郵便屋さんとスーパーカブとその日常。

梅雨時の郵便屋さん。


郵便配達もいつも晴れだと良いのですが、そういう訳にもいきません。晴れの日もあれば雨の日も。

私が郵便屋さんバイトを始めて初めての梅雨がやってきました。

雨の日は支給されたバイト用の青いビニール製のカッパと長靴を履いて配達へGOです。

集配自転車はサイドスタンドが着いており、変速ギアは着いてませんが、ペダルのギア比もママチャリの様にある程度漕いだら空転して前に進まない事もなく、漕げば漕ぐほどスピードも乗ります。

雨が降った場合はボール紙の底板が貼ってあるビニール製の立方体のメールカバーに郵便を入れて濡れない様に配達します。

雨の日に郵便受け箱へ配達するのにもコツがあります。
そのまま受け箱の切り口に入れると雨粒が着いてしまい郵便物が濡れてしまうので切り口に入れる時に人差し指で切り口を押し上げ、空いた隙間に郵便物を入れるのです。

バブル時代、郵便物は個人の手紙から企業やスーパーの売り出し等のDMが中心になっていきます。しかしまだメールどころか携帯電話もインターネットも普及してない頃なのでまだ個人から個人宛ての手紙とかもそれなりにあったのです。が、その手紙を雨の日に配達するのは少し骨が折れました。一番厄介なのは水性ペンで宛名等記名してある場合、雨で濡れると滲むんですね。それはもう見事に。
まだ封筒なら良いのですがハガキで送られる場合、雨が一滴落ちただけでその水滴が紙面を流れ落ち、もう何が書かれてるかわからない事もあるんです。
もう、ほとんど読めない程雨で滲んでしまうと流石にお客さんに謝ります。

これは私個人の見解なのですが、バブル期のお客さんと現在のお客さんと比べるとバブル期のお客さんはおおらかな方が多かった印象があります。
バブルが弾けて景気が悪くなり始めると経済的な余裕や心のゆとりが無くなってくるのでしょうか、何かにつけて怒る方やクレーマーが増えた様に思えます。

私の印象に残ってるお客さんでこういう方がいました。水滴が付いて字が読めなくなったハガキを持って謝りに行くと、

「あ〜読めないね。大丈夫大丈夫。ハガキを送ってくれた人に何て書いてくれたか電話で聞くわ。どっちみちハガキの返事を電話でするから。気にせんで良いよ。」
と笑って答えてくれたのです。

こういうお客さんばかりでは無いのですが、このお客さんの対応にバイトを始めたばかりの青年は助けられました。
もし、ここで物凄く怒られていたら、もともとやる気の無かった私は郵便屋さんを辞めていたかもしれません。
本当にそのお客さんには感謝です。

梅雨は毎日の様に雨を降らせ、毎日の様にカッパを着るので乾燥室にカッパを掛けていても湿ったままの事もよくあります。首元にタオルを巻くと雨が染み込まずに良いと教えてもらったのもこの頃です。これは雨の日のツーリングにも使えました。


そして梅雨が明けて真夏の季節に向かいます。


今回もご愛読ありがとうございました。

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