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『旅に唄あり』岡本おさみ著

「岡本おさみ」という作詞家さんをご存知でしょうか? フォークソング黎明期に放送作家から作詞家となり、森進一の襟裳岬、吉田拓郎の旅の宿など数々のヒット作を生んだ鳥取県米子出身の方です。2015年に心不全のため73歳で死去しています。今年、その生誕80年を迎えます。

45年前に70年代の放浪の旅で書き留めた「ことば」を紡ぎながら、名曲の誕生秘話を綴ったエッセイ「旅に唄あり」が出版されました。いまは品切れですが、これを「復刻新版 旅に唄あり」本体3,000円として山陰中央新報社が刊行します。全国を旅して、たくさんの人たちとの触れ合いの中から、数々の名曲が生れました。その名曲誕生の舞台裏を自ら綴ったエッセイ。

第一章 襟裳岬、風街ろまん、落陽、鉄兵のブルースなどの作詞した唄を語る「旅に唄あり」、 第二章「岡本おさみのフォーク談義」は、第一部 吉田拓郎とのコンビで日本レコード大賞を受賞した「襟裳岬」についての誕生秘話を。第2部 地名定男、淡谷のり子との出会いと曲作り、高倉健との撮影裏話、宇崎竜童との音楽、南こうせつとの若かかりし日の思い出など。第3章『わが詩』は、ネットの岡本フアンとのやりとりのなかで各名曲について解説、第4章はシンガーソングライター・南こうせつ、音楽評論家・田家秀樹、とっとりコンベンションビューロー前理事長・長谷川泰三各氏の寄稿で構成されています。

【旅に唄あり 復刻新版】岡本おさみ著
山陰中央新報社刊
岡本おさみ生誕80年・山陰中央新報創刊140周年記念出版
定価3,300円(本体価格3,000円+税)
A5判、モノクロ、480ページ、上製本、2022年7月刊

<内容>
第1章「旅に唄あり」
  ※1977年初版本コンテンツ
第2章「岡本おさみのフォーク談義」
  ※島根県での貴重な講演内容
第3章「岡本おさみが語る『わが詩』」
  ※岡本おさみ自らの作品を語る
第4章 岡本おさみがつなぐ人たち(寄稿)
  ※南こうせつ、田家秀樹、長谷川泰二


【略歴】岡本おさみ
 本名・岡本修己。1942年1月15日生まれ。鳥取県米子市出身。
 放送作家から、フォークソングの黎明期に泉谷しげる、吉田拓郎らと出会い作詞家へ。
主な作品は、「旅の宿」「落陽」「祭りのあと」(吉田拓郎)、「こんな静かな夜」「満天の星」(南こうせつ)、「黒いカバン」(泉谷しげる)など多数。吉田拓郎作曲、森進一が歌った「襟裳岬」で日本レコード大賞、日本歌謡大賞受賞。
 エッセイ「旅に唄あり」(1977年)を上梓したほか、自身初のアルバム「風なんだよ」(1978年)、岡本作品をさまざまなアーティストが歌った「岡本おさみ アコースティックパーティー with 吉川忠英」(2003年)をリリース。
 作詞活動の一方、芝居の作詞と訳詞に参加。ミュージカル「ラブ」(市村正親、鳳蘭、西城秀樹)、「セツアンの善人」(大竹しのぶ)、ロックミュージカル「ロッキー・ホラー・ショウ」など。男性合唱組曲「隠岐四景」の作詞(堀悦子作曲、1980年に文化庁芸術祭優秀賞)がある。
 2015年11月30日に心不全のため死去。享年73歳。


<目次>
第1章「旅に唄あり」
  襟裳岬 
  安次と爆弾 
  みんな雪の中 
  蜂屋さんに会った 
  久見に来たよ 
  そこに棲んでたのかい 
  風なんだよ 
  母のいた風景
  祭のあと
  また赤い皮のブーツをはいた
  レコードのように廻っている
  キッドブラザースに会った
  風街ろまん
  窓から十和田湖を見ていた
  坑夫の住む町
  落陽
  智ちゃんのブルース
  鉄兵のブルース
  しらふは淋し、酔えばせつなくて
  ウニャさんの笛を聴いたあとで
  喫茶店に座りこんで
  あとがき

第2章 岡本おさみのフォーク談義
  第1部 襟裳岬
  第2部 知名定男、淡谷のり子、高倉健、宇崎竜童、桃井かおり、南こうせつ etc.

第3章 岡本おさみが語る『わが詩』
 吉田拓郎編
  花嫁になる君に
  旅の宿
  祭りのあと
  都万の秋
 南こうせつ編
  こんな静かな夜
  野にあるものの衣着て

第四章 岡本おさみがつなぐ人たち(寄稿)
  南こうせつ(シンガーソングライター)
  田家 秀樹(音楽評論家)
  長谷川泰二(とっとりコンベンションビューロー前理事長)

岡本おさみ作品一覧(本書に収録分のみ)


◇本書に登場する主なアーティスト、著名人
<第一章 旅に唄あり>
吉田拓郎、南こうせつ、高倉健、森進一、松本隆、長谷川きよし、山田パンダ、南正人、小室等、田村仁(タムジン)、開高健、谷川俊太郎、高田渡、友部正人、大橋純子、秋田明大、東由多加、悠木千帆、坪田直子、加藤登紀子、森谷司朗、秋吉久美子、児島鉄兵、ウニャ・ラモス、佐渡山豊、中山ラビ、西岡恭蔵、友川かずき、吉田日出子、中川五郎、野坂昭如、天地総子、なぎらけんいち、徳久広司、加川良、ソルティー・シュガー、和田誠、阿波根昌鴻、桜井久美、村岡健、高島忠夫、池部良、佐野厚子、岡本克己、はっぴいえんど、森谷司郎、秋吉久美子、あんぜんバンド、北炭生、シバ、岩井宏、吉川忠英、村上律、泉谷しげる、瀬戸口修、田端義夫、小柳ルミ子、山下成司、鷹魚剛、花柳幻舟、ジョニー大倉、パンタ、三井マリア、仲田絵二、桃井かおり、ローリング・ストーンズ、ミック・ジャガー、四谷シモン、唐十郎、草野心平、金子光晴、井伏鱒二、丸谷才一、奥村康人

<第二章 岡本おさみのフォーク談義>
吉田拓郎、南こうせつ、片岡鶴太郎、水谷豊、小林桂樹、五木寛之、奥村康人、ソルティー・シュガー、高橋隆、森山良子、石川鷹彦、安田裕美、吉川忠英、小澤征爾、團伊玖磨、筑紫哲也、ネーネーズ、知名定男、淡谷のり子、永六輔、太地喜和子、桃井かおり、イッセー尾形、大竹しのぶ、アレキサンドル・ダリエ、蜷川幸雄、時任三郎、岸田智史、松任谷由実、上田正樹、鈴木キサブロー、宇崎竜童、竜童組、ブルース・スプリングスティーン、トレーシー・チャップリン、ボブ・マーリー、ボブ・ディラン、南育代、岡本克己

<第三章 岡本おさみが語る『わが詩』>
「花嫁になる君に」 吉田拓郎、ジミー時田、榊原るみ、ピーター・ポール&マリー、六文銭、
ブレッド&バター、高橋竹山、美輪明宏、古舘伊知郎、マルセ太郎
「旅の宿」 吉田拓郎、岡部まり
「祭りのあと」 吉田拓郎、浅田次郎、吉野弘、安西均
「こんな静かな夜」 南こうせつ、南育代、田村仁、上田正治、ARB、石橋凌、原田美枝子
「野にあるものの衣着て」 ジョン・デンバー、田中タケル、オリビア・ニュートン・ジョン、 Joe Henry、庄司明弘

<第四章 岡本おさみがつなぐ人たち(寄稿)>
吉田拓郎、南こうせつ、かぐや姫、荒木とよひさ、山川啓介、チューリップ、浜田省吾、喜多條忠、尾崎豊

地方・小出版流通センター通信 No.1467(2022/06/22)より

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