発達障害の僕が、就活で騙された時の話 2

さて、前回の続きです。

M先輩のオフィスにKくんと駅で待ち合わせし、一緒に行きました。

そのオフィスは僕の住んでいる駅の隣の駅にありました。商店街はどこか昭和の匂いを残し、フランチャイズのコンビニや飲食店よりも昔からある地元の商店の方が賑わいを見せていました。

商店街から国道の方へ向かい、その国道に面したところにそのオフィスはありました。

上がっていくと、M先輩が迎えてくれます。

「やあ、いらっしゃい。よく来たね!どうぞ入って入って!遠慮はいらないから。」

「はい、あ、ありがとうございます。では、失礼させていただきます。」

入ると中はまだ借りたてのオフィスといった感じで、引っ越しがまだ完了してない状態で、端にバーカウンターが設置され、おしゃれなガラステーブルに数台のソファ、そして、奥には講義室のようなものがありました。

「すごいおしゃれな雰囲気ですね!」

などと私はお世辞を言いました。

「いやいや、まだ作ってる途中だけどね。でも、このバーカウンターは自慢かな?座って麦茶でも飲む?」

あまりスナックとかバーなどと言うところに行ったこともなく、鳥○族や庄○といった気軽に立ち寄れる居酒屋の席で、大学の友達と飲むくらいしかなかったので、どうもこのカウンターで飲むと言う感じに馴染めませんでした。なんかそこに座って飲む自分に酔いしれる感じが嫌だったのかもしれません。偏見かもしれませんが。

「じゃあ、これ飲んだら早速お話しを聞こうか。今日はね、すごいゲストを呼んでるんだ!」

ゲスト?先輩達の話を聞けるんじゃなかったの?まあ、ゲストと言うくらいだから何だかすごい人がくるのかな?

促されるままに、講義室に座らされます。部屋には10人ほどの人が。

「さて、お時間になりましたので、講演を始めたいと思います。あなたの人生を豊かにするために。ゲストのN先生です。N先生は起業家として既に何十年も活躍しております。僕らの事業の立ち上げに協力していただき、この度僕らの企業の顧問に就任いただきました。N先生どうぞ!」

私が座ると同時に、待ってましたと言わんばかりに講演が始まります。

私たち聴衆の目は、背の高い紳士風なおじさんに向きます。青いスーツを着、白髪の多い髪はオイルで艶を出したのか、キラキラと後ろの窓から差し込む光に反射し、小綺麗な印象を受けるN先生。年齢はおじさんともおじいさんとも言えそうな感じです。

さて、N先生はどんな話をしだすのでしょうか?
また、次回へ続きます。


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