見出し画像

炎環②黒雪賦~梶原平三景時~

全てがたっぷりしていたギスギスしたところがない。あれが武家の棟梁とよばれる人間なのか…まるで公家だ。
初対面から、頼朝への期待はすべて裏切られてしまった。

それでも、頼朝にかけてしまった。賭けてしまった以上、後へはひけないが、近づけば近づくほど、失望が増した。

頼朝が自尊心が傷つけられた時の冷たい目の光と曖昧な微笑。優順で陰湿、だれかのせいにして動かされた形をとる。頼朝の意をくんで実行する、それが自分に与えられた役割。武家社会を作るために必要なこと。

武家社会を推し進めるという信念
頼朝の代弁者として内実頼朝を動かして自分の夢を実現させたかのようにも受け取れる。広常成敗も義経への非情な仕打ちもすべて景時の讒言の結果と他の御家人からの半ば八つ当たりともいえる言葉にも言い訳しなかった。
その理由はただ一つ「武家社会を推し進めるという信念」だった。そのため仁王立ちになって弱腰の頼朝を支えた。

周りの噂は景時の妬みにすり替わっていた。
九郎側近の景時への八つ当たり

景時への畏怖と警戒に弁解せず

武家社会を推し進めるという信念
頼朝の代弁者
頼朝を動かして自分の夢を実現させた?

結局、頼朝になり変わり鎌倉を差配していることが自分の生きがいになっていた。仁王立ちになって弱腰の頼朝を支えているのに気がつく。
武家社会は棟梁に逆らってはならぬ。優柔不断な頼朝に代わって汚れ役を引き受けてた。

頼家軽率
わが自分の手から抜け落ちた。頼家は頼朝に諂った讒言者としか見ていなかった。頼家は棟梁ではない。そんなものに仕えられない。徒労でもいい。

命をかけて作り守ったのに手からすり抜けた鎌倉。弁解はしない。未練はない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?