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【カラダ】体幹を強くする - ③ 股関節について(削除からの復活!再掲)

速攻再掲!


股関節はどこでしょう?と聞かれて、さすがに「知らない」という人はほとんどいなくなりました。10年くらい前には、スポーツクラブの従業員でさえ「股」の部分を指して「ここが股関節です」と当たり前のような顔で言っていました。日本語が「股・関節」と書くため誤解している人が多くいましたが、股関節はお尻にあります。英語では「Hip Joint」です。

そして、股関節を動かす、という言葉は実はとても曖昧です。だから間違った動かし方をする人がたくさんいます。股関節の認識を一新してください。


体幹を強くする
 ① 体幹とは何か?
 ② 骨盤について
→③ 股関節について
 ④ 腹筋について
 ⑤ 背筋について


ざっくりとした股関節の動き

股関節は大腿骨(だいたいこつ)と骨盤の一部(寛骨)から成り立っています。ですから、大腿骨が動いても、骨盤が動いても、表現としては「股関節が動いている」になります。

ですが、どっちがどっちに対して動いているのかは、非常に重要です。これは前回の「②骨盤について」でも記しました。

股関節を作っている大腿骨の先端部分を大腿骨骨頭(だいたいこつこっとう)と呼びます。股関節の動きを脚の動く方向で決まると思っている人がいますが、実際は、大腿骨骨頭の動きによって決まります。

伸展 : 大腿骨骨頭が「」へ移動すること = 脚は後方へ動く
屈曲 : 大腿骨骨頭が「後ろ」へ移動すること = 脚は前方へ動く
外転 : 大腿骨骨頭が「内側」へ移動すること = 脚は外側へ動く
内転 : 大腿骨骨頭が「外側」へ移動すること = 脚は内側へ動く
外旋 : 大腿骨骨頭が「外回し」に移動すること = 脚は外回しする
内旋 : 大腿骨骨頭が「内回し」に移動すること = 脚は内回しする

大腿骨骨頭の外旋が大事

大腿骨骨頭が外回し(外旋)すると骨盤は起き上がります。
大腿骨骨頭が内回し(内旋)すると骨盤は前側に倒れます。

立位姿勢で大腿骨が内旋していると、
・腰に負担がかかる。腰痛の要因となる
・膝に負担がかかる。膝の痛みの要因となる。

これは、知識として知っておいてください。

内転筋の働き

内ももの筋肉を内転筋(ないてんきん)と呼びます。ところでこの内転筋(群)はどこにどのように生えているかご存知ですか?

左右の膝や太ももを近づけることが内転筋(群)だと思っていたら、それは間違いです。(A)
また、内転筋(群)が大腿骨骨頭から生えていると思っていても、それは間違いです。

オレンジ=筋肉 黒矢印=骨の移動方向
どちらも間違い

内転筋(群)は大腿骨の内側のへりから骨盤方向に向かって生えています。この筋肉が収縮すると、大腿骨のへりの部分が引っ張りあげられるため、骨頭は外側へ移動します。
内転筋(群)が収縮すると、その力は、内もも→腹筋へ伝わっていきます。

オレンジ=内転筋 黒矢印=骨の移動方向 赤=大腿骨の内転

内転筋(群)の役割は、左右の脚を近づけることではありません。地面から伝わってきた力のエネルギーをさらに腹部へ伝えていきます。これが最大の役割(だと私は思っている)なので、内転筋(群)の構造をしっかりと知っておきましょう。


横への重心移動と内転筋群

片足立ちをするときに使われているのが内転筋(群)です。片足立ちは体の中心にある重心を横へ移動させる動きです。

・「足の親指 ー へそ ー鼻」を結ぶラインが一直線になる
・左右の腰の高さは床と平行
・背骨はまっすぐ。曲がらない。


大腿骨と骨盤はバラバラに動かす

大腿骨と骨盤は共同作業しますが、バラバラに動くものです。

大腿骨をの外旋をキープしたまま骨盤を前傾、後傾、側方挙上しましょう。


回す - 大腿骨骨頭を動かす

とても基本的な動きです。最初に行い、大腿骨をしっかりコントロールできているか確認しましょう。

【両脚】
・膝とへそは、常に正面を向く
・腰(腰椎)は動かない

【片脚】
軸脚の大腿骨骨頭を動かす。浮いている脚を動かすのではない!

・膝は常に正面を向く。
・腰(腰椎)や浮遊脚に主導権を握らせない


スクワット

スクワットは大腿骨骨頭の上下移動のことです。
・常に外旋位をキープする(つま先はどこを向いていても良い)
・下がる時に屈曲の力が入る
・上がる時に伸展の力が入る
体の中心方向に力のエネルギーが入っていく。


ヒップヒンジ

これは、大腿骨骨頭の前後移動です。
・常に外旋をキープする
・前に移動させるときは、お尻をプッシュする(伸展筋群)
・後ろに移動させるときは、付け根をプッシュする(屈曲筋群)
力のエネルギーを体の中心に集める。


ヒールレイズからジャンプ動作について

ヒールレイズは直接ジャンプ動作につながります。

スクワットやヒップヒンジの動作を早く行うとジャンプになりますので、大事なのは、やはり股関節の動きになります。
・常に外旋をキープ
・準備と着地では、付け根をプッシュ(屈曲動作)
・飛ぶ時は、お尻をプッシュ(伸展動作)

ここでは紹介しませんが、踏み台昇降や片足ジャンプも同じです。片足ヒールレイズがジャンプ動作につながります。そして片足立ちでも、
・外旋をキープ
・準備と着地では、付け根をプッシュ(屈曲動作)
・飛ぶ時は、お尻をプッシュ(伸展動作)


足から大腿骨へ - 力のエネルギーの伝達

大腿骨から骨盤、そして背骨に力を伝導させていく話を「②骨盤について」の中で触れました。では、大腿骨にある力はどこから伝わってきたのかと言うと、それは足です。

足の裏で地面を踏む → その反作用で地面から力が跳ね返る → その力を足の裏でキャッチする → 大腿骨へ伝える →  骨盤へ伝える → 背骨に伝える…

といった順序で力は伝導されていきます。
ということは、足がしっかり機能していないと、どんなに股関節を鍛えてもあまり意味はありません。もちろん腹筋を鍛えたところで、足がダメならその腹筋が発揮されることはほとんどありません。

足については、過去3回書いていますので、そちらを参考にしてください。

ふくらはぎの肉離れが完治したので紹介
正しいヒールレイズ
足の指 - MP関節について(おさらい)


まとめ

「こんな細かい動きを知らなくてもできるよ!面倒くさい!」
という方は、アスリートタイプ。体本来の機能がしっかり備わっているので心配入りません。この内容は知らないままで大丈夫です。
本来私たちの体にある機能なので、考えずに行えることが理想です。

こういった知識は以下のような人たちが知っておくと良いと思います。
・トレーニング指導者
・自分ができているのに、他の人はどうしてできないのかと不思議に思う人
・自分はできないのに、他の人がどうしてできるのが不思議に思う人
・トレーニングをすることで痛みが出る人

脚力を鍛えるトレーニングはたくさん、たくさんあります。強度レベルも様々です。
ですが、どのトレーニングでも、股関節は今回記したように必ず動いています。ハイレベルな人たちのトレーニング動画などを見るとき、股関節に注目してみてください。なかなか面白い発見があると思います。

次回は、腹筋についてです。「腹筋は伸ばしてなんぼ!縮めない!」


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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp


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