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#39 呪術的な日々

ひとに勧められて韓流ドラマ『ピノキオ』を見る。

「イ・ジョンソクがイケメンすぎる」という触れ込みで見たら、予想以上にイケメンで驚愕した上に、彼はわたしとほとんど年齢が変わらなかった。
わたしも、ああ言う大人になりたかった。
天は何物をイ・ジョンソクに与えるおつもりでしょうか。

『ピノキオ』の舞台はテレビ局で、イ・ジョンソクは報道記者なのですが、ふとわたしも小さい頃の夢はアナウンサーだったことを思い出しました。

どうしてアナウンサーになりたかったのだろう。
ひと前で強く語りかける姿が、小さいわたしにはカッコよく見えたのかもしれません。
そういえば幼い頃は、どの仕事もカッコよく見えた。
誰かに美味しいものを食べてもらって。街を綺麗にして。
ニュースを伝えて、ひとを笑顔にしたり、勇気を与えている。

それがいまはどうでしょう。
「誰かの役に立っている」という感覚はもちろん大事にしていますが、やれ出勤が面倒だ、やれ会社の方針が不明確だ。
邪悪なメンタルに冒されないように必死になっている日々。
本当にたまに愚痴を言うのもいいですが、だからと言って人のせいにして自分で動かないのは最悪じゃあないですか?社会に参加する資格がない。
身体は社畜になっても、心まで呪われてしまったら本当にお終いだ。

当時、輝いてみえた大人。
ただ飯を食うためにゾンビのように仕事をする、そんな姿になりたかったのだろうか。いや、そんな筈ないだろう。

「ウソ」をひとつのテーマにしていた『ピノキオ』。
イ・ジョンソクは時に嘘をついてしまいながらも、本当の自分と向き合う苦しさに立ち向かっていった。ああいう人間は、きっと自然と神にも好かれる。
「ゾンビになるか、イ・ジョンソクになるか。ここからの数年が勝負だな」と言いながら、今日もソファーに寝そべってお菓子を食べながらHuluを再生した。



あなたがわたしに課金をし、わたしはソシャゲへ課金をします。