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小説 フリーライフ

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副業での稼ぎが本業より多くなったので、FIRE生活を楽しんで、自由な生活を送っていたオレ。空いている時間にサックス練習することにしたが、そこで知り合った人から新たな人生を歩んでい… もっと読む
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フリーライフ 第1話

 私は、もともと会社勤めをしていたけれど、会社に黙って、ネットショップを副業としてはじめたことから、生き方が大きく変わってしまった。  初めは、本当にお小遣い程度の売上だったけれど、やりはじめて2年を過ぎた頃から、会社員としての給料より多く稼げるようになったので、一大決心で会社を辞めた。もう完全に、収入源はネットショップ一本にすることにしたのだ。  確かに安定した収入があるわけではないけど、年間で平均すると、私には十分な収益だったのだ。住んでいる家賃もちゃんと払えるし、食

フリーライフ 第2話

 しかし、ひどい男もいるもんだ。自分の不満のはけ口なのか、弱い者をいじめる性格なのか、私にはわからないけど、旦那さんが変わるとは思えなかった。だが、2,3日して、彼女はうちに飛び込んできた。 「高木さん」 「あれ、斎藤さん、いらっしゃい。」 玄関のドアを閉めたとたん、へたりこんだ。 「大丈夫?」 スカートから見えた足には、青い痣があった。彼女の唇からは血が見えた。私は洗面台へ連れていき、絞ったタオルを渡した。  ようやく、リビングの椅子に腰かけた彼女は、あまりに痛々しか

フリーライフ 第3話

「改めまして、近藤と言います。よろしく。」 「私は高木です。よろしくお願いします。」 近藤さんは、定年退職してアルバイトを週3日しているとのことだった。サックスは一度吹いてみたいと思っていたので、一大決心して通うことにしたとのことだった。 「で、高木さんは?」 「私も同じですよ。一度、吹いてみたかったんです。」 「失礼ですが、お仕事は?」 「無職です。」 「世間で言うところの、ニートということ?」 「いえ、ちゃんと一人で暮らしています。無職というのは、自分の職業をどのよう

フリーライフ 第4話

 翌日、私は役所へ行ってみた。まず、自分の戸籍謄本を取り寄せて内容を確認した。すると、意外なことがわかった。私は養子だった。じゃ、本当の両親は一体誰なんだ。教えてもらえるだろう両親はもういない。私のルーツが問題なんだろうか。こういうことは、どこで聞いたら教えてもらえるんだろうか。うちに帰って、ネットで調べてみた。児童相談所、家庭裁判所、そんなとこで教えてもらえるんだろうか。とにかく当たって砕けろだ。 瑠璃さんから連絡がきた。 「智志さん、父が二度と会うなって。」 「なんだ

フリーライフ 第5話

 その夜、私はベランダで一人飲んでいた。たまには夜風のそよぐ中で飲むのもいいもんだ。ベランダの遠方に街明かりがポツポツ見える。瑠璃はどうしているんだろうか。あれから、数か月経った。私は電話番号もメールも変えたが、まだ、彼女の連絡先を覚えている。声が聴きたい。彼女のぬくもりが恋しい。遠くから見るだけでもだめだろうか。会いたい・・・  翌朝のランで、また、桜井さんが追い付いてきた。 「おはようございます。」 「ああ、おはようございます。」 「いつも早くから走ってらっしゃるんで

フリーライフ 第6話

「今日はありがとうございました。」 「気を付けて、お帰り。」 「はぁ~い、気を付けま~す。」 「じゃ、またね。」 「はぁ~い、じゃぁ、またで~す。」 そういいながら、一応、駅まで送っていった。結局、彼女は私のことは何も聞いてこなかった。まあ、それが心地よかったのかも知れない。私は部屋に戻っても気分がよかった。たまにはこんな日があってもいいと思った。でもやっぱりくたびれて熟睡してしまった。  私は毎朝走っている。3パターンのコースを考えて、その日の気分で、走るコースを変えて

フリーライフ 第7話

         そのうち、週2回の練習にギャラリーが出来てきた。何それ?私はびっくりした。だって、聞いてほしくて演奏しているわけじゃないし、ここでしか練習できないからやっているわけで、なんでギャラリーがいんの?

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フリーライフ 第8話

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フリーライフ 第9話

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フリーライフ 第10話(終)

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