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SBI会長、口座数「1強」へ

SBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝(73)は「ネットの世界は勝者総取り」の論理を大前提に持っている。

「(ネット証券2番手の)楽天(証券)にとどめの一撃や」「他社は進むも地獄、退くも地獄」といった思想のもと手数料ゼロを実現したとのことでどんな人物か興味が湧いた。

要約文

SBIグループは、ネット証券の分野で競合他社を大きく引き離し、「1強」の地位を確立しつつあります。特に、2023年9月には日本株の売買手数料を撤廃し、新しい少額投資非課税制度(NISA)の追い風も受けて、口座数で他社との差を広げています。SBIホールディングスの会長兼社長である北尾吉孝は、将来的に証券分野での手数料を完全無料化する計画を持っており、これはインターネットを活用したビジネスモデルの一環です。北尾は、ネットの世界では「勝者総取り」の論理を重視しており、顧客獲得によって顧客あたりのコストを下げる戦略を取っています。

SBI証券は、無料化によって新規顧客の獲得が増え、信用取引関連の収益が増加しました。この戦略により、証券総合口座数は国内で初めて1200万を超えるなど、業界内での圧倒的な地位を確立しています。

一方で、SBIグループは通常の金融コングロマリットにとどまらず、事業範囲は医薬品や不動産、半導体にも及びます。しかし、急速な事業拡大の裏で、株式の公開価格操作に関連する不祥事も発生しており、金融庁から行政処分を受けるなど、一部で問題も生じています。

政府は資産運用立国構想を掲げており、直接金融の役割の拡大が見込まれる中、SBIが担う社会インフラとしての存在感はさらに高まると予想されます。これに伴い、事業運営の責任もより重大になってきています。

北尾吉孝会長について

北尾吉孝は兵庫県出身で、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券に入社しました。その後、ケンブリッジ大学で学び、再び野村證券でキャリアを重ねました。1995年には孫正義にスカウトされ、ソフトバンクのCFOとして活躍。1999年にはソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)の設立に関わり、代表取締役社長CEOとなりました。北尾は、金融とインターネットの融合を推進し、SBIグループを日本の金融業界における重要なプレイヤーに育て上げました。

SBI証券と楽天証券の違い

SBI証券と楽天証券は、日本の主要なオンライン証券会社であり、それぞれ独自の戦略を持っています。以下は、それぞれの戦略の特徴と違いの概要です。

### SBI証券の戦略

- **金融商品の幅広いラインナップ**: SBI証券は、株式、債券、投資信託、外国為替(FX)、不動産投資信託(REIT)など、多岐にわたる金融商品を提供しています。

- **自社サービスの強化**: SBI証券は、独自の研究レポートや分析ツールを提供することで、顧客に価値を提供しています。また、SBIグループ内の他の金融サービスとの連携により、顧客に一貫した投資経験を提供しています。

- **低コストの取引**: 手数料の低さを売りにしており、コスト意識の高い投資家にアピールしています。

### 楽天証券の戦略

- **楽天グループとの連携**: 楽天証券は、楽天グループの一員として、楽天ポイントを使った投資や、ポイント還元のキャンペーンなど、楽天グループのサービスとの連携を強みとしています。

- **初心者へのアプローチ**: 投資初心者向けの教育コンテンツやシンプルな取引ツールを提供することで、初心者でも安心して投資を始められる環境を整えています。

- **多様な投資情報の提供**: 楽天証券は、市場ニュースやレポート、ウェビナーなど、投資に関する情報を豊富に提供しており、顧客が自己の判断で投資できるようにサポートしています。

### SBI証券と楽天証券の違い

- **グループ企業との連携**:
SBI証券は金融サービスの提供に重点を置き、SBIグループ内の金融商品やサービスとの連携を図っています。
一方、楽天証券は楽天グループの電子商取引やポイントシステムとの連携を特徴としています。

- **顧客ターゲットとサービス提供**:
SBI証券は、低コストの取引を強調し、幅広い金融商品の提供により、中級者から上級者の投資家をターゲットにしています。

楽天証券は、初心者向けの教育コンテンツや楽天ポイントを利用した投資の機会を通じて、幅広い顧客層にアプローチしています。

それぞれの戦略は、会社の強みと顧客基盤に合わせて設計されており、多様な投資家のニーズに応える形で競合しています。

感想

日本株の売買手数料をなくす戦略は興味深いものだと思います。業界で圧倒的な第一位を目指し、そのために独創的な手を打っている様子が印象的です。日本の経営者の中で、勝ち負けにこだわる姿勢が少ない中、このような動きは非常に新鮮です。また、北尾吉孝氏が73歳であることにも驚かされます。年齢を重ねても大きな野望を持ち、活動的に働く人生は素晴らしいと感じます。これからの展開にも目が離せません。

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