メモをとるなら_紙vsデジタル_どっち_

効果的なメモの取り方(紙vsデジタルの考察から)

メモを取る時に、紙に書くか、スマホやパソコンを使ってデジタルに残すか、どっちがいいかは人によって意見が分かれるところだと思います。

パソコンの普及に伴って、大学の教授たちは自分の講義を紙 or デジタルのどちらでメモしてもらったほうが効果的なのか、エビデンスを探す研究が進みました。

私か読んだのが2014年のこの論文。

この論文では、"事実に関する問題"について、紙とデジタルに差はなく、"概念的な問題"(暗記ではなくよく考えなければいけない問題)について、紙にメモをとったが効果が高いエビデンスが得られました。

効果が高いとは、実際にある講義のメモをとってもらい、そのあと、テストに受けたもらった際の点数を比較した結果です。紙の方が偏差値で約20点ほど良い結果となりました。

この理由のひとつが、紙にメモを取る際には、メモする内容を自分の言葉に置き換えて書いていることにあると論文では主張されています。実際に書かれたメモを比較したところ、紙に書かれた単語の数はデジタルの場合い比べて少なかったのです。また、それは、事前に「自分の言葉でメモをとる」ように言われても、傾向は変わりませんでした。

実際に私たちの感覚でも紙にメモを取るのは時間がかかるので、講義に追いつくために言葉を選びます。一方でデジタルは、話し言葉をそのまま記録できるぐらい早く打つこともできます。そうなると、言葉を選ぶ必要はありません。

私たちは意識せずとも、使うツールによって思考が変わってしまうのです。メモを取るという行為においても、無意識に行われている「自分の言葉への変換」が、メモの効果に影響すると言えそうです。

さて、紙にメモする利点が証明されましたが、デジタルの便利さも捨てられません。この論文の結果から学ぶとすれば、ツールはなんにしろ、メモを取る際はそのまま書き写すのではなく自分の言葉で書く。日頃からこの訓練を怠らないことだと思います。


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