「猫のゆりかご」（Cat's Cradle）は、アメリカの作家カート・ヴォネガットによるサイエンスフィクション小説で、1963年に出版された。この小説は、文学的な洗練さと風刺的な要素を組み合わせ、ヴォネガットの代表作のひとつとされる。

物語は架空のカリビアン島国サン・ロレンゾを舞台に、主人公のジョン（別名：ホーシャ・バクスター）が、原爆の発明者である科学者の博士フェリックス・ホーンティーンとその家族と関わりながら、世界を取り巻く様々な出来事を追いかける形で進んでいく。

小説は冷戦時代の政治状況や科学技術の進歩、宗教的なテーマに対する風刺が含まれており、複雑な構造やユーモア、シニカルな視点が特徴だ。物語は、「アイスナイン」と呼ばれる物質や、新しい宗教「ボコノニズム」など、独自で奇抜なアイデアで満ちている。

「猫のゆりかご」は、人間の愚かさや現実の矛盾に対する風刺が込められた作品で、一般的にはサイエンスフィクションだけでなく、文学的な傑作としても高く評価されている。