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「どこを切ってもナボコフだらけ。この『アーダ』は、ナボコフ度200パーセントと言ってもかまわないほどだ」『アーダ〔新訳版〕』若島正・訳者解説、全文公開 Part 1
ウラジーミル・ナボコフ『アーダ〔新訳版〕』 訳者解説 Part1(全2回) 若島正 本書は、1899年にロシアに生まれ、ロシア革命が起こってから、主にベルリンを中心とするヨーロッパでの亡命生活を経た後、1940年にアメリカに渡り、ロシア語作家から英語作家へと転身した稀代の多言語作家ウラジーミル・ナボコフの最大の長篇 Ada or Ardor: A Family Chronicle(1969年)の全訳である。底本としては、後でもう少しくわしく述べることになるが、1