ラグビーワールドカップ2023予想⑥

ラグビーワールドカップ2023優勝予想の続きになります。ニュージーランドの優勝と予想したその理由・背景の2つめ。

2.ニュージーランドの低評価

直近のウイリアムヒルのオッズではニュージーランドがトップなので、この書き方は一見おかしい。しかし、これまでは憧れの水準であったニュージーランドの強さが、これまでよりも多くの国に勝利の可能性を感じさせる程度の強さになったと考えます。実際、現在の世界ランキングトップはアイルランド、ニュージーランドは4位。

アイルランドとアルゼンチンとの対戦が顕著なので少し整理してみた。

アイルランドは2016年11月に対ニュージーランドで初勝利を挙げるまで、初テストマッチから100年以上勝てませんでした(初勝利はニュージーランドとの29試合目のテストマッチ)。しかしこの初勝利以降の8試合での対戦成績はアイルランドの5勝3敗となっている(アイルランド初勝利の試合を含む)。近年の力関係はむしろアイルランドの方が上回っている。

そしてアルゼンチン。2020年11月のテストマッチで初勝利。1985年に初めて対戦してから30試合目での出来事。以降、7試合でアルゼンチンの2勝5敗とニュージーランド優勢は変わらないが、ニュージーランドが圧倒している状況ではない(ニュージーランドが圧倒した試合が多いですが)。

このようにニュージーランドの強さが絶対的なものではなくなっている。しかし、これが逆にニュージーランドにとってプラスに働くと考える。

これまでのワールドカップでのニュージーランドの敗戦を振り返ると、いずれの試合も主に二つの敗因が浮かび上がる。1つは、相手の国が長い期間をかけて徹底的にニュージーランドを分析し、戦前に建てた戦術をやり切った試合。そしてもう一つが、余裕をもって試合に臨んだものの、相手の戦術をまともに受けて劣勢となってしまい、そのまま立て直せず敗戦してしまうケース。

常に最強であるにもかかわらず、いや最強と言われるプレッシャーからか、劣勢に立たされると冷静に試合を進められない、パニックに陥るメンタルの弱さがこれまでのニュージーランドにはあったのではないか。逆に言えばメンタルの強いときに優勝しているとも言える。

しかし今大会、常にさらされてきた「最強」ではなくなり、各国のマークも自分たちが感じるプレッシャーも減るのではないか。プレッシャーから解放されたニュージーランドが自分たちの実力を十二分に発揮し頂点まで駆け抜ける、そう予想しております。


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