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漫画は日本の文化です

5月のとある木曜日。昼食後。アンドレアにタブレットの画面を見せながら、
「僕はもう、日本にいるときに読んじゃったんだけどさ、これ、一緒に読もう」と、言った。


※この記事(上のリンクの記事ではなく、今あなたが読もうとしてくださっているこの文章)は、日本人の僕とイタリア人の友人アンドレアがイタリア語で交わした会話を、日本語に訳したものです。
ほぼ会話のみで構成されているので、どちらの発言であるかを明確にするため、僕の台詞にはL、アンドレアの台詞にはAを、「」の前に付けてお送りしたいと思います。


L「前回、『次回からのゲスト誰だろ?』って、けっこう盛り上がったじゃん。覚えてる?」

A「もちろん。で、誰だったの?」

L「レオナルド」

A「だと思ったんだ!」

L「嘘つくな。お前ペトラルカとか言ってたじゃねーか。kaekoikさんが『15世紀から16世紀にかけて活躍した』ってヒント出してんのに」

A「違う、ペトラルカって言ったのは君だよ。俺はボッカッチョって言ったんだ。君はダンテとペトラルカしか知らないだろ」

L「そんなことないもん! ボッカッチョだって知ってるよ。大きなメロンの話を書いた人だろ」

A「...大きなメロン?」

L「...なんでもない。ちょっとしたジャパニーズ・ジョーク... そんなことより、今回からのテーマ、漫画なんだよ」

A「へぇ。いいね。君の好きな『東京リベンジャーズ』出てくるかな?」

L「絶対出てこないと思う。 あれ、イタリアと全く関係ないし、kaekoikさんのイメージと正反対の作品だから... それに、ほら、ここ見て」

A「...『若くはない私が選んだものですから』ってことは、新しい漫画は出てこない、ってことか」

L「うん。でもさ、このパラグラフで挙げられてる作品の中で一番新しいのって『テルマエ・ロマエ』なんだよねw」

A「あぁ、だったら、子供向けの作品は出てこない、ってことじゃない? ところで、『テルマエ・ロマエこの作品』覚えてるよ。君と知り合ったころに書店で見かけたよね」

L「そうそう。あのころはよくfumetteriaコミックショップへ行ったな。漫画って、絵を見ればイタリア語がよく分からなくても、なんとなく何を言ってるか想像できるし、日本の作品を選べば、原典オリジナルで "正解" を確認できるから、読みやすいんだよ」

A「で、君は『テルマエ・ロマエ大人の漫画』を選ばず、子供向けを選んだ...w」

L「は?『Death Note』は子供向けじゃないんだけど。あれは新世界の神になろうとしている人にとってのバイブルなの。それに、自分に似たキャラクターが出てる漫画を読んだ方が、後々役に立つんだよ。漫画って主に会話を読むわけだから、スピーキング能力の養成に役立つわけ。いかにも自分が言いそうなことを言うキャラが出てくる作品だと、台詞を覚えておけば、それをそのまま普段の会話に使えるからね」

A「...それって、君は八神ライトに似てる、って言ってるのか?」

L「なんか文句あるのか」

A「いや、別に...でも君、『Death Note』は途中で挫折してなかったっけ?」

L「...だって難しかったんだもん。それで、『Hunter × Hunter』を先に読むことにしたんだよ。今でもよく使う "Mi fa salire il sangue al cervelloあいつムカつくんだよ!!" っていう表現、『Hunter × Hunter』で覚えたんだ」

A「まぁ、ものには順序があるからね。今なら『テルマエ・ロマエ大人の漫画』も読めるんじゃない? あとで買いに行こうか」

L「言い方がムカつくのはまぁいいとして、僕、温泉好きだし『テルマエ・ロマエ』もおもしろそうなんだけど、本文の中で紹介されてる『レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密』、こっちを先に読みたいから、これ買って」

A「いいよ。ねぇ、記事の最後に『来月はまた別の漫画をご紹介いたします』って書いてある。4回とも別の作品が出てくるとすると、あと3つか... ねぇ、『キャンディ キャンディ』出てくるかな? 俺、漫画*の中であれが一番好きなんだよね」
*おそらくアニメのことだと思います。うちの本棚に『キャンディ キャンディ』はありません。

L「絶対出てこないと思う」

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