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転職を繰り返しタイに飛び立ってしまった女の末路

いつから道を逸れたのだろう。

昔から、自分で言うのもなんだが「いい子」だった。
反抗期も来ることなく、親の言うことに従い、中高・大学・就職と誇りに思ってもらえる道を選んできた。ありがたいことに高校と大学でカナダやアメリカに留学し、将来は英語を生かしながら活躍するのが夢だった。

しかし壊れたのは、就職してすぐ。
一回壊れた心は脆く、儚くなってしまうと誰かが言っていたが、本当にそうだ。

新卒で入った大手外資IT会社は、年寄りのおじさんに囲まれてつまらないという理由で研修が終わった1年後に辞めた
その後入った化粧品系の会社で晴れて表参道勤務のおしゃれOLになるも、上司の社長に怒られすぎて精神を病み、心療内科に通い出す。1年数ヶ月で辞めた。
その後も身体症状や精神の落ち込みのせいで転職を繰り返し、
5年間・4社の会社員人生に休止符を打った。
安定的な幸せや世間からの信頼と引き換えに、自由と孤独を謳歌することを決めた。
親には一切反抗しなかったが、人生に敷かれていたレールは滅茶苦茶に取り壊したのは自分でも面白い。

その後フリーランスなのかフリーターなのかわからんが、名乗ったもん勝ちという気持ち悪さが嫌で最初は頭文字だけ取って「フリーです」と名乗っていたが、それでも副業から始めていたWEBデザインで、一人暮らしを続けていけるくらいはお金がいただけるようになった。

2023年1月。首都圏で珍しく大雪が降る。会社を辞めて約半年。
常夏の国・タイのバンコクへ飛んだ
俗に言う「海外ノマドワーカー」となった。29歳。
長年の夢が叶った瞬間。清々しかった。就職してから、ぎゅっと凝縮して襲いかかってきた精神的・身体的苦痛はこの瞬間のためだったのだと思った。
大雪を心配するメッセージやSNSの通知が止まらない中、私のほてった体をタイの熱い太陽がさらにジリジリと焼き上げた。日本で耳に入ってくるアラサー女性へのプレッシャーも全て蒸発していくかのように太陽は眩しかった。
魂が震え上がるほどの解放感と感謝、未知の地での刺激で心と脳がいっぱいになった。

バンコクやノマドの聖地チェンマイ、マレーシアのクアラルンプールやペナン島などアジアから、イギリスなどヨーロッパまでMacひとつで駆け巡った。

しかし一年後、事態は一変する。


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