ちゅんちゅんちゅんかー

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最近の記事

片を付ける

季節の変わり目にともない 子ども達の衣替えをしようと 荷物の整理しているときの事 上の子が去年使っていたが サイズダウンしてしまいもう 使えそうにない帽子にガーゼ お祝いのタオルとたくさんの 思い出の品が出てきたのだ 私にとってはどれも大切な物で 思い出と共に思い切って捨てるには 少し、いやかなり時間が必要だった それでも一つ一つにサヨナラをし 次に手に取ったのは息子二人を 退院時に包んだおくるみだった 躊躇する私にすかさず夫は 「必要ないものは捨てる。」と 悪気もなく

    • ありがとう、大好きだよ、と

      それは突然だった 私の父にがんが見つかった 治る見込みの少ない膵臓がん 最初はステージⅡくらいだと 言われていたが調べだしたら 手術困難な箇所にがん細胞があり どうすることも出来ないようだ 余命は2年あるかないかだそう まさか自分の父が!? ドラマや小説でよく出てくる そんなセリフが頭をよぎった 余命宣告から早半年が過ぎ 抗がん剤治療を2週間おきに 打ち続けながら今も懸命に生きている 薬の影響で身体はみるみる痩せ細り 全身の毛は抜け落ちてしまって 帽子なんてほとんどしな

      • 『のぞみ』を待つ

        長い長い階段を急いで駆け登ると すぐ目前で発車の合図と共に扉が パタンと音を立てて閉じてしまった 私は今、博多駅のホームにいる 本来乗車予定の新幹線を見送り 呆然と立ち尽くしている 同時に気の抜けた身体は 地面にぺたんと崩れ落ち 音だけが虚しく響き渡った 列車を乗り過ごした虚無感 しかしそれに相反してどこか 安堵しそっと胸を撫で下ろす そんな私がここにいるのだった 目まぐるしい日々を過ごす中で もうずっと無理をしていたらしい きっかけが無ければいつまでも 立ち止まれなか

        • 底なし沼

          ただ 傍観者だった頃の自分に戻りたい いかに高みの見物をしていたか 思い知らされるのは気づいたあと 何年一緒にいても 誰よりたくさん話していても その言葉の真相に気づかず 上辺だけを信じていた メルヘンチックなお姫様 鈍感だという言葉がお似合いです 一度ぬかるみにハマると 簡単には抜け出せない 必死にもがけばもがくほど 一人静かにゆっくり沈んでゆく

          踊らされる

          荷物を送るため午前中 郵便局へと向かった 平日で人も少なく スムーズに手配完了 さあ、帰ろうとしたその時 係の女性から声を掛けられる 「チラッとアンパンマンの袋が  見えたのですが小さいお子様  いらっしゃるんですか〜?」 息子のいる私は不覚にも はい、と返事をしてしまった 彼女にも来月2才になる子がいて あれこれ苦労話を共有した こういう出会いがあっても悪くない 一旦話が終わり、私の息子にと 郵便局の塗り絵を渡してくれた 心がほっこりしたその瞬間 「そういえば息子さ

          変わらぬ成長

          第一子の出産を終えて 入院生活も残り数日 その日のお昼ご飯は 出産後のお祝いという事もあり とても豪華なイタリア料理だった 私のすぐ後ろにはベビーベッドで すやすやと我が子が眠っている お箸に手を付けお肉を掴んだ その瞬間 赤ちゃんの唸り声が聞こえたので 食べたい気持ちを一旦抑えてお箸を置く お肉を見ながら我が子を抱きかかえ 少しばかり手際の良くなった授乳を始める 落ち着いて食べる頃には温かい料理も 食べやすすぎる温度に変わっていた。。 数年たった今 子どもが寝たのを確

          おしゃべり

          ある時母が施設に入っている おばあちゃんの荷物を整理していると 古い日記が出てきたらしい 母は見てはいけないと思いつつも 数ページほど読んでみると そこには普段口にしなかった おばあちゃんの心情がありありと 書かれていたそうだ 『私が孫を預かって大丈夫だろうか』 『実はこの時こう思っていたが。。』 母はこの日記を読んで 心に刺さるものがあったそうだ 助産師だった私のおばあちゃん 母にとっては義母にあたり なかなか折り合いが合わず 一緒に住んでいたが途中から 別々に暮ら

          思わぬ来客

          一人目の妊娠はあっという間だった 夫婦共に望んですぐ授かった子だ 二人目の妊娠はそうもいかなかった この身体の感じはもしかしたら、と 唐突に妊娠検査薬を買いに 夫と一人目の子を連れて薬局へ行った 検査結果を何度も何度も確認して 陰性だったショックは未だに忘れられない その年の8月 夫のお義父さんが亡くなった 本当に突然であっという間だった お義父さんは優しくて 一人目の子どもの名前を 一生懸命一緒に考えてくれた 亡くなった知らせを聞いた深夜 寝ている私の頭元で ミシミシと

          等身大

          気がついた時にはもう聞き役に徹していた 聞き上手と言われる事が多かったが それはただ自分が喋れなかっただけ 特に 大勢の人の中で発言するタイミングが 本当に分からなかった なりたかった自分は 次から次へと話題がどんどん出てくる人 言葉が上手な人、周りを楽しませる人 出来た事は 自分をさらけ出して 嘘偽りなく過ごしてきたこと 偽りがないことが必ずしも正解だ といえばそうではなかったが それに気づくことになったのは まだずっと先のこと

          ありがとう

          ここにたどり着いてくれて 拙い文章にもかかわらず 読んでくれて スキをしてくれて メールで通知が来るたびに 次は何を書こうかなと 励みになります

          始まり

          眠れない 2才の息子が深夜一時に夜泣きをして すっかり目が覚めてしまった 0才息子の授乳時間が近づいており 寝てもすぐ起こされるのだろうと憂鬱 目を閉じるもののまたいつものように 人生の走馬灯が頭の中を駆け巡る 『あの時こうしていれば』 『なぜあんな事を言ってしまったのか』 『やめてやめてやめてやめて。。』 気がつけば2時間過ごしたのち 夫が最近始めたnoteにたどり着く この眠れぬ時間を埋めるために

          スペック

          女 33歳 0才と2才の息子がいる

          私の頭の中

          後に見返して思い出せる用に すぐ物事を忘れてしまう自分への日記