見出し画像

今年もまた…

玄関先でガサゴソと音がする。
誰か居るのかと思うほど、大きな音が響くことがある。
どうやら我が家の亀が目覚めたようだ。
桜の咲く春先は、まだ気温も肌寒く、あまり動くことも無かったののだけど、暖かいを通り越して暑ささえ感じる今日この頃、随分と動きが活発になってきた。
口元にエサを運んでやると、少しずつ食べる。これから夏にかけて食べる量が徐々に増えていく。人影を見ると寄ってきて首を伸ばす仕草が何とも可愛らしい。
表情が無いはずの爬虫類だが、にこやかに笑っているように感じるのは気のせいだろうか。
冬の間、また一回り大きくなった気がする。
のんびりと亀のように生きてみたいと思うこともある。
日々の気温の移り変わりを感じながら、天寿を全うするその日まで過ごすのも幸せなのかもしれない。

それにしても随分と夜明けが早くなった。
夏至の日から換算すれば、お盆の頃と日の長さは変わらないはずなのだけど、晩夏から初秋にかけての暮れゆく感じとは違い、これから芽吹いて行く活力のようなものが感じられる気がする。
あっという間に桜も散り、街路樹の木々にも葉の緑が眩しく感じられるようになってきた。
ついこの間まで冬の装いだった街が、一気に初夏へと変わったように思う。

夜明けが早くなったおかげで、風景がよく見える。
小高い丘の上のほうまで家々が立ち並んでいるのがわかる。
郊外では住宅造成地なのか、木が伐採されて斜面が削られている。
空き地のままの宅地も見かけるというのに、そんなに住宅需要があるのだろうかと思う。
少子高齢化社会の到来で、これから人口が減少していくというのに、ここに家を建てるのはどんな人たちなのだろう。
あの丘の上に住んでいる人たちも、やがて年老いて動けなくなったら、あんな高いところで生活するのは大変だろうに。
そんな余計なことを考えながら、ハンドルを握るのだった。

首都圏郊外のニュータウンで起きている出来事が、半世紀を過ぎて地方主要都市に波及しているのかと思うと、この先が不安になる。
まだバブル期の続きをやっている。そんなふうに思う。
それについても改めて記したいと思うのだけど、まずは雑感を書き綴る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?