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#33 呪術的な日々

海外旅行の予約が面倒臭い。

今年の冬、海外旅行の計画を立てているのですが、なにもかも友人にやってもらいました。
わたしは荷物を持って成田に行くだけである。
ちょっとした罪悪感はあるのですが、自分がやる手続きの面倒さを思うと、申し訳ない気持ちはすぐに消える。
もう、記憶改竄がお手のモノになってきた。
あとで美味しいビールを買ってあげよう。

はじめて海外に行ったの20歳。フランス、パリだった。
ど田舎出身のわたしは大都市への憧れが強く。
美術史を勉強していたこと、1人旅を経験したいということで、若さでパワー有り余る20代メンズは夢を無限に抱く。

しかしである。
とにかく安く済まそうと、ロシアのアエロフロートで向かったため、モスクワの乗り換えも含め長時間のフライト。
時間がかかるのはまだいいのですが、慣れない外国語での手続きやらなにやらがとても面倒。
向かう前からかなりうんざりさせられた。

そしてモスクワ空港では、2メートル級のおじさんばかり。
10年前くらいの当時は、どことなく暗い雰囲気で、トランジットの待ち時間はとても心細かった。
巨人に囲まれたエサの気分。
便器の高さも日本よりかなり上だ。さすが社会主義の本場は違う。
ただ座っているのも不安なのでなにか食べようと歩き回り、小さな売店でコーラとm&mをみつけたときはとても嬉しかった。

空港からパリに行くまでも、ホテルのチェックインでも手間取ってしまい、旅行中はずっと困惑と楽しさが交互の押し寄せ、いい経験にはなりましたが心から疲れた旅でした。


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旅行に不慣れだったことも悪かったのですが、それ以来1人旅はしていない。

海外旅行は全て代理店か友人を通すようになり、ここ数年は自分では全くなにもやっていない。自堕落を極めつつある。
想像を絶するだらしなさの素質があるかもしれない。

いまでは旅行はリフレッシュのためのもの。
ストレスを感じることは一切したくない、という勝手なモットーをきいてくれる、心優しい友人たちにわたしは恵まれました。あざっす。


久しぶりに1人旅してみようかな、とも思う。
見たい絵画一枚。
それだけのために、海外の地方都市に訪れる価値は十分にあるだろう。
そういえば、大好きなエドワード・ホッパー『ナイトホークス』はまだ実物を見たことがなかった。

調べると、シカゴ美術館にあるらしい。
10万円ちょとくらいでなんとか行けそうだ。
ツアーだけど、自由行動だけのやつがいいな、ホテルはこの立地で日本語が通じるといいな、と2時間ほどネットをさまようと、なんだかもう行った気になってしまった。
自宅にあるエドワードホッパーの画集を手に取り、
「いつか行くぞ!」
とだけ決意して、とりあえず今日のところは終わりにしました。



あなたがわたしに課金をし、わたしはソシャゲへ課金をします。