急にからだが動かなくなちゃったんだよ

筋ジストロフィーという病気にはいろんな型がある。

その中の一つデュシェンヌ型は、
筋肉を作る遺伝子に異常があって、
筋肉が壊れていって再生が追いつかず、
体が動かなくなっていく病気と言われている。

遺伝子の病気だからしょうがない。

そう考えられている。


確かに、そういう面もあるだろうと思う。

でも、
そうじゃない面もあるのではと感じている。


18歳で這うことで移動できている男の子がいる。

医師によると、
一般的には15歳くらいで這うことができなくなる、
とのこと。

18歳で這えるってすごい、と。


彼は定時制の高校に通っている。

単位制の学校で、
授業の始まる時間が曜日によって違う。

朝ゆっくりできる日もある。


そういう、
ゆっくりできるある日、
午後からの授業に行く前に
うちでお昼ご飯を食べようとしていた。


ダイニングテーブルに
お昼ご飯のオムライスを用意してもらって、
椅子に座らせてもらった。

オムライス1

ところが、
安定した姿勢を取れなくて
スプーンを持つことができない。

どうにか持っても、
オムライスをすくえない。


在宅ワークでうちにいた父親が苛立つ。

父「やらなくちゃいけないことだけを考えろ。」

父「とにかく食べろ。」

父「できないとか言ってる場合じゃないだろ。」


言葉を畳み掛けられても、
彼の体は本人の言うことを聞かない。

父親のいうとおりにできない。


どうしても、
手がテーブルに上がらない。

手が垂直に下に降りたまま。

背中がぴーんと突っ張って硬く、
しなやかに動けない。


彼「さっきトイレに行ったときから
  体が硬くなっちゃったんだよ」


こういうことがよくある。

それまでは動けていたのに、
急に体がいうことを聞かなくなることが。


これは
その筋ジストロフィーの原因遺伝子とは
関係ないはず。


彼は、
分子栄養学の栄養療法を12歳からやっている。

栄養を補給していくうちに、
鍼灸の先生から
「栄養でこんなに皮膚が綺麗になるんですね!」
と驚かれるほど、
皮膚の色や張りが良くなったり、

最初は貧血気味だったのが、
「同年代の子どもでこれほど良い状態の子は
 いないんじゃないか」
と分子栄養学の先生から言われるほどになったり。



「完璧ではないけど、
 このデータをみると動けない体じゃない」
と。


ということは、
フィジカル的にはまずまずの状態、
のはず。


普段は動けるのに動けなくなる時、

フィジカルの問題ではなく、
メンタルの問題を抱えていることが、
これまでの経験で、
彼も母もわかっている。


で、
母はそばに行く。

お茶の入ったコップを口に近づけて、
飲ませる。

彼「美味しい」

母「じゃ、もう一口」

画像3


母「喉が乾いている時とお腹が空いている時は
  イライラするから、
  まず何か飲もうよね。

  で、トイレまでは動けてたんだ。」

彼「そうなんだよ、
  トイレ行ったら硬くなっちゃったんだよ。」

(トイレに悪さをする霊がいるのかもしれない可能性は
 対処済みw)

母「もしかして本当は学校に行きたくないとか?」

彼「おかしいなあ。
  学校に行く気、満々だったのに
 (以前に不登校の経験があることからの発言)。

 だから、
 お昼ご飯を食べる時間も自分で決めて、
 ご飯を用意してもらったのに。

 そういえば、
 心理学の授業が嫌なんだよな。」

母「(お、出てきたな) なんで嫌なの?」

彼「内容が嫌だ。」

母「どんな内容なの?」

彼「つまんないんだよ。
  っていうより、先生の声が気持ち悪い。」

母「授業の内容が嫌だと言ってたのに、
  先生の声が嫌だという話にすり替えたな(笑)」

彼「とにかく嫌なんだよ」

母「じゃ、行くのやめたら?」

彼「あ、そうか」

母「心理学を落としたら単位はまずいの?」

彼「いや、4単位余分に取れてるから、
  2単位落としても大丈夫。」

母「大丈夫なら落とせば?」

彼「うーん」

母「問題あるの?」

彼「いや、これを行かなくなったら、
  他のも行かなくなっちゃうんじゃないかな
  と思って。
  これまで僕は途中でやめたことないし。」

母「いやいや、途中でやめちゃってることあるよ。
  階段を登るの、やめちゃったし。」

彼「ああ、そうだね。
  公文もやめちゃったね」

母「うん、
  でも、続いてることもあるよね。
 
  電車好きは変わらないし、
  うちぺディアであることも変わらないし
  (知識豊富なので、ウィキペディアにちなんで
  【うちぺディア】と呼んでいる)。」

彼「そうだね、
  お風呂にも自分で入るのを続けてるし」

母「そうだね!
  あれは大変なのに毎日やってるよね」

彼「そうかー、大丈夫かー!」


ここで、体が緩み始めた。


椅子に座った状態で、

垂らした両腕を揺らし始めた。


母「で、休むの?」

彼「いや、心理学の後の時間は行かないと」

母「そうなんだ、それは落とせないんだ」

彼「うん、
  でも、それは出欠の時にいればいいだけだから」

(これはあくまでも本人の認識です。
 高校の意図とは違う可能性大w)


ここで完全にからだが緩んで、
テーブルに腕が上がり、
スプーンを持ち、
オムライスをすくって
口に運べた。


ひとのからだって、
心の影響をものすごく受けている。

からだは心の状態をあらわしている。

ただ、
栄養もからだと心に大きく影響するから、
そこはベースとして整えておく。

そうしたら、
問題がどこにあるかを絞りやすくなるから。


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