子供のための「はじめての美術館」美術館初心者の皆様にも/パリの美術館から1回1作品

ルーブル、オルセー/オランジュリー美術館から子供のためのやさしい美術作品紹介1回1作品…

子供のための「はじめての美術館」美術館初心者の皆様にも/パリの美術館から1回1作品

ルーブル、オルセー/オランジュリー美術館から子供のためのやさしい美術作品紹介1回1作品 美術館初心者の皆様も是非どうぞ。(X,instagram 毎日美術館作品更新中) 美術館関係仕事の夫帯同で渡欧35年 楽器指導者 生徒:パリ国立高等音楽院、米普通大学入学卒業者多

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はじめまして 子供のための「はじめての美術館」パリ美術館から

パリ・ルーブル、オルセー、オランジュリー美術館から1回1作品、日本では紹介されていない作品も楽しいおはなしでお伝えします。  noteの掲載は7年前に考えていたのですが度々の病気療養などもあってやっと再開、noteに発信できるなんて!今まで皆さんの記事を拝読するばかりでしたのでとても嬉しいです。 私は、在欧35年、美術館関係の夫の帯同で渡欧、以来日本での仕事だった楽器指導をヨーロッパに住む子供たちに続けてきました。その子供たちも社会に出ていくようになり一段落したので、楽器を

    • 子供のためのオルセー美術館(66)ゴッホ・いつもは描かない絵だけど/水と動く葉っぱ

      休日を楽しむ人たちを描く ここはオワーズ川 ゴッホは、川のほとりで遊んでいる人たちを描きました。 あそこに、釣りをしている人がいるよ。 なんの魚が釣れるんだろう? 赤と緑と青と、きれいなボートだなあ。 茶色いのもあるけど、どのボートがいい? 川は青に緑、むらさき。あと、ゴッホの好きな群青色 水にうつったボートは、たっぷんたっぷん、ゆれています。 川の水は、ぶあつい絵の具で重いくらい。 ゴッホは、何度も筆を動かしました。横に横に、長く短く、長く短く…… 葉っぱは、い

      • 子供のためのオルセー美術館(65)ルノワールとモネ・友だちのしるし/一緒に描いた絵

        ルノワールとモネの描いた花 ここはセーヌ川近くの町、ブージバル。 ルノワールとモネは、同じ花の絵を一緒に描きました。 ルノワールは、花びんのダリアやひまわりを紙いっぱいに、 もうはじけるくらい明るい絵を描きました。 赤やオレンジ、黄色の花びらはいくつも重なって、 近くで見るとたくさんの色と、いきおいのいい筆のあとが見えます。 青や白の花は細い線ですっすっとていねいに。花びんの青もお花みたい。 ルノワールは、こんな見ていて嬉しくなるような花を描きました。 ルノワ

        • 子供のためのオルセー美術館(64)ブーダン/モネの大好きな絵・モネの先生ブーダンの空

          次々に変わっていく空の絵だ! ブーダンくん、きみはすごいよ! 《ボードレール・印象派の生まれる15年前の海辺で》 それは印象派の生まれるずっと前のこと。 詩人のボードレールは、ブーダンが海辺で素早く描いたたくさんの空の絵を見て驚き感動しました。 モネはその頃まだ19歳、絵の勉強を始めたばかりの時です。若かったモネはブーダンから、外で絵を描くことを教えてもらいました。 今日はそんなブーダンの空の絵を見てみましょう。 ブーダンの青い空と白い雲 ブーダンは、みんなから空の王

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        • マティスの危機〜再生へ やる気なくなっちゃったマチスおじさん
          5本

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          子供のためのルーブル美術館(34)黒のドレープ/前代未聞の共同購入・ルーブル美術館とオランダ美術館が買ったレンブラント

          2枚の肖像画のきまり 今日の絵は、ルーブル美術館とオランダ美術館が共同で買った絵です。 5年間ずつ、フランスとオランダでかわりばんこに展示するという珍しいきまりがあります。 そして必ず2枚いつも一緒に飾らなくてはいけないという約束も。 ふたつの違う国の美術館がお金を出し合ってまで買ったレンブラントの絵とは、いったいどういう絵でしょう。 エレガントな黒 モネやルノワールは黒は使いません。 でも黒はおしゃれな色。400年前の黒い絵をちょっとのぞいてみましょう。 1枚目、

          子供のためのルーブル美術館(34)黒のドレープ/前代未聞の共同購入・ルーブル美術館とオランダ美術館が買ったレンブラント

          子供のためのオルセー美術館(63)モリゾ・うすいベールの向こうがわ/印象派の先頭をいく女流画家ベルト・モリゾ

          その優美さはどこから すきとおった白いベール、縁取りにピンクのリボン。 ベールの向こうがわには、だれがいるのでしょう。 ゆりかごに眠る赤ちゃんでした。 赤ちゃんの頭には、 青いリボンが、さっきつけたまま。 静かな寝息と一緒に小さく動きます。 女の人は頬に手を当て赤ちゃんを見つめて… おや? 赤ちゃんも? 手を曲げておんなじかっこう! ベルト・モリゾは、妹エドマとその子供ブロンシュを描きました。 モリゾは、素早い筆で透き通ったベールを描いて、 見ている私たちが、赤

          子供のためのオルセー美術館(63)モリゾ・うすいベールの向こうがわ/印象派の先頭をいく女流画家ベルト・モリゾ

          子供のためのオルセー美術館(62)スーラ・サーカス②/額縁も青の点々で 色の秘密

          スーラの描いたサーカスのおはなし② あそこの女の子は何を描いているんでしょう。 ああ、サーカスの白い馬! スーラは、白い馬を、白に青の点々で描きました。 白はお日様の光の色。 まぶしくひかる白い馬は、赤いサクのまあるい舞台をぐるぐる走ります。 オレンジのライトがつきました! 赤や黄色の洋服のお客さんはみんなドキドキ、真剣です。 あの子たちはなんて言ってるのかな。 あっ! 黄色のピエロが、ジャンプ! お客さんは大喜びです。 ピエロの宙返りで、お客さんもぱぁっとライ

          子供のためのオルセー美術館(62)スーラ・サーカス②/額縁も青の点々で 色の秘密

          子供のためのオランジュリー美術館(8)マティス・切り絵が生まれた日⑤/元気になってきたマチスおじさん最終回

          やる気なくなっちゃったマチスおじさんのお話の続き⑤最終回  オランジュリー美術館企画展2023から 南の島からアメリカへ。 1930年9月、元気になってきたマチスおじさんは、ここで大きな壁画を描くことになりました。 そうだ! あのダンスの絵を、もう一度描こう! ずっと前に描いた絵を思い出したのです。 こんな感じはどうだろう。 大きい壁にも描いてみました。 長い長いえんぴつを指の先で持って 軽くふわっと もっとふわっと。 マチスは何度も色を変えながら考えます。

          子供のためのオランジュリー美術館(8)マティス・切り絵が生まれた日⑤/元気になってきたマチスおじさん最終回

          子供のためのルーブル美術館(33)よみがえったファン•エイク②/かくされた動物はどこ?

          昔の人も動物大好き 600年前のファン・エイクの絵がきれいに修復されたお話① のつづき きれいになったファン・エイクの絵は、小さな動物もよく見えるようになりました。 ファン・エイクが2人で立っているあっちの庭に、探しにいきましょう。 庭はいろいろな種類の花でいっぱい。 これはカササギ、 モネも絵に描いたちょっと有名な鳥。フランスではピーっていうの。 ここには、クジャク! 青い首が光っていて、かっこいい。流れるような尾っぽがきれいです。 あと…ウサギ。 ファン・エイ

          子供のためのルーブル美術館(33)よみがえったファン•エイク②/かくされた動物はどこ?

          子供のためのルーブル美術館(32)よみがえったファン・エイク①/絵の裏側の秘密

          びっくり! 今日は絵の裏側から 美術館にずっと飾られたまま、汚れて色がよく見えなくなっていた600年前の、ヤン・ファン・エイクの絵。 そこでこの絵を、ルーブル美術館が初めてきれいに修復しました。すると、なんと! 絵の裏側に、緑の石のような絵が出てきました。 「大発見だ!大理石みたい、現代アートだ」と、みんなが驚きました。 裏側も人に見せられるように描いてあったのです。 さて、表側のファン・エイクの絵に、こんな2人が出てきます。 赤い帽子をかぶっているのが、ファン・エイ

          子供のためのルーブル美術館(32)よみがえったファン・エイク①/絵の裏側の秘密

          子供のためのオルセー美術館(61)シスレー・道を描く、たぐいまれな眼/最後まで印象派だった唯一の画家

          ぶれない! 道を描き 家を描き 空を描く。 シスレーは風景の絵を描き続けました。 シスレーが描くのは風景画だけ。ほかの絵は描きません。 モネとはもう昔からの仲良しだけど、見た物を正確に形をきちんと描くシスレーは、モネとは全然違う描き方なのです。 さあ、もの静かなシスレーの世界をちょっと見にいきましょう。 ここは小さな村の丘の上 小道の両側には、果物が採れる果樹園や野菜の畑があって緑がいっぱいです。 道を描く。 がんじょうそうな手すりも、道にそって長くのびて ずう

          子供のためのオルセー美術館(61)シスレー・道を描く、たぐいまれな眼/最後まで印象派だった唯一の画家

          子供のためのルーブル美術館(31)天使が蝶々をつかまえたら・ショーデ/伝統と革新のヌードの絵も見くらべて

          天使の羽、本当にはえているみたいじゃない? 今日は天使アムールのお話です。 そこで何をしているの?またなんかいたずらしてる? 天使たちはいつもこんなふうに、もう自由自在 ホラ貝を吹いて飛びまわったり、 イルカに乗って遊んだり あ、そこ引っぱらないで! いたずら好きだなあ。 あそこでは、蝶々の取り合いをしている。 さてさっきのアムールはどうしたでしょう? 春がきて、蝶々をつかまえたアムールは、一輪のバラの花を見つけました。 そうだ、この蝶にバラの甘いにおいをかが

          子供のためのルーブル美術館(31)天使が蝶々をつかまえたら・ショーデ/伝統と革新のヌードの絵も見くらべて

          子供のためのオルセー美術館(60)カイユボット•何してるの?/パリの高級アパートで

          この音、聞こえる? ここはパリのアパート、 ベランダの窓から入る日差しがまぶしい部屋です。 シューッシューッ、カリッカリッ、シュルッシュルッ… これはなんの音でしょう? そうそうこういう音、ちょっと聞いてみて。 いったいこの人たちは、床の上で何をしているんでしょう。 ぞうきんがけ? いえいえ、実は、 古くなった床の表面をけずって、きれいにしているところなんです。 『かんな』という道具を使って木を薄くけずるのです。 シュルッ、シュルッ、シュルッ 茶色くよごれた床板を

          子供のためのオルセー美術館(60)カイユボット•何してるの?/パリの高級アパートで

          子供のためのオルセー美術館(59)ゴッホ・黄色と赤と緑と / 《マティス自由なフォルム展家庭画報web連載記事のご紹介》

          ゴッホはパリのイタリアンレストランの女主人アゴスティーナを描きました。 壁紙の黄色に、イスの青。 たてにも横にも筆を動かして イタリアのお日さまみたいないろんな黄色になりました。 はなやかなアゴスティーナのドレスは、ざくざくと元気な筆で描いてあります。 ブラウスのピンクと水色がきれいじゃない? これはスカート?もしかしてテーブルクロス? 赤に緑、オレンジに青。 ゴッホはやっぱり、たてたてよこよこ、たてたてよこよこ…と、長くて太い線で描きました。 さあ、今度は顔。何色

          子供のためのオルセー美術館(59)ゴッホ・黄色と赤と緑と / 《マティス自由なフォルム展家庭画報web連載記事のご紹介》

          子供のためのオルセー美術館(58)ジェローム・仮面のなぞ/ごっこ遊び(オルセー美術館新規購入作品)

          勇者ごっこ エメラルドのマントをはおって 手には、木でできた古代の英雄の剣、ハルパー。 あの子はいったい何をしているんでしょう。 頭に乗っかっているものは? おめんだ。 不気味な顔は土色、大きく目を見開いて赤い毛がたれています。 あ、これは……… ヘビ! 頭の上にも顔のまわりにもヘビがニョロニョロとはりついている。 頭にヘビといえば……そう! 覚えていますか? 前にも出てきた、 メドゥーサです。 この子供は、メドゥーサのおめんをつけているのです。 ぼくは、今

          子供のためのオルセー美術館(58)ジェローム・仮面のなぞ/ごっこ遊び(オルセー美術館新規購入作品)

          子供のためのオルセー美術館(57)アンリ・クロス/顔の見えない少女  《マティス自由なフォルム展家庭画報連載記事のご紹介》

          てんてんで描かれた絵 いったい何をしているの? 顔も見えないんだけれど… 「長い髪の毛を顔の前で、とかしているところ。どう、きれい?自慢の髪なの」 くしが通ったところは、つやつや光っていきます。 すると髪の毛は波のようなだんだんになって、いろんな色が見えてきました。 アンリ・クロスは、どうやってこの絵を描いたのでしょう。 ちょっと近づいて見てみましょう。 たくさんの小さいてんてんがいっぱい! くしを持つ手や腕は何色のてんてんで描いたのでしょう。 髪の毛は? 紫に

          子供のためのオルセー美術館(57)アンリ・クロス/顔の見えない少女  《マティス自由なフォルム展家庭画報連載記事のご紹介》