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辞令は突然に

それまでの部署では、2回の産休・育休取得とその後時短勤務をしながら、 9年間ほとんど同じ仕事をしていました。
グループの中では私が一番長く仕事内容をよく知っていたし、周りの方もいい方ばかりだったので、WorkとLifeのバランスもうまく回っていました。
その状態になるまでは色々と苦労もあったけど、イメージとしては8割くらいの力でも仕事が進められている感覚でした。

このままでいいのかな?新しいことにチャレンジした方がいいのでは?と 思い始めていた頃、告げられたのは霞が関の省庁への出向。
上司もその業務内容や待遇などよく知らず、説明もあいまい・・・。
「子供もいるから断ることもできるけど、誰もが行けるわけではないからよく考えて。でも今週中に返事して」と言われました。

全く想定していなかった異動先でまさに、キャリアの分かれ道に立たされている気分でした。

正直断った方が楽ではありました。
一方で、会社(特に私を選んだ部門長は出向経験者)からの期待に応えたい気持ちが一番。
それに転職は今恵まれた環境を手放すのはリスクが大きくてできないけど、
往復切符を持って2年間外で自分を試すことができるのはいい機会かもしれないと自分の中では受けたいと思いました。

その日の夜、夫に相談したところ絶句・・・。
夫の職場や友人の職場でも同じような出向があるそうで、みんな帰りは終電だと。明らかにやめて欲しいんだろうなという空気をビシビシ感じつつも、
一応(?)好きにしていいよと言ってくれました。

次に子供たち。
コロナ以降、子供たちが物心ついた頃から在宅勤務をしていて、学童や保育園のお迎えを早めに行って一緒に過ごす時間は働いている人としては長かったと思うので、どんな反応をするか心配していました。
夫は子供からやめてと言ってもらおうと思ったのか(笑)、覚悟を決めさせるためなのか、
「もうお母さんは毎日帰りが遅くなるんだよ、2人が寝てから帰ってくるんだよ。」と脅していました。
お風呂に入りながら、「お母さん迷ってるんだよね」と言うと上の子が、
「心配するんじゃなくて、目の前のことを一生懸命やればいいんだよ」と言ってくれました。
あまりに的確なアドバイスにびっくり!
実はドラえもんの映画のワンシーンでのび太が言っていたセリフだそう(のび太いいこと言う~)。

また、週末に本屋さんに行った時に買って欲しいと子供のお料理レシピの本を差し出してきました。
「お母さん、これから帰りが遅くなるから私が料理する」と言って(涙)。
後日談としては、このレシピ本はほぼ使われることもないんだけれど、
この時掛けてくれた長女の言葉は、私の心を一生温めてくれると思います。


ということで、私はいざ霞が関へ向かうことになったのです。


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