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バタフライ・ペタル(花びら)・グリーンパロット(緑のオウム)

5,044 文字
これは何だか知っていますか?
これが何をするものか分かりますか?
これは正式名称《ПФМ-1》(PFM-1)
通称「バタフライ・マイン」「ペタル(花びら)」「グリーンパロット(緑のオウム)」と呼ばれる地雷です
2022年の3月半ばから、ウクライナでたびたび発見報告されるようになりました
まず、ソ連の退役軍人によるPFM-1への警報記事を紹介します

注意!致命的な PFM-1 バタフライ地雷(2022/3/30)

まさか自分が対人バタフライ地雷について書くことになるとは思ってもみなかった
初めて見たのは1989年の訓練場で、当時は地雷の存在を教えられ、生い茂る草の中で、それを見つける訓練を受けていた
その時に、この地雷がジュネーブ条約をはじめとする軍事条約で禁止されていること、その使用が国際的な犯罪行為であることを学んだ
訓練担当教官の少佐によれば、アフガニスタンでの戦争当初は広く使われていたそうだ
小さな子どもが足をちぎられるのを見るのが非常に残酷で、後に禁止されたという

注:実は、PFM-1は米軍兵器のコピーである。米軍には「ドラゴン・トゥース」と呼ばれるオリジナル版、 BLU-43 があった。米軍はこれをベトナム戦争(1955年)で開発し、使用している。

当時、戦争は遠い別世界のものだった
しかし今、2022年、私の故郷ハルキウに、オークたちがこの地雷をばらまいている
彼らの「最新」技術である、遠隔地雷投下システム「ゼムレデリー」でクラスター弾を飛ばしているのだ

注:ロシアはPFM-1を大量散布する兵器を、自慢気に説明する番組すら製作している。
この番組の説明によれば、このトラック1台の出撃で12,960個のPFM-1を散布できるという。

これは大量虐殺であり、人道に対する罪以外の何ものでもない
これらの事実は、ロシア人ファシストたちの不謹慎さと陰湿さの証明でしかない
彼らは非人間的な犯罪者であり、テロリストだ
このような犯罪は許せない

今日、子供や大人、お年寄りを苦しめる目に見えない敵、この致命的なミニ・トラップについて説明します
子供も大人もお年寄りも傷つけ、一生動けなくしてしまうこともあるのです

バタフライ地雷の開発の歴史

地雷は19世紀後半に普及し、20世紀にはほとんどの先進国で戦争に使用されるようになった
当初、地雷は通常、爆発時に1人または数人が死亡する程度の威力があった
しかし、次第に地雷は小型化され、敵の兵士を負傷させるだけのものになっていく
これは、兵士が負傷すれば、他の兵士が世話をしなければならず、死亡した場合よりも多くの資源を使わなければならないという考えからだった
さらに、恐怖心をかきたて、攻撃を抑止する効果もあった
ソ連は1950年代から、航空機で投下できる小型の対人地雷の開発を始めた
ソ連が開発した対人地雷の中で人気があったのは、PFM-1という対人地雷である
小型でプラスチック製で、ソ連の工場で大量生産でき、ほぼ無限に使用できた
当時、この地雷には「グリーンパロット(緑のオウム)」「バタフライ・マイン(蝶々爆弾)」「ペタル(はなびら)」など、いろいろな名前がついていた
最も不吉なのは「ソ連の死の玩具」という名前だった

どこで使われた地雷なのか?

バタフライ・マインは、1973年のイスラエル・シリア紛争で初めて使われた
最も多く使われたのはソ連によるアフガニスタン占領時代だ
10年間の占領期間中、何百万個もの地雷が、例えば山道や道路で、敵兵を罠に掛けるために使用された

敵の武装勢力が国境を越えるのを防ぐため、国境地帯にも使われた
1989年にアフガニスタンを離れたソ連軍は、「ささやかな贈り物」として、余った地雷を道や道路にたくさん放ち、そのほとんどが今も残っている

誤って踏んでしまう人を待ち受ける小さな時限爆弾だ
ウクライナは、勝利の後に、「解放者」からのこの恐ろしい「プレゼント」を探し、無力化しなければならない
地獄に墜ちろロシア軍め!

PFM-1はどんな形?

その名の通り、蝶々やオウムのような形をしている
薄い部分と厚い部分の2枚の「羽」がある

厚い部分には液体爆薬が入っていて、薄い部分は高所から落下する際に安定板として働く
地雷の構成はほとんどがプラスチックで、金属部品は2枚の羽の間にある小さなアルミの導火線だけだ 色は緑が多いが、使用する地域に合わせて茶色や白などの色もある

長さは61mm、幅は最大で20mmしかない
地雷の総重量は75g
そのうち37gが爆薬そのものだ

どうやってばらまかれるのか?

地雷は、36個の小さな地雷が入ったディスペンサーに入れられ、配備される
このディスペンサーの中では、地雷の導火線に金属製のピンが取り付けられており、爆発を防いでいる

もちろん地雷全部が爆発するわけではなく、多くは無傷で地面に落ちているだけだ
そのせいで、軍だけでなく民間人にとっても新たな脅威となる

PFM-1は、非常に繊細な対人地雷だ
わずか5kgの加重で爆発するため、小さな子どもでも危ない
プラスチック製のカバーが変形することで爆発する

靴で踏んだり、石を投げつけたりすれば十分なのだ
爆発は小さいが、足や腕を切断するには十分な威力がある
この地雷の別バージョンが、後にPFM-1Sという名で開発された
新型地雷は、配備後24時間で自爆するようになっている
しかし、確実に24時間で、敵が地雷原を出るとは限らず、オリジナル版ほど有効ではなかった
新型がオークの軍需品倉庫にどれほど残っているかは誰にもわからない

地雷配備の悲惨な結末

アフガニスタンには、現在も約100万個の地雷が残っていると推定されている
そのほとんどがPFM-1型だ
1978年のソ連侵攻後、約3万人のアフガニスタン人(その多くは子ども)がこの地雷の犠牲となった
なぜ、これほど多くの子供たちが地雷の犠牲になっているのかと不思議に思われるかもしれない

子どもたちはこれをおもちゃだと思うのだ
この地雷のカラフルな外観と小ささは、鳥や蝶のおもちゃに似ていて、子どもたちの興味を引く
また、他の対人地雷と違い、非常に感度が良いので、体重のない子供でも簡単に起爆させてしまう
この地雷は、映画「第9の中隊」でも見ることができた
この映画から該当部分を切り抜いた

ウクライナでどれほどバラ撒かれたかはまだわからない
しかし、注意する必要がある
子供たちに地雷のことを教え、未知の物体を拾わないように警告してください
そうすれば、子どもたちを守ることができます

バタフライ地雷を発見し、解除するのは簡単なのか?

多くの人が疑問を持っている
なぜ、この地雷はいまだに禁止されず、撤去されないのか?
第一に、撤去は高価であり、コストがかかる
第二に、大量に造られすぎて、倉庫にあり余っている
ウクライナでも、まだ軍の倉庫に眠っているのだ

注:ウクライナはオタワ条約への加盟により、保有するPFM-1を含む対人地雷は全てリストアップされ、保管場所が報告され、国連の委託した監視団によって監視されていた。ただし、2月24日以降、その保管場所はロシア軍の支配地域(ドネツク・ルガンスク)となっている(2022年11月27日時点)。

結局のところ、単に忘れられたり、書類が失われたりする可能性があるので、棚の上で眠っている
しかし、露のファシストたちは、そろそろ使おうという気分になったようだ

このような地雷を解除するのは簡単だろうか?
アフガニスタンの地雷除去の例で説明しよう
ソ連軍が撤退して30年以上たつが、地雷除去は今も続いている
地雷除去隊が現地に到着すると、まず地元の人に聞き込みをして地雷原の可能性を探る
小型で軽量すぎて、発見が困難なのだ
また、この地雷は雨や雪解け、地滑りなどの自然現象で移動する
そのため、地元の人でも気づかないうちに地雷原が移動していることもある
それで、地雷除去チームの努力はさらに困難なものとなる

また、地雷のほとんどがプラスチックでできていることも大問題だ
つまり、地雷を探すのによく使われる金属探知機で見つけるのがかなり難しいのだ
地雷を発見するために、オペレーターは機器の感度を大幅に上げなければならない
感度を上げると誤検出が多くなり、金属地雷を探すより、さらに時間とコストがかかる
また、プラスチック製のバタフライ地雷は腐食しないため、鋼鉄製の地雷のように経年劣化で壊れにくいという問題がある
特に乾燥した気候のアフガニスタンでは、解除されるまで地雷が作動し続ける可能性があった

また、地雷は峠道や公道沿いに敷設されることが多い
交通量の多い場所に設置される
峠道の多くは山越えするための唯一の道であるため、危険を承知で利用する現地の人は多い
ウクライナでは人口密集地にばらまかれており、さらに事故のリスクが高い

最新の地雷探知技術

技術の進歩に伴い、地雷をより早く、より費用対効果の高い方法で発見することができるようになってきている
そのような技術のひとつが赤外線カメラだ
現在、地雷除去チームは、赤外線カメラを搭載したドローンを使って地雷の位置を特定している
主にプラスチックでできているため、熱を発し、その温度は周囲の地面の温度と異なっているのだ
特に、暑くて砂地が多い地域では、夜になると砂が急速に冷え、プラスチックが長く熱を保つので、地雷除去チームはこの地雷の位置を特定できることがある
この新技術はどこでも使えるわけではなく、とても完璧とは言いがたい
しかし、従来の方法よりもはるかに速く、正確に探知することができる
今後も技術の進化に伴い、さらに効果的な地雷探知技術が登場する可能性はある
注:多くの人々が新たな地雷除去技術の開発に取り組んでいる

蝶の地雷を見つけたら、どうしたらいいですか?

発見しても、自分で解除しようとしないでください
発見した場所を柵で囲い、関係する保安機関に連絡し、近所の人に危険を知らせてください
地雷について話し、写真を見せてください
子どものスマートフォンにバタフライ・マインの写真をダウンロードし、そのようなものを拾わないように、歩くときは足元を見るようにと注意してください

子どもたちが地雷について知れば知るほど、地雷の被害に遭う危険性は低くなります
子どもが遊んでいる遊び場に危険なものがないか、注意深く点検するようにしましょう
注意深く、用心深く!
あなたの行動と注意に、あなたと子どもの健康がかかっています

侵略者は意図的にバタフライ地雷を設置しているのだろうか?
確かに言えることは一つだけです
ウクライナ軍の反攻を阻止し、距離を置き、迅速な移動と再編成を妨げる目的があるということです
もちろん、これは占領軍の名誉にはなりませんが、民間人とでさえ戦争をしているので、ロシア軍には名誉や良心について語る余裕が無いのです
オークは、ウクライナの都市や村の民間人を威嚇したいのです

GRAD、トルネード、巡航ミサイル、航空機による絶え間ない砲撃と爆撃でも、ウクライナ国民の精神を打ち砕くことはできなかった
我々は、ロシアのファシストたちを人としての尊厳を失わずに撃退しています
だからこそ、彼らはこのような卑劣で陰湿な行為に出ているのです
しかし、それでも勝利は我々のものです
なぜなら、我々は我々の土地にいて、自分の家にいるからです
ウクライナに栄光あれ 2022年 3月30日
(終わり)

この警告情報がネットで公開され、約8カ月経った2022年11月27日までに、起こったことをわずかばかり記しておかなければならないだろう

ネット上では、今日もロシア軍報道官、ロシア政府高官、ロシアのプロパガンディストたち、そして親露派ネットトロールたちが「ウクライナ軍がPFM-1を散布している」というニュースを発信し続けている
しかし、オタワ条約を加盟し、保有数、保管場所を報告し、監視下にあり、しかも2月24日以降、その保管場所の占領されているウクライナ軍がPFM-1を散布することは不可能だと考えるのが妥当であろう
つまり、ありきたりなロシアのフェイクニュースに過ぎない

4月にロシア軍がキーウから撤退した後、9月にハルキウから撤退した後、11月にヘルソン市から撤退した後、ウクライナが支配を回復した、いずれの地域でも多くの地雷が発見され、除去作業が続けられている
(終わり)

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参考のため、発見された地雷の画像・動画等の情報リンクを残します
(随時追加するつもりです)


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