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ジャズミュージシャンになる、ぞ…?(簡単に挫折しそうなので公言することにした)ジャズミュージシャンへの道③

フランスでの思い出

バスキングのライセンスがあれば、公共の場でクラリネットが吹けて、そして、お金が貰えるかもしれない。
しかし、ロンドンで見かけるバスキングというスタイルは私が夢見るものと違う様な気がする…。

そうです。
私には夢がある。

これは随分昔、初めてフランスに行った時の思い出。(1997年夏)

その時、私はイギリスのカレッジの3年制の園芸コースに通っていて、学生ビザの更新は一年毎。
そのビザの更新の為にパリに3日間の一人旅に行きました。
(その頃は必要書類を揃えておけば再び入国の時に費用もかからず更新出来て、学生のよく使う手段だった。)

コーチで早朝たどり着いたパリの印象は、ミステリアスで、ナイスにダークで、でも何か懐かしい様な。

随分と昔のことになってしまったけど、今でも記憶に残るのは…。

  • 到着してすぐの早朝、静かな裏道を歩いていたら上から水が…。
    (あの水はなんだったんだろう。
    歯磨きで口をゆすいだ水じゃないといいな。)

  • 公園の植え込みのパステルカラーのお花。
    (イギリスとも日本とも違う色調で〜。)

  • 素敵なお花屋さんを見つけて花束を買って歩いていたら、通りすがりの知らない男性が「僕に?」ってジェスチャー。キュートに。素敵に。数名。
    (「日本の男性もイギリスの男性も、こんなことしないですね。)

  • 入ったバーのカウンターのお兄さんと骨折で病欠中の男の子と意気投合して、クラブとかレストランに連れてって貰って、三人でシャンパンで大酔っぱらいで、翌朝私のお財布は空っぽだった…。
    (取られちゃったという訳ではなく。飲んじゃっただけです。)

そしてもうひとつ。
美術館の外の広場だったか。
ベンチにぼんやり座っていたら、男性がやって来て私からそれほど遠くないところに座った。
そして、バックサックの中から白いバスタオルの包みを取り出し、「何だろう…?」と見ていたら、バスタオルにぐるっと巻かれていたものは、
クラリネット。
吹き始めた。
曲はSidney Bechet。
2曲ほど吹いているうちに待ち合わせの女性が登場して、楽しそうにおしゃべりしながらさっていきました…。

ミュージシャンだったのかな。
どこかで演奏する前の練習だったのかな。
まるで本を読む様にさりげなく。

何故、私のすぐ横で…?
何故、クラリネット…?
何故、Sidney Bechet…?

今思い出しただけでも、フランスに引っ越したくなる。
そんな思い出。

(つづく)

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