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意外に少ない?「産後の身体の変化」私の場合

出産を経ると女性の身体はなんらかの変化を経験する、とは出産経験のない人でも聞いたことがあると思う。


私も自分が妊娠するはるか前から「産後太り」というワードは聞き知っていたし、
ほかにも
「出産してから骨盤がぐらぐらになって……」
「産後の抜け毛がひどくて……」
「つねに疲れている……」
などなど、出産するといかなる身体の変化(それも、おもによくない変化)があるかを知人から直接聞いたり、あるいはメディアやSNSで目にしてきた。


けれどいざ自分が妊娠・出産することになり、当事者として調べてみると、意外に身体的変化を恐れなくてもよいということがわかった。


「骨盤がぐらぐらになるということは物理的にあり得ない」という専門家の声を見つけたり、「妊娠中は毛が抜けにくくなる。産後に抜け毛が増えたように感じるのは、妊娠中に抜けなかった分」らしいと知ったり。


産後太りも、食べたぶんはどんどん母乳生成にまわっているからか、まったく感じたことはない。
夫よりもりもりごはんを食べても全然太らないので「ラッキー」と思っていまは高校生並みの食欲を謳歌している。
(母乳育児が終わったあとも食べる量が減らないときに「産後太り」の悩みは芽を出すのかもしれないので、そのときは気をつけたい)

さらに不思議なことには、なぜか慢性的な疲労もあまり感じない。

赤ちゃんという、ひとりでは生きていくために必要なことがほぼ何もできない、けれどれっきとした人間であるという存在のお世話をしながら家事もして……と、

気ままな独り身のときからは考えられないくらいエネルギーを要する毎日にも関わらず、「つねに疲れている」、わけでもない。

よく「母親になると子どもに吸い取られるよ~」と聞いていたけれど、子育てをしていて「吸い取られている」と感じたことは1回もない。
(物理的におっぱいは吸われているけれど)

これはたぶん、赤ちゃんがエネルギーをどんどん私に渡してくれているからだと思っている。
そうでないと説明がつかない。

そういうわけで、産後に身体が(嬉しくないほうへ)変化してしまった、と感じたことはなかったのだけれど。

そういえば、風邪をひく頻度は確実に高くなったと思う。

思えば出産前は全然風邪なんてひかない人生だった。

以前、知人に言われたことがある。
「杏奈ちゃんっていつも元気だよね。何年もいっしょにいるけど体調が悪いところを見たことがないよ」と。

当時の私は自分が特別健康という自覚もなかったのだけれど、「『体調が悪い時がない』ってすごいことだと思う」との言葉に、ようやく「へえ、私って健康なんだ」と思った。
健康について考えなくてもいいくらい、あたりまえに健康だったのだ。

よく考えてみれば「風邪をひいてしまったので」と私から予定を変更したりキャンセルさせてもらうようなことも皆無だった。


風邪で欠席する人の半分以上は本当は風邪じゃないんじゃないか、欠席するのに一番当たり障りのない理由として便宜的に風邪だと言っているだけなんじゃないか、とすら思っていた。笑

べつに欠席する人を疑っていたわけではない。
ただ、自分が風邪というものとあまりに縁がなかったせいで、そんなふうに思ってしまっていた。

まさか「風邪をひいたので休む」ということが世の中にありふれているとは思えなかったのだ。


しかしここにきて、私も「風邪をひいたので今日は休みます」という断りの連絡をたびたび入れなければならないようになってしまった。

「風邪気味」で済むこともあれば本格的にかかることもあるけれど、年に何回も風邪の症状を引き受けるようになり、風邪というのはやっぱり、ごくありふれた不調なのだったと身にしみて感じる。


赤ちゃんはなんでも触っていろんな菌に触れ、その手を躊躇なく口に入れる。
気になったものは臆せず舐める。
そうしてときには風邪をひいたり熱を出し、徐々に免疫を獲得してゆく。

いちばん近くで赤ちゃんと触れあい、よだれだの鼻水だの赤ちゃんの分泌物に触れている私も、赤ちゃんが体調を崩せばその影響を受けることになる。

数年に1回あるかどうかだった発熱も昨年は2回、2024年に入ってからもすでに一度発熱している。


「赤ちゃんと生きるって、風邪やお熱とお友だちになるということなのだなあ」。
ごろごろとベッドで回復を待ちながら、ぼうっとした頭のなかでつぶやく。

しょっちゅう風邪をひいたり熱を出したりするのは身体的にはつらいけれど、こうして強制的にでもゆったりしたペースにさせられるのも悪くはないような。

こうして、自然にそったペースでの暮らしにシフトしてゆくのを受け入れる自分を、新鮮な目で見ている。


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