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''美山かやぶきの里'' を訪ねて in 京都。

みなさん、こんにちは!
まろです。

今回は、京都の山奥にある里
"美山かやぶきの里" を訪ねたお話を。

「小さな藍美術館」が気になり、
目指して行ってみるも冬期休業中。

この美術館が美山かやぶきの里の
敷地内にあるとは知らず、
たまたまかやぶき屋根の並ぶ
素敵な場所を訪ねることに。


ここには暮らしがあり、
保存されたり、観光地化されてしまい
味気ない場所ではなかった。

家も人も自然にも
時間が流れ、息づいている。

それが何より好きだった。

そして、茅葺屋根の
知恵が詰まった暮らしが好きだった。

そんな美山かやぶきの里を訪ねたお話。



町内には、茅葺の家が約40戸あり、
今から約30年前の1993年に
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。

日本の原風景に出会える場所として
人気になったという。


茅葺屋根は、茅(ススキ)を束ねて
屋根にしている。


日本では縄文時代の
竪穴住居の屋根になっていたりと
古来からある建築仕様。

ススキは各地の農村部で
手に入りやすく、
日本以外にも東南アジアや
ヨーロッパでも見られる。

茅葺屋根は、通気性、断熱性に優れて
"呼吸する屋根" と呼ばれており、
夏は涼しく、冬は温かい。

昔の家は家の真ん中に囲炉裏があり
その煙が防虫・殺菌効果もあったとか。

暮らしの知恵が詰まっており、
まさにわたしの大好きなテーマのひとつ。


20~30年ほどの耐久性があり、
メリットがたくさんある自然の屋根。

しかし、火災に弱いことから
日本では1950年から市街地に
茅葺屋根の家を建てることが禁止に。

葺き替える職人さんも減少し、
維持費と手間がかかることから、
日本では減ってきてしまった。

一方オランダでは、エコの観点から注目され、1990年には法改正を行い
市街地にも新築されているとか。

その土地の暮らしや文化は、
外部からの流れや刺激はありながらも、
できればその土地の人が主体で
循環して持続したらいいなぁと思う。

誰がどんな風に支えているのか。

どんな仕組みやシステムや、
資金や資源の循環や、
人々の気持ちが合わさっているのか。

上手くいっている場所と
そうでない場所の違いは何か。

その土地ごとに
地理も社会的にも背景はさまざま。

どうやったら実現できるのか、
と思いを馳せながら、もっと知りたくなり
その土地の暮らしや文化について調べていく。

時代の大きな流れや変化を受け入れながら
新しいものに抗わず、上手く味方につけながら
どう共に暮らしていくか。
1人勝手に、そんなことを考えてしまう。


畑をしているご夫婦に挨拶すると
いろいろ教えてくれる。

今は玉ねぎを植えていて、
隣の白菜は立派に育ちすぎたと笑う。

茅葺き屋根の暮らしについて聞くと、
彼らの家はちょうど最近
葺き替え直したという。

20年から30年ほどもち、
上の木が劣化してきたら
そのタイミングで葺き替える。

1ヶ月ほどかけて職人さんが
葺き替えてくれるそうで、
2割は自己負担、8割が市が負担する。

維持費が大変で、
年金暮らしの方々にとっては
茅葺の家で暮らすのを続けるのが
難しくなってきているという。

たしかに、職人さん2人に
1ヶ月間もやってもらいお給料をとなると、
かなりの額になるだろう。

少し調べてみると、
何百万とかかりそうだった。

なので、今は瓦屋根の家も
少しずつ増えているという。

茅葺き屋根が、
直後から20年も経った屋根もあると
教えてもらってみると、

さっきまでの''茅葺き屋根''が
違う表情で飛び込んでくる。


茅が揃っていてキレイなもの、
少しずつ苔が付き出して色が変わってきたもの、
20年が経ち、すっかり苔むしているもの。

屋根にも息吹を感じ、
時間が流れている。

洗濯物が軒先にならび、
古くも手入れされた日常の道具が並ぶ。

暮らしが息づいていて、残っている。


家や里自体が見所で、公道ではあるものの、
お家の周りをぞろぞろするのも
申し訳ない気持ちもある。

歩かせてもらって大丈夫かと聞くと、
大丈夫だよ、と言ってくれた。

30年前に文化遺産に登録されてから、
それまでは当たり前に普通に感じてた土地に
観光で来てくれる人が増えたと。

こうして来てくれて
お話できるからうれしいと言ってくれた。
春には桜がキレイだよと教えてくれる。

洗濯物が見えたり、
窓からコタツが見えるお家もある。

観光客の話し声や騒音もあるだろうし、
プライベートもなくなってしまう。

そうならないよう、
生活の邪魔にならないように、
少しだけおじゃまさせてもらう。

若者が20人ほど集まって
川で何か作業をしている。

聞くと、大学生で半年に1回ほど
側溝のどぶ掃除の
ボランティアに来ているという。

街のコンビニのお兄さんからも
美山の地元への愛が伝わってくる。


火事が起きたときにすぐ消せるように
スプリンクラーの一斉点検の写真や、
雪灯篭の写真を見せてくれる。


公式HPをみると、
冬は雪が1mも積もり、厳しい冬は
お客さんが少なくなるという。

そんな中で来てくれるお客さんを
集落でおもてなししようと始まったらしい。
今では美山の里の名物の景色の1つで、
とても美しい。

(雪灯篭のサイトはこちら。
とても美しいのでぜひ見てみてください!)

地元の足利フラワーパークも、
冬はお花がどうしても少なく、
冬に来てくれたお客さんにも
たのしんでもらえるようにと、

お花の形のライトアップをはじめ、
今では日本の冬のライトアップの
大人気な場所のひとつになっている。

そんな優しさと心粋がステキだなと思った。


目の前の蕎畑でとれたお蕎麦が
そこで食べれるよと教えてくれ、
ちょうどお昼をそこで食べたよ、と話したり。

目を引く素敵なスケッチの
ポストカードが並び、お土産に選んでいると、
近くの大学の教授が調査をしにきたときに
この集落を歩きながらスケッチしたものと
教えてくれる。

工具が並ぶ可愛いものもあり、
これもこの里のいろんな所にあり
実際に茅葺き屋根の手入れに
使われているもののスケッチとのこと。


明るく優しいお蕎麦屋さんに、
畑のご夫婦に、集落のコンビニのお兄さん。

ここで出会った人々は、
ここの里が好きで、
暮らしをたのしんでいるように見えた。

わたしも大好きな場所の1つになった。

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最後まで読んでくださり、
ありがとうございます!

美山の里の公式HPはこちらから。
ぜひ気になった方は見てみてください。

雪灯篭のタイミングや四季折々で、
わたしもまた訪ねたいと思える
とても素敵な場所でした。

では、また!


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