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私のいない部屋、もしくは部屋のない私

雨が降っている。雷もなっている。
冬型の気圧配置が近づいている。
本は出来るだけリアルに買いたい、と思うのだけれど
都会ではない地方に住んでいるのでときどきused系通販は利用する。
レベッカ・ソルニットを読みたくて、最初文庫の「暗闇の中の希望」(いかにも私好みのタイトル)を買ったのだが、読みたい内容はこれではなかった。
『私のいない部屋』左右社、これこそが読みたかった。


翻って、私には自分の部屋がない。
今使っているのは以前、子供がつかっていた部屋。
しかも寝る専門。子供がきたら譲り渡す。
パソコン置いてある部屋は、夏暑く、冬寒い。だから
つい台所でiPad利用することが多いが、パソコンを快適な
温度環境で使いたい時は、よっこらしょと異動させる、ノートPCだから
大した苦労はないはずだけど。
私はいつの間にか、家の中で彷徨えるオランダ人になっていた。
定位置がない。集中している没入できる時空間の確保、
それは何よりも大切だ。若い頃は、早起きしたり夜更かししたり
そういう時間差で時間を捻り出せたが、睡眠障害を抱えてる現在、
ある程度の睡眠時間が確保できないと世界が崩壊する。

自分の状況を他人(家族も含む)に伝えるのが苦手なので、
なんで自分が困っているのか、どうして欲しいのか言いにくい。
否定されたら? ダメと言われたら? 自分で自分を縛る。
二週間の入院生活と、それに続く一定期間の養生生活を
言い訳に、朝の弁当作りと昼ごはんはフリーになった。
昼間も遠慮しないで自分に集中したいのだが、
誰かが同じ空間にいると妙に落ち着かない。
『私のいない部屋』にはいろんなヒントがあった、
自分の甘さ、甘え、努力のなさ、働きかけの弱さにも
気づいた、私の賞味期限なんてとっくに終わっている、
もうあまり高望みはせず、まずは自分の定位置を作ろう。
ソルニットが友人から貰った机で執筆するように、
わたしはホームセンターで買ったガタガタする机を仕事場にしよう。
(続く)


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