割れたグラス

あなたの目の前にあります。破片は大小問わず全て揃っています。元に戻してください。

ってシチュエーションになったらどうします?とりあえず直しますよね、元に戻せとの指示だから。接着剤でもなんでも使って。溶接って手は今回ちょっと無しで。

仮に一応は元に戻ったとします。

そのグラス、こつんと小突いただけでまた割れました。また直してください。また直します、だってそうしろって言われているから。

元に戻りました。今度はちょん、と指で触れただけでまた割れました。また直してください。

その繰り返し。仕舞いにはグラスとして直したと思ったら崩れ落ちる。でも直してくださいと言われる。無理だと言っても、有無を言わさずに、直してくださいと。

嫌になるでしょ?

それが今のぼくの脳みそ。確かに直してはいるんだけど小さい破片が足りていないまま。なんとか形を保ってはいるがそれは形だけで。中身を注げるかと言われたら答えはNO。

中身が注がれた先から小さい穴から零れ落ちてやがてグラスが形を保てなくなって崩れる。ちなみに中身ってのはこれからの記憶だ。やらなければいけないこと、生活する上での最低限等。

なんかもう色々零してしまって最近はどうでもいい。今日のことが思い出せないがそもそも昔からあやふやで生きていたのだから元に戻っただけ。学生時代が異様だった。あんなのはさっさとここに書き連ねて捨てるべきだ。今のぼくにはあの時の感情やらは要らないし取っておく必要も無い。

自己肯定感なんぞ無い、からかわれ続けて皮肉も妬みも憧れも抱かれた。褒められた事はある。し今でも褒めてくれる人はいる。

だがもう届きにくいところにまで私は来てしまった。自分でも理解が及ばない深海に身を投げた。そうして今になって周りは手のひらを返してきた。

遅いんだよ。

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