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早期退職 第6話 退職後の生活-① (公園、図書館)

 退職後、皆何をして過ごしているのだろうか?時間は充分あるので観察してみることにした。 
公園に行ってみた。平日の公園は、老人ばかりだ。しかも、一人で歩いている人が多い。観察しているといろんな人がいることに気づいた。書類を読みながら、公園内をぐるぐる周っている人がいた。その方が頭に入るのだろうか?その人は、雨の日もやはり歩いていた。ただ、暫くすると、その人を見かけることはなくなった。
あと、髪の毛をカラフルに染めたおばあちゃんもいた。その人は、いつもラジオを聴きながら道をジグザグに歩いている。なぜ、そうしているのかは、分からない。だけど、いつ見ても同じだった。
観察していて老人に多いと思ったのは、靴が大き目の人が多いことだ。大は小を兼ねるというが、歩き辛いのではないかと思った。その時、子供の頃親からすぐ足は大きくなるから、靴は大き目を買いなさいと言われたことを思い出した。昔の人は、まだその頃の記憶でそうしているのだろうか?
それから、毎日、ゴミ拾いをしている人がいる。ボランティアだろうか?
ただ、いつも不機嫌そうな顔をしながらやっている。そして、よくこちらを睨んでくる。別にゴミを散らかしているわけでもない。何故睨まれるのか理由が分からなかった。
 図書館にも行ってみた。休日は、学生さん達が多いので邪魔にならぬように平日のみ行った。読書する人、パソコンで作業をする人、自習する人、皆それぞれだ。
午後から行ってみたが、学生風の人が多い。浪人生だろうか?あと、老人も多い。
この図書館は、パソコンを使用できるスペースとそれ以外に分かれている。自分は、パソコンを使わないところを利用していた。パソコンコーナーには、常連さんがいた。仕事をしているようだ。
或る日、もめ事があった。パソコンが使用できるコーナーを目当てに遠方から来た人のようだ。しかし、パソコンを使用できる席が満席であるのを見て怒りだした。
時はコロナ禍、通常は2人掛けの席を1人で座るようにしていた。どうもそれが気に食わないようだ。席の使用を時間制にするとかして使わせろと騒いでいる。
図書館の人はその対応に四苦八苦していた。大変な仕事だなぁと思った。
また、新聞をパラパラめくる人がいて音が気になった。試験勉強している人にとっては迷惑ではないか?それでも当人は、気にせずパラパラめくっている。
サボリーマンもいた。午後1時過ぎに彼はやってくる。そしてスーツ姿で席に座ると何やら本を取り出して読んでいる。どうだろう、小一時間程時間をつぶした後、去っていった。
サボリーマンは1人だけではない、複数いる。彼らにとって、ここは無料で時間を過ごせる居心地の良い場所なのだろう。
この図書館は、学生さん達の受験期と試験前は、かなり混んでいる。特に受験シーズンは殺気だっている。そんな中、新聞パラパラじいさんは、相変わらずパラパラやって睨まれている。 それでも平気でパラパラやっている。大したものだ。
この図書館は、普段はガラガラで居心地が良い。そんな時に隅っこの席でのんびり過ごしている時、幸せを感じる。


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