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【大人の金融リテラシー】手の出しにくい相場

本日は3月3日です。

昨年の大納会で、3万3464円だった日経ダウが、今や4万円時代を迎えようとしています。

大きな利益を手にされた方もおられると思いますが、反面未だに買えていないという方も多く、それがさらに上昇を続ける見込みの根拠ともなっています。

実は私も買えていない一人です。

日本証券業協会の規則により、金融機関に従事している場合は、投機的利益の追求を目的として有価証券の売買その他の取引等をすることが禁止されています。

私がいた証券会社では、株を買っても、3ケ月間は売却できませんでした。

「短期の売買」が「投機的利益の追求」に当たるということです。

年初に買っていれば、大きな評価益が発生していたかも知れませんが、売ろうと思っても売れないのです。

退職して良かったと感じることのひとつが、このような制約がなくなったことでした。

晴れて自由に証券投資が出来るようになったのですが、、なかなか手が出ないのです。

株は上がることもあれば、下がることもあります。

単純に下がったところを買って、上がったところで売れば利益を得ることができるのですが、押し目らしい押し目もなく、ここまで上がると買うチャンスを失うことになります。

このような相場は、長きに渡る証券マン生活の中でも未経験のことでした。

バブルのときとよく比較されるのですが、バブルのとき株価は上昇しながらも、様々な指標は過熱感を示していました。

従って、大暴落をしたときに驚きはありましたが、納得感もありました。

ただ、今回は過熱感はなく、割高感もないと分析する専門家が多いようです。

このような相場は私も未経験です。

「いつか下がるだろう」「下がったときに買おう」と思っていたところが、下がらないので買い場がなく、あれよあれよといううちにここまで来てしまったという感じです。

「ここまで来ると怖くて買えない」というのが本音です。

ベテランの投資家の方ほどそのような傾向が強いように思います。

逆に年明け早々に、新NISAで初めて証券投資を始め、とにかく「何か買ってみよう」と日経のINDEX投信などを買った方は、ビギナーズラックと言われているかもしれません。

これからの株式相場が上がるか下がるかという話はここではしません。

ここであらためてお話ししたいのは「リスク」と「自己責任」ということです。

株に限らず、証券投資の多くはリスクを伴います。

将来的に被害が発生することも想定したうえで、参加しなければなりません。

今回驚くような上昇を見せた日本株も、いずれは同じくらいやそれ以上に下落するかも知れません。

常にそのことは想定しておく必要があります。

また、自身が判断のうえ取引をしたのであれば、それは「自己責任」です。

その責任を「他人に押し付けない」ことが大事です。

そのためには、「自分で選ぶ」か、他人のアドバイスを受けるなら他人のアドバイスを理解出来るだけの勉強をして「納得をする」ことです。

責めるとすればそれは自分であり「自己責任」ということです。

また、下がったときに動揺するのはあらかじめ想定していないからです。

動揺すれば、そこが底ではないかと思ってもなかなか手を出す気になれません。

想定していれば、動揺も少なくなります。

次の策を考えることも出来るかも知れません。

このような相場環境のときこそ考えておくべきことではないでしょうか。





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