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京都色に染められたくて…夏

今から3年とすこし前、京都への憧れが募ってとうとうこの街に引っ越してきてしまった私。

元からここで生まれ育ったわけではなく、恋焦がれて自分の意思でやってきた身だからこそ、「京都らしい暮らし」への憧れがあります。

物心ついてからずっと東京にいる人があえて「都会っぽい暮らしがしたい!」と思わないように、京都が地元である人が「京都らしく暮らしたい」とはあまり思わないでしょう。

でもあとから来た私は思うのです、「せっかく京都に来たんだから、京都らしさを味わいたい」と。


とはいえ私が住んでいるのは京町屋ではなく現代的なマンションだし、和服ではなく洋服を着て生活しているし、わざわざ削りたての鰹節を買ってきて出汁をとる……なんてこともしていません。


そんなわけで「京都らしさ」を語るほどの身ではないのだけれど(何をもって「京都らしい」というのかもわかりませんが)、
「うふふ、京都に暮らしてるんだなあ、私」と悦に入ることのできる方法のひとつとしては、地元の人御用達の老舗に足を運んで長らく愛されてきた逸品を自分の家に招き入れることかな、と思います。


たとえば自宅でのおやつ時間に、一保堂の水出し緑茶を淹れて亀廣永の「したたり」を切って添える。

それだけで「わあ~京都って感じ~♡」と私のミーハー心はいとも簡単に満たされるのです。


ちょうど祇園祭で、知人にいただいた粽も。


「したたり」は京都で過ごす初めての夏に出会った和菓子。光に透ける涼やかな見た目、口に入れるとふうわり広がる黒糖の上品な甘み、つるんとした舌触りが魅力でファンの多い名品です。


ところで食べものに関して「これはこの店で買う、あれはあの店で買う」とこだわることをなんだかかっこいいと思うの、私だけではないと思うのですよね。

「うちは漬物は村上重、お豆腐は森嘉さんって決めてんねん」みたいなセリフをさらっと言う人に会えば、ただの京都ファンの私は「おお~かっこいい~」と心ひそかに興奮してしまう。
小さな古き良きお店もまだまだ存在する京都ならではの感じがするからです。

とはいえもちろん京都にだって大型スーパーもニトリもイオンもあります。
いままで観光客としての目線でしか京都を見てこなかった私は、引っ越してきた当初「京都にもダイソーとか業務スーパーってあるんだ!」なんて新鮮に感じたものでした。
「食料品は近所のチェーンのスーパーでしか買わない」という京都人もたくさんいるはず、というかむしろそういう人の割合の方が多いとは思います。

それでも、いろいろなものに自分の定番を持っている京都人は少なくないと、やっぱり感じるのです。

それもグルメ気取りなんかではなく、あくまで暮らす中で自然とできた定番や、親やその前の世代から受け継がれてきたりした定番を。
そういうライフスタイルに憧れます。

ううん、「ライフスタイル」なんて言葉を使うのが気恥ずかしいくらい「生活」として馴染んだ定番がいろいろとあって、それが新参者の私にはまぶしく映るのです。

書いていて気づいたのだけど、要は私は京都に染まりたいのだと思う。
大好きだから、もう京都色に染められてしまいたい。
この土地で育まれてきたものと暮らしを共にしたいし、口に入れるもの、私の体を構成するものも京都産だと嬉しい、と。

そういえばわが家の近所には京都の地下水をいただける場所が2ヶ所ほどあり、そのお水でお米を炊いたりお味噌汁を作っていたりしたこともありました。
(赤ちゃんが生まれてからはさすがに汲みに行くことはなくなりましたが)


「京都色に染められてしまいたい」と言いつつ今この記事はスタバで書いているのだけど、
そんなこんなで今日も私なりの京都への愛を胸に暮らしています。



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