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お前は僕の仏

90日+αのイタリア滞在を終え、横浜の実家に戻ってきた。
イタリアにいるアンドレアとタブレットでSkypeを繋いだまま、ラップトップでnoteに載せるパロディを書いていると、やつが言った。
「君は夕飯を食べ終えてから、もう二時間近くパソコンをいじってるよ。気管支炎が治るまでは『一日一時間』っていう約束だろ」

「わかってるよ。もう少しで終わるから... そもそも何なの、その時間制限。PCと気管支がどう関係すんだよ...」

「これは就業規則だから守ってもらう」

「まだ雇用契約成立してない」

...そんなことを話しながらいつもより雑に推敲を終えたパロディを投稿し、noteのトップ画面を表示すると とある記事が目についた。

「kaekoikさんの記事が上がってる」と言うと、
「今日はまだ9日なのに。いつもより早いな」と、アンドレアが僕の思ったことを口にした。
記事を開くと、『先月は』に丁度リンクが貼ってあったのでアクセスしてみる。すると、先月の投稿は11日。そんなに前倒しというわけではない。

「今日は土曜日だから時間に余裕があったのかもね」
そう言って、記事のタイトルを読み上げ、下にスクロールしようとしたときアンドレアが言った。
「土曜の夜に楽しみを提供しようというkaeのサービス精神は素晴らしいよ。俺の給料も金曜日に振り込まれたらよかったのに...」


※この記事(上のリンクの記事ではなく、今あなたが読もうとしてくださっているこの文章)は、日本人の僕とイタリア人の友人アンドレアがイタリア語で交わした会話を、日本語に訳したものです。
ほぼ会話のみで構成されているので、どちらの発言であるかを明確にするため、僕の台詞にはL、アンドレアの台詞にはAを、「」の前に付けてお送りしたいと思います。


L「今回は “㈱釈迦” の組織図か。社長が釈迦如来で、取締役が普賢菩薩と文殊菩薩。部長が八部衆...」

A「文殊菩薩ってどんなのだっけ... あぁ、ライオンに乗って、剣と巻物を持ってるやつか。これ、君の推しじゃなかった?」

L「そうそう。で、地蔵菩薩はお前の推しだよね」

A「うん。でも、彼は破線の枠に入っていないね」

L「『あらゆる場所に出向いて救ってくれる』らしいから、フリーランサーみたいな感じなんじゃね?」

A「なるほど... あ、このイラストの地蔵菩薩も金持ちになれる玉を持ってる! 金曜日に彼が俺のところへ出向いてくれていたら...」

L「...お前、そんなに金ないの? 昨日、僕にめちゃくちゃいっぱい本を買ってくれたのに...」

A「実は、有り金のほとんど全部をそれに使ったんだ。だから、次の給料日まで8ユーロで過ごさなくちゃいけない」

L「...あー...まぁ、月曜日には振り込まれるだろうし、大丈夫だよ。それに比べたら、kaekoikさんなんて56億7000万年も待たなきゃいけないんだから...」

A「それはChatGPTが『阿弥陀如来が極楽に連れて行ってくれないということにはならない』って言ってるんだし、天国で愛しの彼を待っていればいいんだから大丈夫だよ(?)。それにしても、56億7000万年ってすごい数字だよね。一体どうやって算出したんだ...」

L「それな。最近、このシリーズの影響で仏教の本とか動画をよく見るようになったんだけどさ、仏教って、天文学的な数字が結構出てくるんだよ。地獄の各階層で過ごさなきゃいけない時間とか、前の階層と比べて何倍苦しいかとか... あと、責め苦の種類もいっぱいあるよ」

A「全部地獄に関するデータだな。将来に備えて情報取集してるのか」

L「...僕は無益な殺生はしてないから地獄へは行かない。それに、仏教では窃盗より淫行の方が罪が重いんだよ」

A「淫行といえば(?)、この記事によるとkaeの推しはミッキーだよね。彼女をパリのディズニーランド*に誘ったら、俺とデートしてくれるかな?」
(*トップ画像はアメリカのディズニーランドかと思われます。)

L「...してくれるわけないだろ。醍醐寺の弥勒菩薩坐像を見て見ろよ。ミッキーとは似ても似つかない...」

240310

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