悪口

<悪口>
根腐れして骨の髄まで崩れている
傾いだ体を自ら立て直す気力はなく
惰性の風に吹かれて
なんとかこのぬかるみが終わらぬかと虚しく願う
この国の政治家の志の低いこと
猿が生き延びようと子供をたたき殺す意志にも及ばぬ腑抜け面
私を選んだ者たちを笑え
奴らがこの政治風土を作ったのだと
高笑いする二世三世の勘違いども
血の濃さだけが自慢の厚顔無恥
世が動くのは私が動かすからだと札束の上で昼寝する
脂でてらてら光る鷲鼻の臭いこと
それに気づかず他人を指弾するのは
特技の物忘れのなせる業だ

悪口を言ったところで面白くない
腹は膨れず幸せにもならない
それでも姿の悪い言葉が
列をなしてじくじく生まれてくる
誰にも届かぬと思いながら
どうして悪口は生まれ止まないのか
地下からの湧水のように
自分の排泄物のように

白壁を汚す止まない雨漏り
地割れから噴き出す砂の濁水
薄汚れた政治家の立つ同じ土地に私たちも立ち続ける
悪口を言いながら
自分の土地が汚れた相手を支えている
土地は捨てられない
政治家も捨てられない
それでも悪口は湧き続ける
同じ土地に立つ政治家を嘆きながら
私は今日も土を耕す

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?