り戻せる。

ノルウェーでバスに乗ると、フェリーにバスごと乗り込む、ことが結構よくあるらしい。別料金で乗るとかではなくて、通常のバスルートにフェリーが普通に組み込まれている。
フィヨルドや湾でぐねぐねした地形なのでそうなるみたい。

こんなふうに道路の延長のように乗り込んで、

外(フェリー上)に出るのも自由。

着いたのは、オッダというところ。
ホテルの部屋の大きな窓から見える景色はフィヨルド。

フィヨルドもエリアによって違う名前がついていて、私が来たのはハダンゲルフィヨルド。

まだお昼頃なので翌日の登山に向けて、軽く足ならしのハイキングでもできないかな?と、インフォメーションセンターに行ってみる。

「この山なら軽いハイキングよ!ここから、そのふもとまでバスが出てるけど、次に来るのは2時間後くらい。でもここから徒歩でも行けますよ、一本道だから簡単😊」
と言われて、「それ最高じゃん、今から行ってきまーす!」とわくわくして歩き始める。

し、しかし、全然一本道じゃないし!
Googleマップを開いても、オフラインだからか元々そうなのかは分からないけれど、平野が広がっているだけでどこに進んでいるのか全然分からない。

いやー困ったなぁ、と思って道行く人に聞いてまわったけれど、そんな山は知らないという人ばかり😱
で、キャンプ場にたどり着いたのでそこでまた道を聞く。その山のこと、知ってる人がいただけでありがたくてハッピー。
超ざっくり!な道順を得て、また歩き始めるも、なんか方向が違う気がする…

そこでお散歩中のおばあちゃんに聞いてみると、「ごめんね、英語があんまり得意じゃないんだけれど…」と言いながら、すごく丁寧に教えてくれた。「あそこに赤い屋根の家が見えるでしょ?その横の道をまーっすぐ左の方へ行くのよ」と。何度も何度も私がちゃんと分かっているか確認しながら教えてくれた。

北欧人はほとんどの人が英語が得意で、苦手といっても日本人からしたらかなりペラペラ。でもネイティブではないからちゃんと伝えようとしてくれる、ちゃんと伝わっているか考えながら話してくれる。私も、ちゃんと伝わるように、ゆっくり確実に伝えようとする話し方になる。

言語って、単語の記憶や文法が全てではないことを、こういうときにいつも実感する。英語は受験のためにあるのではなくて、人と話をするためにあるんだもんね。相手は成績ではなくて、人だ。

そのおばあちゃんは私の背中にそっと手を置いて、本当に孫にでも話すかのように親しみのこもった接し方をしてくれた。
あかん、泣いてまうやろ〜…だった。

その付近にあった岩。
この国で巨人トロールの伝説が生まれたことがすごく自然に思える巨大さ。
右下に車と人が写っているの、見えるかな。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?