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底引き網漁船「ごしょ丸」無意識海沿岸を連日操業なり

私は、無意識のメカニズムを自身の体験に基づいて解明したいと思っています。メカニズムといっても全く科学的なものではありません。「○○だから✕✕なのかも…」程度のゆるいメカニズムです。こんないい加減さをもってしても自分にとっては真理を突いた気持ちになれるのでホントに良い御身分です。ですので、これから私が書く内容は「個人の感想」いえ、ほぼ「個人の妄想」です。                                

さて、私は毎日、朝の5時に目が醒めます。どんな感じで目が醒めるかというと、起きがけの夢の世界、そう意識の深海から海面に浮上し、ぷっかり頭を出すような感じで目が醒めます。

たいてい寝覚めの夢を見ているので、私は忘れないよう懸命に追想しますが、それを差し置いて「今日、〇〇しなくちゃ」とか「このまえの✕✕はこうゆうことだったのだろうか」と「to do list」や推察が頭のなかにじわじわと浮かんできます。そこから反芻思考や脳内シュミレーションが始まり、ゆうに1時間は目が冴えて二度寝もままなりません。                                                                  

海面の波間をたゆたう「私」という漁船(船名ごしょ丸)は、寝ると同時に底引き網を海底に向け下ろします。睡眠中の無意識領域をごしょ丸の底引き網は右へ左へと海底をさらいます。その網には次のようなものがかかります。例えば、日中の覚醒意識が優勢なときには、スルーしたり、忘れているような「気がかり」や「引っ掛かり」「やらなくてはならないこと」といったものたちです。                                   

無意識海に下ろした網は、夢の寝覚めと共にぐるぐる巻き上げられてゆきます。網に複数の「気がかり」「引っ掛かり」「やらなくてはならないこと」がかかっています。船内にあまり引き上げたいものではないけれど仕方なく引き上げます。                         

このように、睡眠中、人は無意識の海底で底引き網漁を日夜行い、そして網を巻き上げる作業が「ひらめき」だったり「直観」とかであったりするのかなと思っています。                       

そんな「心の底引き網漁」を私はどうしてするのでしょう。                  

底引き網漁とは、別名トロール漁ともいいます。ネット検索ですが、広島県漁業協同組合連合会の「漁師になるには」の説明によると、小型底引き網とは、二本の引き網がついた大きな網を水深数十メートルまでの海底まで沈め、船を移動させながらひきまわす。袋状の網を海に入れ、船で引っ張るためバラエティ豊かな魚がとれる。とあります。底引き網で獲れる魚は、ズワイガニ、マダラ、あんこう、カレイなど比較的単価の高い魚だそうです。    

夢から醒めるときの様子や起きがけの意識状態をまるで「底引き網漁」のようだと私が連想、イメージしたからには、心の働きがこの漁法と近しいものと感じ取ったからそのように連想したに違いないわけで、それでは私は、心の底、つまり無意識に網を下ろして一体なにが獲れると考えているのでしょうか。スワイガニのような高価なお宝が無意識に眠っているとでも思っているのでしょうか。          

また、底引き網漁には高価なお魚が獲れ、とても効率的な漁法ではありますが、同時にデメリット、非常に由々しき事態もあるようです。具体的には、海底の土を舞い上げるため生態系を壊し、海中の生物を死滅させてしまうそうです。また、本来獲ろうとしていた魚以外もとってしまうことがあり、現在、国際的な環境問題にもなっているということです。                                    

漁法に関する説明を読み進めると、まさに「ごしょ丸」が毎夜やっていることも何だか同じような気がしてきました。無意識海は網でさらわれ、引っ掻き回され、挙句に思い出したくないことも思い出させられ、睡眠不足に陥し入れられ、私にとっては全くもってデメリットだらけです。ああ、もっと清々しい朝を迎えたい。それなのに底引き網漁は懲りずに毎晩、操業してしまいます。                

無意識の海底の土を舞い上げてでも獲りたい魚が果たして何なのか、自分でもさっぱりわかりません。でも、今日もこうしてパチパチ駄文を打ちながら船を出す準備をしています。それが何か、いつかわかる日がやってくるかも…と思いながら今日も網を海底に下ろします。                          

他愛の無い妄想にお付き合いをいただき有難うございました。


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