最後まで見ない見ない症候群を発症した私に結末など不要

自分ってどうしてこうなんだろうと思うことがけっこうある。
たとえば、どうしてこんなに頭がいいのだろうや、どうしてこんなに顔が美しいのだろうや、どうしてこんなに嘘ばかりついてしまうのだろうといった具合に。

中でも最近特に気になっているのが、どうして途中で飽きてしまうのだろうということだ。

テレビドラマや漫画、ゲームなどに多く、最初は楽しんで見るのだが、終わりに近づくにつれどうでもよくなってしまうのだ。
逆ならわかる。
最初は全然話に入っていけなかったのに、物語が進むにつれてのめり込んでいくというようなことはあるだろう。
だが、私の場合、毎回楽しみにしていたのに、あるとき突然見る気がなくなってしまう。
どうやら私は、最後まで見ない見ない症候群にかかっているようなのだ。

子供の頃から、ドラクエやFFなどのロールプレイングゲームが大好きだった。一人で遊べるから。誰かと一緒に遊ぶ対戦ゲームなんか大嫌いだった。というか、人と遊ぶことが大嫌いだった。というか、あいつのことが大嫌いだった。そして、そんな自分が大嫌いだった。闇、闇! 闇が全てを覆い尽くそうとしている!
いつでも一人の世界に没頭していたい私にとってRPGはうってつけだった。
だが、どの作品も一度としてクリアした記憶がない。ゲームの終盤に行くと、突然やる気をなくしてしまう。数々の強敵と闘い、HPをなくし、MPをなくし、最後にやる気をなくす。しかし、新作が出ればまたやりたくなる。で、途中までやってまたやめるのだ。

まあ正直、その程度のことはよくあるだろうと思う。単純にゲームクリアまでいけないというパターンもある。
では、毎週毎週楽しみに見ていたドラマの最終回だけ見ないというパターンはどうだろう。
1月スタートのドラマ、おもしろくてけっこう見ていた。しかし、最終回が近づくにつれ、見る気がなくなってしまう。実際、一つも最終回を見ていない。最終回だけを見ずに終わるのだ。別にそこまでしなくてもいいのに、録画した最終回を未視聴のまま消すという徹底ぶり。なにか最終回に恨みでもあるのだろうか。

三ヵ月のドラマならまだいい。
何年も前からずっと見続けてきたウォーキングデッド。ラストシーズンとなる11も順調に視聴。そして、なんと、私らしくもなく最終回の再生もスタート!
そりゃそうよ。さすがにウォーキングデッドの最終回は見るよ。

ところが、なにかのタイミングで一度再生を停止したあと、それっきりいまだに続きを見ていない。
この現象はいったい何なのだろう。
見たいけど、見たくない。
気になるけど、面倒くさい。

漫画だってそうだ。
昔は字でいっぱいの本や新聞や周りの空気なんか一切読まずに、漫画しか読んでこなかった。しかし、最近は漫画を読めなくなってしまった。「漫画ってさ、説明のシーンとかで字が多いじゃん? だから読むのめんどくて」と言いながら私は字がびっしりの小説ばかりを読んでいるのだ。

ヒロアカ好きを公言しているが、実は33巻までしか読んでいない。これは違う。えっと、あれだ。好きすぎて読めないのだ。

ワンピースなんて息子に抜かれた。
「ああ、お父さんにこれ言ってもわからないかぁ」だと?

いまとなってはワンピース連載開始時にジャンプを購読していたということだけが、唯一、私が履歴書に書ける自己アピールとなってしまった。

このままでは、私はいずれ何も終わらせられない人間になってしまう。食事を始めても途中でやめてしまい、服を着替えようと思っても片袖だけ脱いでやめてしまい、一度外にでようものなら家に帰るのをやめてしまい、その後、私を見かけた者はいない……と急にホラーに舵をきるのはやめてしまいなさい。

終わらせられない心理を自己分析すると、きっと終わりたくないのだろうと思う。最終回まで見ると、はっきりとした「終わり」を目撃することになる。いつまでも「つづく」の状態でいたいという願望の現れなのかもしれない。
好きなもの、楽しいものほど、終わりを先延ばしにしているのかもしれない。

なので、この文章も最後まで書くのはやめようと思

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?