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たかが職場 されど職場

「ヒメオウギさんは本音しか言えないね」
昔 誰かに言われた
まっすぐ 正直 裏表がない…言葉にすれば聞こえはいい でも それは決して褒め言葉ではない  
言葉は刃  悪気は無いのに 傷つく人もいるのだから 

世の中は繊細で より丁寧な気配りにあふれた
心遣いを好み選ぶ
今や おおざっぱでがさつで雑な女は誰にも好かれない 私は完全に時代に取り残されてしまっているのだろう

誰よりも聡明で賢く優しい”その人”は職場において
皆から好かれ 憧れられる存在
彼女はあとから入った出来の悪い私に仕事のやり方を
手取り足取り 嫌がりも面倒くさがりもせず
教えてくれた
なんとなくウマが合い 話しも面白く 私が今の職場を
辞めようと悩んでいた時は 彼女がいるから乗り切る
ことができた
 月日が過ぎ私も仕事に慣れ 現場に馴れ 周囲と
うまく過ごすことが出来るようになっても
その人が私の中で一番と思っていたし
その人も私のことを 職場の中では一番好きでいて
くれている…
私は そう思っていた 

それが…
4月からその人は別部署に希望異動することになった
皆 知ってたのに私だけ知らなかった


私ならもし部署異動が決まればその日のうちに
仲いい人には報告したい 知っておいてほしい
どうして私は知らなかったの?
彼女にとって私は単なる同僚の1人
自分の気持ちと現実はあまりに落差がありすぎて
怒りさえ覚えた 
それは誰に?自分に?彼女に?

相変わらず他人に執着する私
相変わらず他人に期待値が高すぎる私
相変わらず他人との距離がつかめない私

嫌われていたのかな
良くも悪くも すぐ感情が表に出る私はこれまでも
様々な感情を彼女にぶつけてきた
”受け入れられている”
それは思い込み
それは甘え…彼女にとって負担なだけだったのかな
職場で同じ時間を過ごしただけ
考えればプライベートな時間を共に過ごしたことは
1度もない

それでも…
私の嫉妬も妬みも 怒りさえも すり抜けて
 鮮やかに 軽やかに 爽やかに 彼女は最後の日を迎えた
周りのスタッフ全員に請われながらその人は
ずっと笑顔だった
完敗…なぜか そんな言葉が浮かぶ
彼女が去っていく本当の理由は未だ知るよしもない

目覚めの悪い朝と裏腹に 晴れやかな空
”去る者は追わず”  
なんて格好いいセリフは吐けない
部署が変わっただけ
ロッカーでも駐車場でも顔は合わせる
諦めの悪い私は”嫌われていたのかな?”なんて思いは
払拭して敗者復活戦に望みをかける 

今日も笑顔で「おはよう」と言おう


🌹バラはやっぱり
お花の女王さま👑



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