Yata∞Aska 〜生みのよろこびの日々〜

「ただただよろこびのなかを生きなさい」 ものがたりの始まりに現れるトリックスターの言葉…

Yata∞Aska 〜生みのよろこびの日々〜

「ただただよろこびのなかを生きなさい」 ものがたりの始まりに現れるトリックスターの言葉は「生みだす」力をもっている、のだと思う。 7年がたった今、飛鳥の地で新たな生活が始まっている。過去・現在・未来にある、生みのよろこびの日々への感謝を綴る。

最近の記事

蔓植物とちょびっとだけ天然ヘチマ水

子どもの頃、母の化粧台に置いてあるヘチマの化粧水をこっそり手にとってパシャパシャと顔につけてみると、なんだか大人の女性になったような気がしていました。しかしながら、説明はよく読まないと。。 ******* Yataの家は道路から少し高台になっていて、道路との間に一段おりられるスペースがあり、地面は小さな畑になっているのだけれど、その壁面の一部を蔦が覆っている。よく見てみると、壁面がむき出しになっている部分にも、蔦の枯れた古い幹が残っていて、もともとはすべての壁面を蔦が覆っ

    • ネプチューンが凧揚げをして祈る中秋の名月

      中秋の名月の早朝、わたしの家では先祖供養の祭事があり、海のもの山のもの、4本足の動物や鳥、野菜、穀物、果物、お菓子、甘いもの、辛いもの、酸っぱいもの、あらゆるご馳走を並べて、ご先祖様を迎え入れ、お酒をふるまい、豊穣への感謝を祈ります。 ○○○○○○○ せっかくなら飛鳥の果物をお供えしようと思っていたのだが、なぜか、お昼ご飯を食べたら眠ってしまい、夕方、直売所へいくとほぼほぼ売り切れてしまっていたという痛恨のミスをおかし、かろうじて、今週、朝に拾いつづけた裏山の栗だけ、Ya

      • 家の原風景

        安全基地としての自宅が、どのような空間になっていくかには、記憶の中の原風景が影響しているように思います。居心地の良い空間と生活とを追求した先にどんな世界が待っているのか、家との対話を楽しみながら、日々を暮らしています。 ******** Yataの家に住む前は、大阪空襲で焼け残った戦前の古民家が立ち並び、セルフビルドのカフェやギャラリー、アングラな雰囲気のなにをやっているのかよくわからないスペース、古い雑居ビルの古着屋さんなど、昼間はとても賑わうが、20時頃になるととたん

        • Yataの家

          「いまいるところから一歩進んでみなければ、次の風景は見えないよ」 ∞∞∞∞∞∞∞∞ いつも突然やってくるリボーンさん。彼はもともと、私でも知っている有名な割烹からの独立、そして、長らく、小さな村にほぼ一軒しかなかった自然食レストランをキープし、パンデミックの頃、さまざまな事情でレストランをたたみ、その後、ハーブの栽培とオイルの抽出、狩猟、ヒーラーへと転生を続けている。 私がYataの家と出会うきっかけをつくってくれたのは彼で、ある日、狩猟のベースに向かう、電車の中でリボ

          明けの明星

          金星と地球はほぼ同じサイズで、「姉妹星」と言われています。けれど、私たちが住む地球と違って、金星の表面は500℃近くの高温なうえに大気のほとんどは二酸化炭素、おまけに濃硫酸の雲に覆われているので、生きるために酸素が必要な人間にとって、住環境としてはとても過酷な惑星のようです。 ******** 「明けの明星」を認識したのは、アメリカで。時差のせいで朝早くに目が覚めてしまい、毎朝、「明けの明星」を眺めた。平原に住む北米の先住民の人たちは「明けの明星」を模したスターキルトをつ

          蓬とお肌の形状記憶

          6月くらいまでの春の蓬は柔らかく、強い薬効があり、冬の間に溜め込んだ毒素のデトックスをしてくれるそうです。夏にはぐんぐん成長し、背を伸ばし固くなり、葉は細くなっていき、花を咲かせます。秋の蓬は乾燥させてお茶にすると、日々、飲むことができます。 ******** 2021年5月5日、Yataの家で初めて、 蓬の生葉をホワイトリカー(1L)につけた。 私は超虚弱体質で生まれ、しばらくの間、ケースの中で青い光を当てられながら育ち、その後も喘息とアトピーがひどく、幼稚園にはあまり

          生きようとしていた私

          いつも、自分自身の内側から始まる違和感が自身を脱皮させ、外側の変化がもたらされることで新たなステージの扉がばーんと開いてきました。そして、次の混沌が近づいてきていることを感じながらも、束の間に訪れる静寂の時間には、運命の輪を客観的に眺めては、サイコロを手に握ってニヤニヤしている自分がいたりします。 ∞∞∞∞∞∞∞∞ 屋久島から帰りたくなくて涙が止まらず、心に湧き上がるものを強烈に感じたあの日、平和でのんびりとした時間のなかで、守られてニコニコとそこにある女性たちと、「一万

          ONE PIECE

          外側からやってくる刺激にインスパイアされて始めたことが、いまとなって思えば、コアにあったものと繋がっていました。 ******** 大学で勤めていた頃、私はあるゼミを密かに「アニメ同好会」と呼んでいた。おそらく、ゼミで集わなければ、言葉を交し合うこともなかったかもしれないと自分たちで口にする、それぞれ個性的な子達で、自身や互いを「インキャ」「ヨウキャ」と表現しあう、男の子たちばかりのゼミ。 自分の好きなこととソーシャルワークを関連させて話題提起するという課題に対しての彼

          種〜乙女座のシーズン〜

          私が学んだ星読みの世界観では、「種」というと「乙女座」を思いおこします。変化と土のサインである乙女座は、物質的な世界でのものごとの完成を夢見て、「種」から芽が出て茎をのばし葉をひろげ花を咲かせて実がなり「収穫」のときを迎え、次のサイクルをおこすための種を選別するといった一連のプロセスを着実にすすめていくことにエネルギーを注ぎます。 ******* 昨年の10月、鹿児島に住む友人宅を訪れた。「星の家」と名付けられたその家は、桜島を目の前に内海があり、引き潮のときには延々と歩

          完璧な世界のつづき

          子どもの頃は、笹でパンダの食事をつくったり、家の前の溝に笹舟を浮かべたり、虫を観察したり、空想のお話をつくったり、絵を描いたりすることが好きな、おかっぱ頭の子どもでした。 ∞∞∞∞∞∞∞ クマのぬいぐるみにヒモをつけて連れ回し 虹を追いかけて 顔を真っ赤にして走る いつも一人だったけれど わたしの世界はいつも完璧だった ただただ 幸せな時間 いつのころからだろうか まわりにある世界に うまく馴染めないわたしに気付き 関係性の中での役割を演じるようになった わたしはわ

          人生の伏線回収

          人生には無駄なことはなにひとつないのだと思います。その時はわからなくても、ひとつひとつ、いつか伏線の回収をしていくような時がやってきます。 ******* 20年ほど前、初めての失業の際、雇用保険で受けることができる様々な講座の中から、AdobeのIllustratorとPhotoshop、Flashを学ぶコースを選び、3ヶ月ほどスクールに通ったことがあった。 その時は、設計事務所で働きながら続けていた通信制の大学も終盤で、まだまだ若く、ソーシャルワーカーを目指しながら

          梅の木

          自分の眼で認識できていないものも、この世には存在しています。知らないところで生の営みはたんたんと行われていて、何かの影響を感じた時に、ようやく認識へと変わり、観察することを通してそのものとの深い関わりが始まります。 ******* Yataの家には大きな古い梅の木がある。最初に家を見に来た時にはあったはずの木が、お借りする頃には何本か切られてしまっていたのだけど、この木はそのまま残されていた。 最初のうちはどこにどんな木が生えているのかわかっていなくて、母が訪ねてきては

          梅雨の晴れ間に

          風が降ったら遅刻して、雨が降ったらお休みで、、とは、南の島のハメハメハ大王の歌でした。 ******* 毎日、仕事へ出ていた頃と、Yataの家へ移り住み、多くの日を自宅で仕事をするようになってから、一番大きく変わったのは、特に、雨が続く梅雨の時期。その日の予定が、天候によって決まることが多くなった。雨が続く間は家の中での仕事ははかどるけれど、外の作業をすることができない。 梅雨は晴れ間が少ないので、その分、晴れたら一気に外の作業をする、ようにしている。時には、雨が降って

          ラバンディン・グロッソ( Lavandin grosso)

          ラバンディングロッソは、蜜蜂がいわゆるラベンダーと耐暑性の高い種類のラベンダーの花粉をまぜこぜに運ぶことによって自然交配して生まれた種と言われています。はい。ラベンダーだとすっかり勘違いして購入したものです。ラバンディンの属名はラテン語の「lavo(洗う)」に由来。 ラベンダーと言えば、リラックスと安眠のハーブ。でも、このラバンディングロッソは香りも効用もスッキリサッパリ。成分としては、シネオールもカンファーもラベンダーより強いので、ガツンとした作用がおこり、逆にリラックス

          ラバンディン・グロッソ( Lavandin grosso)

          積み残し

          いつかはやってくる、積み残してきていることに取り掛かる瞬間。ずっと気にはなりながら、見て見ぬふりをして、このままでもいいかと忘れてしまいたいことも、時間の経過とともに、その時は必ずやってきてしまいます。 ******* 長く強い雨が続いた朝、いつものように起きてきて外をみると、外に放置していた木のテーブルが崩壊していた。 それは、Yataの家に引っ越してくる時に、友人から譲り受けた古いもので、木製で折りたたみ式になっている、大きくて重いテーブル。移動させるのも一苦労な重

          苺と古傷

          心もそうですが、身体にも記憶があり、昔々でも痛い思いをしたところには、痛みと恐怖の記憶がそのまま残っていることがあります。その時、どれだけ適切な対処をすることができたかどうか。根本のところに触れないままにいると、何年も何年も、その傷を覆う様に細胞が育ち、目に見えない歪みをつくりだしていきます。 ******* 牡牛座の新月の朝、ご近所さんのお友だちが苺を届けにきてくれるという知らせが入っていた。その人(以下、イチゴさん)とは、私が朝鮮半島のルーツを訪ね歩いていた頃に、たま