詩 「記帳」

三瀬への憧れは まだ
刻む 自我への跳ね返り
冬と 浅い春の硝子に
始まりの嘆きは 滴り落ちる
黒の小鳥は 小さな自惚れを砕き
風は夜の途中から いま
朝焼に感化されようとして永い
私は 哀の響きに身を投じて
この速い朝を 逆説的に時雨めいた
沈みの中に置こうと嘆く
疲弊の犬
消耗の籠
地獄の主は きっと美しい瞳で
今でも 私を阻むのだろうか
兆しのオルフェウスよ
音楽を 記してくれ


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