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【DID/VCユースケース】年齢確認と省人化


こんにちは!Recept代表の中瀬です。

本日はDID/VCで取り上げられる、年齢確認というユースケースに関して、事業者へのヒアリングから感じたことや、海外の事例について触れたいと思います。


飲食、小売業界などの年齢確認にまつわる課題感

コンビニとかでは無人レジが導入されていて、皆さん一度は使ったことがあると思います。

実はアルコールやたばこの販売には対応できていなくて、友人レジに並ぶまたは、店員さんが確認しに来るようなオペレーションになっていたりします。

また、飲食店などでは未成年飲酒、及びトラブルを防ぐべく、入店時や注文時の年齢確認を努力義務として行っています。

ある店舗では、有資格者のみが入店対応をするような運用になっていたり、注文時のディスプレイパネルに20歳以上ですか?ボタンを設けていたりします。

ちなみに誰でもボタンを押せば注文できるようになっているのでほぼ意味をなしていないです。


業界によって姿勢は異なる

ヒアリングの過程で、かなり年齢確認に関してデジタル化を進めようという姿勢であったり向き合う課題が異なるのかなと感じています。

実際に無人レジが導入されているような小売店舗だと上記のような、店員さんがわざわざ走ってくるオペレーションになっていて消費者レベルで非効率さが出ていて、事業者側の課題感も感じました。

以下のような記事も存在します。
マイナンバーを使った年齢確認というところですね。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15486/

DID/VCならQRコードとかでできるので案外無人レジへの組み込みはマイナンバーより平易な気がします。

一方で飲食だと取り組むモチベーションが低かったりします。(勝手な印象ですが)

中小レベルだと、そもそもお客さんの判断にゆだねている人が多く、大企業だとしても、現状怪しい人に対しては年齢確認をやっているというレベルでそれを厳格化したいということはなさそうでした。

わざわざ年齢確認をデジタル化するようなソリューションを入れて、現場のオペレーションが特に変わらなかったり、厳格化したところで特に経済効果が生まれないというのもありそうです。


オンラインにおける年齢確認

実はECサイトなどでのお酒の購入はがばがばだったりします。

https://sake-office.com/jirei09.html

アダルトサイトとかもガバガバで、オンライン上の年齢確認は基本ボタンを押せば突破できますよね。

こんな議論もあったようです。

https://p2ptk.org/freedom-of-speech/4374

デジタルサービスを受けるうえで個人情報盛り盛りの運転免許証の提示が必要であることはもちろん体験の低下にもつながりますし、プライバシーの問題もあります。


オンライン年齢確認におけるDID/VC

DID/VCの技術を使っていけば、オンラインにおける年齢確認というのはもっと簡素になると考えています。

なぜならば、スマホに入っているデータのうち、生年月日だけを提示することができればそれで済むからです。

もちろん発行者が誰であるかは大切で、これはekyc業者であったり、銀行や、免許証を発行している機関(警察とか)だったりすると思います。

この技術を活用すれば、まずプライバシー盛り盛りだから危ないよね、の議論は突破できる気がしていて。

後は事業者側に取り組むメリットを出していくか?というところだと思います。


海外事例

trinsicが出しているサービスでも年齢確認のオンライン化に対応しているようです。

https://trinsic.id/age-verification/

実際の例で行くと、下記のニュー・サウス・ウェールズ州というオーストラリアの州では酒類のオンライン販売における年齢確認の厳格化に伴い、プライバシーの配慮が必要となりDID/VCを用いた実験が行われたようです。

https://www.nsw.gov.au/nsw-government/projects-and-initiatives/nsw-digital-id/nsw-digital-id-journey/proving-youre-over-18-digital-age

この辺の法律など、未成年飲酒に対する感度は海外の方が高いような気もします。

私がカナダにいたころはお酒を外で飲んではいけなかったりしていましたし。


まとめ

以上、私がヒアリングを通じて何となく感じたことを書きました。

本当はもっと書きたかったのですが色々特定につながったりしそうで、内容がフワッとしていたらすみません。

導入メリット(ある種の業務性)は大事にしながらも、定量的な結果を出しつつ働きかけていくのが一番いいのだろうなあと思いながら実装をする日々でした。


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