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子供のためのプチパレ・パリ市立美術館(1)コロー・薄墨色の枝を風が通るとき/ゆれる野の花

コローは、 野原のはらからえる 木々きぎもりとおくにえる 教会きょうかい 自然しぜんくのがきでした。

日様ひさまくもらして、っぱのさき 黄色きいろ 緋色ひいろひかっています。

かぜが通りぬけると 小枝こえだはさらさらおと立てて細いえだをふるわせます。
コローがえだは、ほそい細いくろせん

あ、だれかいる。

それから、


たくさんのしろいおはないているのにがつきましたか。


ちいさなはな背伸せのびしてちらちらと、あっちこっちにゆれています。

コローはこうして最後さいごに、自分じぶんまええるちいさなくさはなも、ながれるようなしろせんてんですっすっときました。
それはえてしまうくらい細い線。 自然しぜんなかけこんでいきました。


Camille Corot
Canteleu 1872
カミーユ・コロー
カントルー 1872

お読みいただきありがとうございました。
銀灰色の背景に薄墨の木々、しっとりした空気のなかの生き生きとした自然描写には動きがありました。「抒情詩人」とは高階 秀爾先生のご著書で言われました。
どこかに子供の心を持つ読者の皆様には、きっとコローの欲のない澄んだ詩情を感じられるのではないでしょうか。
もうすでに印象派の気配さえ感じさせるコローの作品はまだ続きます。
今回はプチパレ、パリ市立美術館からコローの美しい作品をお届けしました。この美術館は無料で作品はもちろん、中庭に面したカフェがありゆっくり楽しめます。

すいている展示場(地下) 一昨日

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