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ハクチョウを食べない本当の理由は?

イギリスでは法律によって保護されている野生生物のひとつ、ハクチョウ。

特にテムズ川および支流である一部流域に住むハクチョウは、エリザベス女王が所有権を持っているのをご存知の方も多いでしょう。

だから捕獲や殺傷はおろか、それを食べたりしたら立派な犯罪。

実際8年ほど前にはウィンザー城近くのテムズ河畔で、焼け焦げたハクチョウが発見され警察に通報!たくみに胸肉だけが取り除かれていたため「何者かが川岸でバーベキューをして食べた」として捜査が行われたそうです。

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そんなイギリスでも、昔はハクチョウを食べていた歴史があるんですよ。チューダー朝のエリザベス1世くらいまでは食卓にのぼっていた、と文献で立証されています。

でも現代では保護対象のハクチョウ。捕獲して食べるなんて庶民はもちろんご法度だし、王室の宮廷料理にも使われなくなりました。

でもね、私は思うんです。

ハクチョウを食べない本当の理由は、法規に反するからじゃなく・・・もっとベーシックかつ大きな理由があるんじゃないかと!

そもそも、ハクチョウって不味そうじゃないですか?

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カモメもペンギンも不味そうですよねぇ。大抵の水鳥って冷たい水に耐えられるように、皮下脂肪がハンパじゃないと思うし。

カモが例外なのは、小さいから脂肪層もそのぶん他の水鳥よりも薄いからじゃないかな?あ、アヒルも少し食用にされてるっけ。

もしハクチョウが美味だったら、いくら法律で禁止されてても絶対に密猟者が後を絶たないでしょう。でも前出のような例外を除けば、そんな事例は皆無に等しい。

それは皆が法律遵守している善良な国民だからではなく、ただ不味いからじゃないでしょうか?

・・・そんな私の想像を立証してくれるような証言を、ある日ついに見つけたのです!

それは「ガーディアン」の質問箱。


シェフィールド在住クリス・ヤングさん曰く、

「私の父親は昔ハクチョウを食べたそうだ。電線に飛び込んで死んだハクチョウを、パブのシェフだった友人が拾ってきたらしい。プロのシェフが料理したにも関わらず、肉は硬いし脂っこいし、とても食べれたシロモノじゃなかったと言っていた・・・(後略)」

あっそうそう、脂ぎってるだけじゃなく、筋肉質で硬そうってのも言えてる気がします。

だからハクチョウを食べない理由は女王様が所有しているからってだけじゃなく、単に誰も食べたくないんだと思うんですよ!

じゃあチューダー朝の人達って、どんな料理法で食べたのかしらん。下茹でなどで脂を抜いてから、シチューみたいにじ~っくり煮込んだとか?

同じ質問箱で、別の回答者が「ハンプトン・コート・パレスの『ロイヤル・チューダー・キッチンズ』という料理本に色々なレシピが載っている」と言ってます。

チューダー朝っていえば、何といってもヘンリー8世ですが。

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この人だったらハクチョウの丸焼きをモリモリ食べてても、そんなに違和感がない気がする強烈キャラですよね!笑

色んな動物がいる中で、今も人間がフツーに常食しているお肉って、考えてみればほんの数種。きっと特に味が良く、また飼育・繁殖しやすかったのでしょう。

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ところで日本だと渡り鳥ですが、夏も高温多湿の猛暑にならないイギリスでは定住しているハクチョウたち。

私とパートナーの散歩道でも、年間を通してよく見かけますが・・・。

決して「捕まえて食べてみたいなぁ」という誘惑に駆られないのは、やっぱり法律のせいだけじゃないと思うのです!


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