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目が見えなくても、見えにくくても、映画を楽しんで!

そんな思いで始めたポッドキャスト。もう156回になりました。

「スマホで聴く音声ガイド」は、邦画メジャー作品のほとんど対応するようになり、シネコンでは「今日は何を観ようかな?」と選べる時代になったのです。
この事業を始めるほんの数年前までは、年間2〜3作品、それも盲導犬や当事者が主人公の映画、そして音声ガイドはFMラジオに送信するため、「その日」「その場所」「その時間」1回だけの対応だったのです。この辺の状況はいずれ忘れられるのでしょうが、当時ここに関わる人たちは音声ガイド付き映画を選べるなんて「夢」でしかなかったのです。
*現在、年間60作品前後の音声ガイドが聴けるようになりました。

映画はコミュニケーションツール

職場で「あの話題の映画観た?」「面白かったよね」「あの役者さん最高だよね」「イケメンだしね」・・・ といった会話をしたことがあると思います。多くの方が話題の映画を語り合うとき、その会話の中に入れないなんて寂しいですよね。昔からボランティアが動いて「団体鑑賞」という、映画鑑賞会を行うことがあって、その際、終わってからのお茶のみで話すのが楽しいという当事者も多かったです。
そうなんです。映画というのは会話のきっかけにもなる「コミュニケーションツール」とも言えるのです。

映画の公開情報がなかなか伝わらない

さて、多くの映画が対応を始めたものの、映画館に来て貰わなければもったいない。映画情報サイトは沢山あり、ブラウザの読み上げ機能があれば、ある程度の最新情報は得られると思いますが、やはりラジオ媒体に慣れ親しんでいる方には、「音」で届けよう、とポッドキャストを始めました。
私が元々、MAという音響エンジニアをしていたこともあり、録音、編集、音楽入れなど簡単にできてしまうという状況もありました。
現在このポッドキャストは原則毎週木曜日に収録、公開日となることが多い金曜日に配信をしています。

収録の方法

ヤマハのSYNCROOMを使っています。これは遠隔でバンドメンバーが集まって音楽を録音出来るようなシステムで、非圧縮の音声が収録できるものです。マイクは音質を左右しますので、それなりのクオリティのものを使っています。ゲストトークは別途、ZOOMを使用しています。

収録ルーチン

  1. SYNCROOMを設置

  2. パーソナリティの徳江が遠隔参加

  3. SYNCROOMで収録(非圧縮44.1K)

  4. Premiereに配置(バックの音楽は使い回し)

  5. 音質、バランス調整

  6. ミックス作成、ラウドネス調整

  7. mp3に変換

  8. Seesaaブログにアップ(自動的にApple、Spotify、googleポッドキャストにアップされる)

  9. 非圧縮の音源はYouTubeで利用、テキスト等を入れ、アップ

まとめ

「スマホで聴く音声ガイド」を提案した当初、「視覚障害者にスマホを使わせるなんてそれがハードルになる」とよく批判されたものです。「FMラジオはみんな持っているのでこれがベスト」なんてことも言われました。
もしその意見に従っていたなら、未だ、年間数作品、細々と音声ガイド対応してることは間違いないでしょう。ディスクライバーなんて仕事もなく、ボランティアに頼っていたでしょう。
いまやスマホは視覚障害者にとって無くてはならないツールになりつつあります。MASCは常に未来を見つめて、ポッドキャストを継続しながらもっと多くの方々に映画を楽しんでもらおうと思っています。

よろしければ、サポートをよろしくお願いいたします。 バリアフリー映画の普及に使わせて頂きます。