静かに、見入る。
『ママー、テレビおもしろくなさそう』
と子どもたち。
『春休み入ってからアンタら好き勝手しすぎ。たまにはチャンネル権譲れ』
先日買ったくるりのCDについてたライブDVDを夕食時に再生した。昨年の京都音博のもの。
冒頭にピース又吉氏が出て来て、物語を朗読。
『この人、テレビで見たことあるー』
とか言ってる子どもたち。
私がくるりと出会ったのは大学生のころ。
誘われて入ったもののそろそろ辞めようかと思っていた軽音楽部やドラムを、もう少し続けよう、いや、こんな風にできるようになったらきっともっと楽しくなる、と、前向きに捉えられるようになったきっかけが青い空のPVである。(実際にコピーしたしね。)
大げさでなく、人生の分岐点。
その時は『自分の人生は自分のもの』と胸張って言えてたんだけど、子どもができて、仕事もまともにしてないせいか、近頃は『子どもの脇役みたいな人生』とうっすら寂しくなることもあったりして。どこか自分の人生を生きていないような。
でもね、さっき。
岸田さんと同じくらい髪が伸びてフチありメガネをかけて、サッカーの試合負け続けたのにのほほんとしている長男。
リスみたいにほっぺた膨らませながら苦手なキノコに苦戦しつつ、カレーを食べる次男。
そして、左手に贅沢と書かれた金麦を持つ私。
三人でテレビの中のくるりに静かに夢中になってる。
それに気付いた時、なんかね。
自分の人生も捨てたもんじゃないね、なんて思えたんですよね。
あ、これでよくない?大丈夫じゃない?って。
何にも変わってない、目の前にある問題は1つも解決していないけど。
不思議な、不思議な感覚。
いつか彼らが大人になって、子どもができた時に同じ気持ちになるかな?
どうか子どもたちが色んな音楽を知って、安心にたどり着けますように。
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